18 真・暗黒竜王VS魔導王、対峙
『スキル──【魂の根源】発動!』
俺の全身が黒いオーラに包まれる。
体中がバラバラになり、異質な何かに組み変わっていく感覚。
やがて──俺は新たな肉体を得ていた。
巨大な翼。
人と竜の中間のようなシルエット。
太い四肢に巨大な爪。
ズ……ンッ!
俺は『真の暗黒竜王』の姿となって降り立った。
分かる。
分かるぞ。
この新たな体から、すさまじいエネルギーがほとばしるのを。
これはまさしく『真の暗黒竜王』の体だ。
この姿なら──この力なら、いかに魔導王とはいえ敵じゃない。
『ほう……それが「真の暗黒竜王」か」
魔導王がうなる。
『嬉しいぞ。その力のすべて──余のものにしてくれよう!』
『この力は、今までの旅路と仲間たちの助力で得たものだ。お前なんかにくれてやるわけにはいかないな』
俺は翼を大きく羽ばたかせた。
──スキル【光速飛行】発動。
その名の通り、光の速さとなった俺は一瞬にして魔導王の眼前まで迫った。
『なんだと!? この速度は──ぐうっ!?』
俺はそのままの勢いで、魔導王に体当たりした。
『ここで戦うとミラたちを巻きこみかねない。場所を変えさせてもらうぞ』
魔導王に体当たりした状態で壁際まで突っこむ。
『巻き添えを食わないように防御を! 頼む、勇者!』
アーバインに指示を飛ばした。
「分かった!」
アーバインが聖剣を掲げ、防御スキルを発動させる。
勇者パーティとミラたち全員がその効果範囲に入った。
それを確認した上で、俺は魔導王を内壁に叩きつけた。
壁を破壊し、外へ出る。
そこから急上昇。
さらに高く、さらにさらに高く──。
羽ばたきが続く限り、急上昇だ。
さすがに『真の暗黒竜王』の力は、今までとは比べ物にならない。
飛行能力一つとっても、桁が違いすぎる。
あっという間に成層圏を突き抜けた。
そして、さらに上昇。
眼下には、白と青に彩られた球体が見える──。
『これが、俺たちが住んでいる世界なのか……!?』
『ええ、あなたたちが住む惑星ね。そしてここは宇宙空間──』
と、ナビ。
星と宇宙、か。
『ここは空気がないんだけど、「真」になっている今は問題ないわね。さ、後は魔導王を倒すだけよ』
『ああ、ここなら遠慮なく全力を出せそうだ』
『ほざけ。余はお前を打ち倒し、その力を吸収し──真の最強へと成り上がる』
魔導王が吠えた。
俺と奴、二体の黒竜が漆黒の宇宙空間で対峙する。
さあ、最後の戦いと行こうか──。
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