8話 レベリングその2
まさかの2話連続更新!
諸々の準備も終わったので、いよいよレベリング開始だ。
まず、コボルトのいる第2階層まで直行する。
そして、コボルトを見つけたら上から廃車を落とす。
それを繰り返すだけだ。
2時間くらい戦ってから2人のステータスを
確認する。
【ステータス】
名前 近藤隼人
レベル 10
ランク 1
攻撃力 82
防御力 32
スタミナ 51
速さ 92
魔力 70
称号 ゴブリンの天敵
コボルトの天敵
スキル アクティブ 身体強化
鑑定
異空間作成
武器スキル装備枠
パッシブ 索敵
SP 23
【ステータス】
名前 工藤美嘉
レベル 6
ランク 3425
攻撃力 22
防御力 13
スタミナ 16
速さ 41
魔力 50
称号 ゴブリンの天敵
スキル アクティブ 身体強化
鑑定
パッシブ 索敵
SP 7
悪くない感じだ。課題は、強いて言うなら、美嘉は見た感じ魔法タイプなのに魔法がまだ使えないことと、タンクというか、相手の攻撃を受けても大丈夫そうなステータスの人がいないことだな。
とはいえ、よほど信用できる人間でなければ俺はパーティーに加えることはおろか、ダンジョンのことすら教えるつもりもない。
そりゃ国の意思に反したことをやっているわけだし、正直いつ捕まってもおかしくはない。
その覚悟があるといえば、嘘になる。
でも、最低限の備えくらいはやっておきたい。
「なぁ、レベリングの方法を変えないか?」
「いいですけど、安全性は減りますよ?」
美嘉の答えに、俺は自分の考えを話す。
「ダンジョンのモンスターは下の階層に行けば行くほど段階を経て強くなるみたいだ。それなら、いきなり廃車を片手で受け止めるような奴は出てこないんじゃないか?」
「つまり、廃車で一撃で倒せないやつが出てきたらそこの階層でレベリングするってことですか?」
「そう。幸いにもモンスターからドロップするスキルオーブはゴミみたいだし、ギリギリのところでレベリングした方が効率としてはいいんじゃないかな」
少し思案して、美嘉は答える。
「確かに、護身のことを考えると、これくらいでちょうどいいかもしれませんね」
こうして俺たちはダンジョンの奥深くに潜ることにした。
自衛隊チームの場合
「くそっ」
散発的なモンスターの襲撃は思ったよりも厄介だった。
こっちが6人というそこそこの大人数で移動しているからか、大抵は向こうから襲ってくる。しかもクリアしたところにもモンスターは湧く。
さらに悪いことに、銃は階層を降りるごとに効果が小さくなった。今俺たちがいる12階層では、20発当てないとほぼ倒しきれない。
弾薬だって無制限にあるわけではないし、配分ができない奴らはダンジョンから生きて出られない。こっちも生命線の弾薬を分けてやるわけにはいかないのだ。
12階層に突入するのは今日が初めてだが、今日だけで3小隊、つまり18人が犠牲になった。
10階層までは、死者は出なかったし、銃で撃てばモンスターは簡単に死んだ。事実、カモ撃ちなんて言って楽しんでいたやつもいるくらいだ。
10階層を超えると、敵が撃たれても突っ込んでくるようになった。
おかしいと上官に口々に具申したが、訴えは聞き入れられず、今日こうして12階層まで潜らされている。
「くそっまた出てきやがった!」
苛立った味方の声に反応して即座に敵に発砲する。
こんなことがいつまで続くのだろう。
その後、他の場所でも攻略は10階層程度で行き詰まり、具申を聞き入れなかった上官は謎の死を遂げたとか。
そういえば、このお話、見切り発車なんですが、掲示板回もある予定です。
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