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異世界はバーゲンブルグから・・・  作者: J.Plum
第四章
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帰還の儀

「すまない、別件あり少し席を外させてくれ」

 王様はそう言うと席を立ち退出していった。


 室内には召喚組が残り話をする。


「なぁタケル、巨人は俺らがビビちゃんと出会った時は既に召喚されてたんだな」

「そうだな」


「ビビちゃんの集落には何故か黒い霧の巨人の話が伝わっていたのは何でだ」


「実はナナトーナ国でも巨人の話をしていた。

 それは消えてなくなると言う点だが話を聞いた。


 おそらく、ビビの祖先はナナトーナからきているんじゃないかな。何らかの方法で海を渡りあそこに集落を作った。だからナナトーナでの神話や伝説などが残りビビの代まで伝わったんじゃないかな」


「なるほどな。まんま獣人だからな、獣人国からきたってほうが間違いないわな」


「タケル…」

「ビビ、ごめんな。我慢させた」

「ううん、トトとカカは悔しいけど、王様は悪い人じゃないってわかってるから…」

「うん、ありがとう」


「今日からタケルがトトになるから」

「そうだな!一緒にあっちに帰ろう!」

「うん!」

「そうね、私たちの目標はあくまで現代への帰還だものね」


 そうして1時間ほど話していると王様が戻ってくる。


「すまん待たせた」

「いえ、大丈夫です」


「念のためもう一度世界全土へ巨人の情報を集めるよう指示は出してきた。おそらく大丈夫だと思うが…」


「ありがとうございます。そういえばビビの宿敵倒しちゃったな俺、すまん。」

「いいです。早く倒せばそれだけ被害が減るですから」

そうだなと言い頭を撫でた。


「さて帰還の儀について話をしよう。

 まずは必要な魔石についてだが結論から言うと既に集まっている。

 あと一つ必要なものはあるが後から説明しよう。


 術者の魔力についてだがおそらく問題ない」

「おそらく?」


「非常にめんどくさい話が絡んでくるんだが、筆頭魔術師の爺さんがあや殿を帰すなどとんでもない、魔術を使わんと吠えているらしい」


 あの色ボケジジイ…


「仮にそうだったとしても次席の魔術師でも問題ないとわかったのでなんとかなるだろう」


「質問いいですか?」

「どうした、たける殿」

「魔石はなんでそんなに集まってるんですか?」

と聞くとごんぞう、ビビがポーズを決める。


「そう、たける殿がこちらに帰ってくるまでの間、ごんぞう殿、ビビ殿、ブライアン殿がダンジョンを周回し集めに集め続け結果3日前には規定量が集まったというわけだ」


「そうだったのか!」

「ああ、ちなみにあの時出たボスはレアなボスだったようで以降はアレと比べると大分劣るボスだったから何回も倒したぜ!」


「そうか!みんな強くなったんだな。っでブライアンは?」

 そう伝えると皆下を向く。

「えっブライアンはどうなったんだ」

「あいつは…あいつは…」


 ゴクリ…


「3日前魔石が全て見つかったとわかると酒場で出会ったマーニャちゃんと高跳びすると行って飛び出して行った。

 例の馬車に乗って外に出たまでは良かったのだが、クラータルの武装兵が外をビッチリと守っており、その真ん中にはヒナ嬢が居た。

 ブライアンはいつもの顔になって引きづられ、王都にあるクラータル屋敷へ行ったのを最後に行方がわからないんだ」


「いやそれクラータルの屋敷にいるでしょ」

「おそらくそうなんだが摩訶不思議と叫び声しか聞こえないんだ」


「いやそれ拷問されてるから」

「拷問?!」

俺しか知らないか…


「と言うことで以降は会えていない」

「んー、とりあえずその件は置いとこう」


「話を続けていいかな?」

「あっ、はい」

「最後に一つだけ召喚術に必要なものがある。それは、人の魂だ」


 は?


「1人送り込むごとに1,000人の魂が必要となる。仮に皆あちらに送還することを考えると7,000人分の魂が必要なんだ」


「それって…無理じゃないですか?!俺らのために7,000人も殺せと言うんですか?!」


「待ってくれ、まだ話は終わってない」

「でも…」「タケル」

「ああ、すみません」


「流石に我が愛すべき国民を犠牲になど出来ない。そこで出てくるのがダンジョンだ」


「ダンジョン?」

「ああ、クラータルにはダンジョンが三つある。実はこのダンジョン3つ合わせて一つのダンジョンなんだ。たける殿は初級と中級を攻略してるのだったな。1階から5階まで出てくるモンスターは同じじゃなかったか?」


「確かに同じだったな」

「最下層に行ってドロップ以外の魔石などあったか?」

「いや特段なかったな」


「それが同じダンジョンであることを示唆している。ダンジョン最下層にあるべきものがあそこにはないんだ」

「ダンジョンコアか?」


「そう、あそこの初級と中級にはダンジョンコアがない。つまりあそこは99階層からなる上級ダンジョンの一部なんだ」


「なるほど、でもだからなんだって言うんですか?」


「うむ、時に人はダンジョンで死ぬとどうなるかわかるか?」

「えっ?わからないです」


「ある程度の時間、1日くらいらしいが経過するとダンジョンに吸収されるんだ。

 そして吸収されると魂ごとダンジョンコアに蓄積される。そうしてダンジョンは生き続けるんだ。

 ダンジョンコアに取り込まれると死してなおも生き続けると言われ死ぬことは許されない無限地獄のような、そんなことだと言われている。

 つまり、あのダンジョンはこの2,000年近く攻略されてないため初級、中級を含め2,000年間で溜まった人の魂が蓄積しているということになる。

 あそこのダンジョンコアさえ手に入れていただければすぐにでも送還させていただこう」


「なるほどですね。わかりましたがそんな人の魂なんて見えないじゃないですか?本当に使えるんですか?」


「それは問題ないだろう。何しろ君たちが召喚された」

「俺たちのときも使ったんですか?」

「ああ、と言っても2,000年前の回収されたものが保管庫に保管されていたのでそちらを使った」


「なるほど。信憑性があるな」

「ここからはお願いだ。たける殿の送還も大事ではあるがそれ以上に国民が死してなおも苦しんでいることが堪らなく辛い。最後の頼みだ。彼らの魂を救いたい。力を貸してほしい…」


 周りを見る、ごんぞう、アヤ、ビビ皆やる気な顔付きだ!


「わかりました」

「そうか!ありがとう!ありがとう!」


 そうして長い長い異世界生活の最後として俺らは99階層からなる上級ダンジョンへ挑戦することになったのだった。

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