滑走
もうね、嫌だよおまえといるとこっちまで馬鹿になるから。
はぁ…まぁ…嫌だけど、最高だよおまえ!!
「おいっ!どうすんだ?どうすんだ?!」
「どうする気だったんだよお前は?!」
「全然考えてなかった…ふざけんな!」
と、ドンっと音と共に身体が地面に付く。ちょっとした足場のようなとこに身体が乗る。
「助かったな!アハハっ!」「バカっミシミシ言ってるからまず動くな!」
「このままここいたら助かるんじゃね?」
「いや絶対無理、このミシミシ感を考えたらいつ落ちてもおかしくない」
「じゃーよ…俺を落としてくれ。お前のためなら…」
「わかった」
「はえーよ!まだ話してんじゃん。しかもわかったってなんだよ。即答すんなし!」
「望んでんだろ?仕方ないじゃないか」
「おめーピエロだとかさっきは言ってたじゃねーか!このしょんべん垂れ!」
「漏らしてねーって言ってんだろ!ふざけんな!ってこんな馬鹿に付き合ってられん。助かる方法はないか考えないと…」
「誰が馬鹿だ!?」
とか言ってるのは無視して崖下を見てみる。
よく見てみると崖下といっても気持ち急な斜面なんだな。螺旋のようになってるから滑ろうと思えば滑れるんじゃないかな…
ただ地肌はキツい、ゴロゴロもしんどい。
どうする?とごんぞうを見ると宙吊り中に背中に据え付けた大きな盾を背負ってる。
あー…これはいくしかないか〜他に手立ては思いつかないしな。
でもここから見えない位置は地面がないかもしれないからギャンブルだなと思い話し始める。
「結論から言うと滑り落ちようと思う。よく見るとここは谷ではなく斜面だ。ただこのまま落ちたら打撲やら裂傷とかで致命傷だと思う。
ゴロゴロ転がっていっても多分死ぬ、唯一生き残るすべはごんぞうの大楯だと思う。
これを斜面に向かってスノーボードのようにバランスを取る事が出来れば降りる事が出来る。色々考えたがそれしか思いつかない。行くしかない」
「なるほどな、ちなみに俺スノーボード行った事ないんだが影響あるかな?」知らんがなと思いつつ、「問題ない」と答える。
「わかった。タケルの言う通りにする」と大楯をこちらに渡してきた。
裏面を出し「前が俺でバランス取る、後ろで俺の指示に従ってくれ!ぶっつけ本番で失敗=死だ」「わかった」と言い身を乗り出す。
行くぞ。と大楯に乗ると同時に足場が崩れた。のあって声聞こえてごんぞうが乗ってきたけど危なかった乗り遅れてたら終わっていた…と死と隣り合わせの滑走が始まった。
まずは右だと言い2人とも右に身体を傾ける。少しスピードが出てるから弱めたい。「ごんぞうそのまま気持ち後ろに身体を倒せ!」そうするとスノーボードで言うエッジに力がかかり多少ブレーキがかかる。
前方が浮いてきたため俺だけ前傾姿勢になる。すると安定して斜めに滑り落ちるようになる。
「このまま行くぞ調子良いぞ!」というと「おうよ〜」と声が掛かる。
一号分くらいは滑り落ちただろうか滑走は順調だ。
ちょうど見え辛くなっている部分に差し掛かるとめっちゃ草が生えてるのに気付く。
「草が生えている!負荷かかるから落ちるなよ」というと返事があったので突入する。
ガザガサガザガサっ音の中ガクンガクンっとするもののなんとか草を、抜けさらに進む。
途中でかい蜘蛛のモンスターがいて蜘蛛の糸を俺らに掛けてきたが、俺らのスピードが速いのでぶち切って滑走していく。
順調だ。
このまま行ったら助かると思った瞬間遠くのほうに黒のラインのようなものが見えた。
なんだあれとよくみると谷だ…
あっ終わったな・・・落ちて死んじまう・・・
「遠くに谷っぽいのがあるぞ!よし飛ぶぞ!」とごんぞうが言う。
「無理言うな!不可能だ!」
「何言ってんだ、不可能だと思ったのにここまで生還してるんだぞ!これ以上の不可能がきたら乗り越えるだけだぜ!スピードあげるぞ!!!」と前傾にシフトチェンジする。
スピードが上がっていく、体感は100キロ近いんじゃないか?実際はもっと低いだろうが…
よし、覚悟は決めた前方を持ち上げた方が飛びやすいだろう!
あと5秒4.3.2.1.行くぞーーーーっ!!!
地面からの離脱、飛行機乗った時はこんなに怖いわけではなかったなぁ…と思い谷の下を見る。
真っ暗でどこまで続くかわからない深淵の地って感じだ。
と考えていると向こうの地面が見えてきて迫ってくる。
いけ!いけ!いけーーーーっ!!!!!と騒ぐと、ドンっとした衝撃と大楯の一部が壊れたような衝撃を受ける。
危うく投げ出されそうになるがなんとか盾上に残る!
「あっはっはーディズ〇ーランドより迫力あって最高だったな!」「あとは下にいくだけだ!」と始めの前傾姿勢になり滑走する。
と問題が起きた。
さっきの衝撃で薄くなっていたサイドの鉄が剥がれてもはや木になっている。
木だから削れるのが異常に早い。ガリガリガリガリっと削れ始めてヤバいと思った俺は剣を出して間に差し込もうとする。
変な姿勢のためうまく入らないがなんとか盾の摩耗を減らすために押さえつける。滑り落ちるたびに火花が散りガリガリと削れている感覚が手に伝わる。
地面が見えたぞーーー!とごんぞうがいうので前をみると地面が見えた。
もう少しと思い手の力が抜けてしまい剣が外に跳ねる。
「すまん!」あとは滑り落ちるだけだと気持ち冷静に降りていく。
あとは1分もすれば下まで行くだろうと言う場面で盾が裂け始めた。
ヤバいヤバいヤバいこの高さはまだヤバい。
死ぬ死ぬと考えているとごんぞうが仕方ないと盾の上に立った!
パッと俺を横抱きに持ち上げた瞬間盾が裂けバラバラになった。
終わった…と思ったらまだ滑ってる?なんでだ?と下を見るとごんぞうが滑ってる!
俺を横抱きに抱えて見事なカービングでシュプールを描いている!
あれスノボやったことないって言ってなかったか?と思うも後は降りるだけだ!3.2.1とシュパーーッと音が鳴り地面に到着する。
到着して実感が湧かず、キョロキョロと周りを見るが・・・
生還した、生還した、生還したーーっ!!!!!とピョンピョン跳ね、喜びを全身で表現する。
完全なるドヤ顔でこちらを見るごんぞう、いつもなら腹立つが今日は出会いを感謝したいと思う!
ありがとうーっ!ありがとうーっ!!!
と、喜びもほどほどに周りを見ると、てかここどこだ?と冷静になる。
思えば遠くまできたもんだ。
螺旋を描いているのでそこまで遠くには行ってはないとは思うが、だいぶ離れてしまったのは致し方ない。手元には武器もなく盾もない。知らない地、武器なし。あれ?詰んでない?これ。
「なぁタケル…詰んでない?」
わかってるよお前はもう!
この話はスピード感を意識して書いてみました。
わかりますかね??
伝わるといいな!
ごんぞう、おまえ最高だぜ!




