8 魔導王の城へ
俺はミラ、コレット、リーリアを背中に乗せ、一路、魔導王の居城へと向かっていた。
翼の枚数も増え、パワー自体も上がった今の俺の【大飛行】は以前の数倍のスピードだ。
あっという間に国境を越え、アルバ公国までやって来た。
さらに、加速。
しばらくすると眼下に白亜の城が見えてくる。
『あれか──』
『間違いないわね。城から強大な魔力反応を感じる』
ナビが言った。
『上空からブレスで焼き尽くすか』
見れば、城の周辺には無数のモンスターがいる。
巨人やゴーレム、ドラゴンを始めとした巨獣たち。
地上戦はなかなか厄介そうだ。
今の俺なら、あの大群が相手でも切り開いて正面突破できるかもしれない。
だが、魔導王のところに行くまでは、消耗を最小限にしたい。
奴らの攻撃範囲外から、こっちが一方的にブレスで薙ぎ払う──というのが最上だとは思うが……。
『待って、敵が来たわよ』
ナビが警告した。
『空戦部隊か……まあ、空を無防備にするわけはないな』
俺は気を引き締めて前方を見据えた。
城の上部から飛び立ち、向かってきたのは飛竜の一群だ。
『パワーは弱いけど、飛行能力に特化したタイプよ。相手のスピードに振り回されないようにしてね』
『了解だ』
向こうがスピード自慢なら、こっちは──。
俺は大きく口を開いた。
『ドラゴンブレスを使う。爆風に備えろ』
ミラたちに告げる。
「は、はい、ドラゴンさん」
「あたし、いちおう【プロテクション】をかけとくね」
と、コレット。
彼女たちの周囲が薄緑色の光のドームに包まれたのを確認し、俺はブレスを放った。
食らえ、【大罪の雷弾】!
広範囲に広がる稲妻をまき散らすドラゴンブレスだ。
銀色の雷光が前方のワイバーンをまとめて吹き飛ばした。
『迎撃部隊はなくなった。このまま降下するぞ』
「す、すごい……」
「ひえー、瞬殺か」
「ⅣからⅤに進化して、一段と強くなったな……」
ミラ、コレット、リーリアが背中で息を呑んでいるのが分かった。
俺は翼を畳み、城の上部に向かっていく。
スキル【爪撃裂破】!
繰り出した爪で外壁を貫き、強引に引きはがした。
空いた穴から城内に侵入する。
内部はかなり広かった。
モンスターが行き来することを考え、改造したんだろうか。
天井は十メートル以上あり、俺の体のサイズなら立って通ることができる。
『ナビ、魔導王の居場所は?』
『この奥よ。強い魔力反応があるわ』
『じゃあ、進むぞ。いきなり決戦だが、覚悟はいいか? ミラ、コレット、リーリア』
「も、もちろんです」
ミラは声こそ震えているが、返事はしっかりとしていた。
「あたしも大丈夫」
「同じくだ」
コレットとリーリアも答える。
『なら、前進だ』
待ってろよ、魔導王。
いよいよ、お前を討つときが来た──。
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