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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 魔導王

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13 王国騎士VS聖蛇姫3

『人間ごときが魔導王様の側近であるあたしを倒す気? 無駄だってば、無駄無駄』


 聖蛇姫が蛇髪をざわめかせる。

 その口先から光弾が放たれた。


 蛇髪にはこんな攻撃方法もあるのか!?


 俺は大きくサイドステップして避ける。

 が、着地した瞬間を狙って、第二波が来た。


「ぐあっ……」


 体勢を整えきれず、吹っ飛ばされる俺。

 剣を支えに、よろよろと立ち上がった。


 正直、今のは効いた。


 だが、問題ない。

 奴に肉薄し、剣を叩きこむ──。

 俺がやるべきことは、それだけだ。


「いくぞ、ナビ」

『──了解。【エクスサーチ】』


 ナビが上級探知呪文を唱える。

 これから俺が仕掛ける攻撃のための、下準備だ。


『いいよ、ガルダ。仕掛ける場所は──』


 と耳打ちするナビ。


 それを聞いて、俺は地を蹴った。


『【身体強化・上級】!』


 ナビの呪文を受け、俺の運動能力が何倍にもアップする。


 かなり効果が高い【身体強化】なんだろう。

 体がすさまじく軽い。


 聖蛇姫の光弾が俺を迎撃した。

 走りながら避けるが、数が多すぎる。


「ぐっ、ううう……っ!」


 光弾の半分は受けるに任せ、さらに走った。


 多少のダメージはいい。

 とにかく間合いを詰めるんだ。


『必死だね~。そんなに傷だらけになってもまだ戦うんだ?』


 聖蛇姫が揶揄した。


『ここでは人間の姿だけど、向こうに戻ればドラゴンでしょ? 二度と人間社会には戻れないよ。それでも戦う理由があるの~?』

「やっと魔導王の元までたどり着いたっていうのに、戦わない理由こsどこにある?」


 俺は走る。


「人間社会に戻れなくてもいい! まだ生きている奴らが、またエレノアで過ごせるように──笑って平和に過ごせるように、俺は戦う!」


 さらに、加速。

 全身の筋肉がちぎれそうなほどの負荷だ。


 運動能力が上がるということは、それだけ負荷が強烈になるってことだからな。


 構わず俺は踏みこむ。


 あと──五メートル!


「その未来を切り開くために、俺は戦う!」


 復讐を遂げ、未来を歩む。

 それが俺の人としての、竜としての戦う理由。


『こ、このっ……なんで、これだけ食らっても、まだ止まらない……っ!?』


 そうだ、俺は止まらない。

 あと三メートル……二メートル……一メートル──。


「おおおおおおおおおおおおおおおっ!」


 俺は渾身の一撃を聖蛇姫に叩きつけた。

 切っ先が胸の間に当たり──、


 ぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃっ……!


 軋むような音を立てて、わずかにめりこむ。


『な、なぜ……!? あたしの体が──』

「どんなに硬い物質でも、その一点を衝けば脆く崩れるというポイントがある」


 俺はさらに力を込めた。


 ぎぎぎぎぎっ、と切っ先が石の体に沈み込んでいく。


「そこを正確に突いたんだ。ナビに呪文でサポートしてもらって、な」

『そういうこと。私が上級探知呪文【エクスサーチ】であらかじめ、そのポイントを見極めていたからね』


 と、ナビ。


「終わりだ、聖蛇姫」


 そして。


 俺が全体重を込め、聖蛇姫の中心部を貫いた──。

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