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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 魔導王

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5 出発

「魔導王に決戦を挑む──そういうことですか、ドラゴンさん?」


 ミラがたずねた。

 緊張の面持ちだ。


『現在の奴は、アルバ公国の近くに陣取っていたはずだ。各国への侵攻状況を見る限り、新たな側近モンスターは補充できてないようだし、今が好機だろう』


 神樹伯爵(しんじゅはくしゃく)機甲巨人(きこうきょじん)天翼覇竜(てんよくはりゅう)

 俺は魔導王の側近をすでに三体撃破している。


 そして、俺自身のステータスも、その側近たちと大差ないほどに高まっている。

 さらに切り札ともいえるスキル【魂の根源】を得た。


『そうね……魔導王の側には強い生体反応が一つあるだけ。たぶん、それが側近モンスターでしょうね』


 と、ナビ。


『つまり、奴の周囲にいる側近は一体だけ、ということか』

『私が鑑定する限りではね』


 俺の問いにナビが答える。


『よし、行ってみるか』


 俺は決断した。


 もう少し熟慮した方がいいだろうか?

 きっと──俺の行動は性急に過ぎるんだろう。


 だが、これ以上待てなかった。


 魔導王を一刻も早く止めたい。

 魔導王を一刻も早く倒したい。


 それは、暗黒竜王に転生して以来、ずっと俺の心の真ん中にある思いだ。

 今こそ、その思いを果たすとき──。


『敵の本拠に乗りこむ、となれば、今までとは危険が段違いだ。ミラたちはここに残ってくれ』


 俺はミラたち三人に言った。


「そんな! あたしはドラゴンさんと一緒に行きます!」


 ミラが首を振る。


『だが危険が──』

「危険じゃない戦いなんてありません」


 俺をまっすぐに見据えるミラ。

 思った以上に意思が固いようだ。


「あたしだって、魔導王の軍団に姉を殺されてるんですよ。その仇を討ちたいです」

「それにアビーの仇も、でしょ?」


 コレットが言った。


「あたしも一緒についてくから。拒否なんてしたら許さねーからね」

『コレットまで……』

「ま、仲間を殺されて黙ってられるほど達観してないし。落とし前つけに行かねーと」


 コレットがふんと鼻を鳴らした。


「当然、私も行くぞ」


 さらにリーリアが進み出た。


「成り行きで君たちとともに行動することになったが……今はもう、君たちは大事な仲間だと思っている。最後まで付き合わせてくれ」

『危険だぞ』

「分かっているさ。だが、君が守ってくれるんだろう? 私たちのナイトとして」


 リーリアが悪戯っぽく笑う。


「だね」

「お願いします、ドラゴンさん。もちろん、あたしたちだって戦力になれるよう努めます」


 うなずくコレットと、あくまでも生真面目なミラ。


『危なくなったら、まず自分の身を守ることを第一に考えてくれ』


 俺は小さく息をついた。


『人間はドラゴンに比べて耐久力がずっと低い。生命力もな。俺は、お前たちに死んでほしくない』

「はい、ドラゴンさん」

「あたしだって死にたくねーし」

「私もだ」


 ミラたちは異口同音にうなずく。


 よし、出発だ。

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