4 新スキル
『へえ、【魂の根源】を手に入れたんだ?』
突然、声が聞こえた。
ナビの声だ。
ただし──いつもみたいに頭の中で響いたわけじゃない。
すぐ目の前から聞こえるような……。
『何言ってんのよ。あなたのすぐ目の前にいるわ』
『ナビ!?』
いつの間に現れたのか、銀髪褐色の踊り子風美女が俺の目の前に立っていた。
人の姿を取ったときのナビの姿だ。
だが、この姿は俺の精神世界──『内なる境界』の中でしか現れないはず。
『あなたが手に入れたスキル【魂の根源】の効果よ』
ナビが言った。
『スキルの効果……?』
『その者が持つ、本来の魂の姿を具現化する──それが【魂の根源】のスキル効果よ』
説明してくれたが、今一つ分からない。
『私は──【竜王級鑑定スキル】というのは、「真の暗黒竜王」の魂に刻まれた巫女の記憶なの』
『巫女……?』
『かつて、「真の暗黒竜王」に付き従っていた【導きの巫女】の、ね。この姿も巫女の姿を映し出したものよ』
と、ナビ。
だから魂を具現化するこのスキルで、私も実体化できたってわけ』
まだ、よく分からない部分もあるが……なんとなくニュアンスは理解できた。
同時に、一つのことに気づいてハッとなる。
『魂を具現化──もしかして、この間の神殿みたいに「真の暗黒竜王」の姿を実体化させることもできるのか?』
『ええ、おそらくは』
ナビがうなずく。
『ただし──』
言いながら、その姿がだんだんと薄れていく。
『あなたのスキルレベルは1。まだまだ実体化できる時間は短いわ』
『ナビ……?』
銀髪褐色の巫女の姿はさらに薄れ──やがて消えてしまった。
『あ、心配しないで。実体じゃなくなっただけで、今まで通りこうして話すのはいつでもできるわよ』
頭の中にナビの声が響いた。
『ふふふ、心配してくれた? いなくなって初めて分かる、私への愛……とか?』
『愛? なんの話だ?』
『もう、つれないんだから──』
なぜか拗ねたようなナビ。
その冗談は置いておくとして──。
『時間が短いとはいえ、ある程度は実体化できるんだよな?』
俺はナビにたずねた。
『それは、まあ……』
『えっ、仕掛けるって──』
「まさか、ドラゴンさん──」
ナビとミラが同時に息を飲む。
『もちろん──魔導王に、だ』
俺は小さく吠えた。
「ですが、仕掛けるのはまだ早すぎませんか?」
『早い? 遅すぎるくらいだ。俺がこうして力を蓄えている間にも、魔導王は多くの国に攻め入り、多くの人間を苦しめ、多くの町を破壊している』
俺はふたたび吠える。
『誰かがそれを止めなきゃならない。だから、俺は一刻も早く奴の下へ行きたい』
【大事なお知らせ】
本作の書籍版(BKブックス様)が発売されました!
なんとか2巻、3巻とつなげていきたいので、ぜひよろしくお願いします~!
下のリンクから公式ページに飛べます!
【読んでくださった方へのお願い】
ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある☆☆☆☆☆をポチっと押すことで★★★★★になり評価されます。
「面白かった!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、ぜひポチポチっとしていただけましたら励みになります!





