14 暗黒竜王VS魔導王、最終決戦開始
『が……は……ぁぁぁ……っ』
体の中心を貫かれた聖蛇姫は苦鳴とともに倒れた。
『お……のれ……後は、お任せ、します……魔導王……さ……ま……』
断末魔とともに聖蛇姫が動かなくなる。
同時に、景色が切り替わった。
『ここは──?』
元通りの場所に戻っている。
『「内なる境界」から脱出できたみたいね』
と、ナビ。
聖蛇姫が施していた【精神石化】が彼女の死によって解けた結果か。
「ドラゴンさん……?」
ミラたちが俺の方を見ている。
どうやら、三人とも無事のようだった。
負傷らしい負傷もなさそうだ。
もしかしたら、こっちではほとんど時間が経ってなかったのかもしれない。
そして、俺は人間から竜の姿になっている。
戻って、いる。
「聖蛇姫が敗れたか」
魔導王がうなる。
その傍らに聖蛇姫が倒れていた。
石でできた体はすぐにボロボロに崩れ、あっという間に風化する。
「まあ、ちょうどよい。精神世界で奴を仕留められばよし。仕留められなければ、準備していたもう一つの方法を使う」
魔導王は胸の前で両手を組み合わせ、印を組んだ。
「我がしもべたち──冥界より今一度よみがえりて、余に力を与えよ」
呪言とともに、魔導王の周囲に四本の火柱が立ち上る。
なんだ、一体──?
「【エクスメタモルフォーゼ】」
魔導王が呪文を唱える。
四本の火柱は重なり、一本に融合し、そして奴を包みこんだ。
ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!
咆哮。
同時に、火柱が弾けた。
『な、何……っ!?』
そこから現れたのは、漆黒の竜。
俺より二回りは大きいだろうか。
六対十二枚の翼を持ったダークドラゴン──。
『聖蛇姫を通じ、精神世界でお前の記憶を読み取らせてもらった。「真の暗黒竜王」の力と、そのイメージをな』
ダークドラゴンが吠える。
『それを元に、余なりの「暗黒竜王」を再現したのが、この体だ』
ダークドラゴンが口を開いた。
そこから青白い光線が吐き出される。
まさか、これは──【滅びの光芒】!?
『ちいっ』
俺は慌てて【滅びの光芒】を放ち、魔導王のブレスを相殺する。
──いや、相殺しきれていない!
魔導王のブレスが俺のブレスを徐々に押し返し、そのまま押しこんでくる。
奴のパワーは、俺以上だっていうのか──!
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