17 共闘
『勇者と暗黒竜王の共闘か。ふん、面白い……いや、愉快だぞ』
魔導王が巨体を揺らして哄笑した。
『余の力がそれだけ強大だということであろう。勇者も暗黒竜王も単体では余に勝てぬということだからな!』
「調子に乗るなよ……!」
アーバインが聖剣を掲げた。
魔導王が炎や稲妻のブレスを放つ。
アーバインが聖剣でそれを斬り散らし、仲間たちの魔法や斬撃が魔導王を打ち据える。
が、魔導王はそれらの反撃をものともせず、さらに反撃を繰り出した。
「ちいっ……!」
アーバインたちはたまりかねたように後退した。
魔導王の追撃を防ぐため、俺は【滅びの光芒】を放った。
『ふん、その程度で──』
言いつつも、魔導王の足は止まった。
その間に、アーバインたちはさらに後退して距離を取った。
「全力で攻めてもビクともしない……」
アーバインがつぶやく。
さすがに、魔導王は強い。
『──ナビ、あれを使う』
俺は彼女に呼びかけた。
『あれ』という言葉だけで、彼女には通じたようだ。
『りょーかい。スキル効果を発揮するにはしばらく時間がかかるわよ』
『その時間を稼げばいいんだな』
『ま、勇者たちもいるし、なんとかなるかな』
くすり、と悪戯っぽく笑う声。
『スキル効果のコントロールはナビに任せていいか?』
『ええ。ガルダはその後の戦いに全力を尽くして』
と、ナビ。
『ご武運を、ガルダ』
『──了解だ、ナビ』
俺たちが打ち合わせをしているのを、ラースは聞き取っているのだろう。
「私たちが前衛を務める。暗黒竜王が何か仕掛けるようだからな」
「俺たちで魔導王を引きつける、ってことか?」
「こちらに決定打がない以上、彼らに任せるしかないだろう」
アーバインは不満げだったが、ラースの言葉に納得したようだ。
「では、いくぞ──【エクスファイア】!」
ラースが上級火炎魔法を唱えた。
「いくぞ、聖剣ファルミューレ!」
アーバインの聖剣から吹雪が巻き起こる。
火炎と氷雪──二つのエネルギーが空中で融合し、より強大な魔法弾となって魔導王に叩きこまれる。
「ぐっ……こ、この威力は──」
爆光。
魔導王は大きく吹き飛ばされる。
「俺たちを甘く見たか? 勇者アーバインを舐めるな!」
アーバインが威勢よく叫んだ。
「……私の魔法を上乗せしてこその威力なのだが」
「わ、分かってるよ、感謝してるって、ラース!」
「分かればいい」
戦場だというのに、どこか和やかな掛け合いだった。
思ったより、彼らには余裕がある。
──いや。
「はあ、はあ、はあ……」
アーバインは荒い息をついていた。
ラースも顔が青ざめている。
さっきの掛け合いは虚勢だ。
今の一撃で二人ともありったけの魔力を使ったんだろう。
そこまでしなければ、魔導王を吹っ飛ばすことなどできない。
『なるほど、大したものだ』
黒煙の向こうから、魔導王が現れる。
「無傷……だと……!?」
アーバインがうめいた。
『相手が悪かったな。余はいずれ神も魔王も超えて最強となる存在。いかに勇者とはいえ──届かぬよ』
『そいつはどうかな』
俺が彼らの前に進み出た。
「お前……!」
『今の攻防の間に、十分「溜め」を作れた。後は俺がやる』
ナビ、いけるか?
『いつでも』
よし、ならば──。
俺は魔導王を見据え、叫んだ。
『スキル──【魂の根源】発動!』
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