2 竜騎士
『相手は対魔法の鱗を持っている。コレットやリーリアの魔法は効果が薄いはずだ。俺がメインで戦う』
と、ミラに告げる。
俺の言葉を解することができるミラが、それをコレットやキュールに伝えた。
「魔法は通じなくても、剣なら通じますよね」
背中を振り返ると、ミラが剣を抜いていた。
神樹伯爵との戦いでメインの剣を砕かれたため、これは予備の剣である。
「あたしも戦います、ドラゴンさん!」
『戦うといっても、相手は竜だぞ』
「対竜の戦闘訓練も受けてますから」
ミラが凛と告げる。
なるほど、さすがは騎士団の次期エースだ。
それに彼女の潜在能力は飛び抜けて高い。
相手が竜クラスでも戦力になってくれるかもしれない。
『分かった。だが、無理はするなよ』
「はい!」
剣を構えるミラ。
さながら、竜騎士といった様相だった。
「コレット、リーリア、魔法で援護をお願いします」
「勇ましいねー」
「了解だ」
ミラの言葉にうなずくコレットとリーリア。
よし、戦闘連携の確認は済んだな。
『いくぞ!』
俺はミラに呼びかけ、空を翔けた。
『撃ち落としてやる!』
『ファイアヤングドラゴン』たちが次々に火炎のブレスを放つ。
──見える。
今の俺の反応速度なら、相手が若竜級といえども、攻撃を見切ることは十分に可能なようだ。
無数の火炎のブレスの間を縫うように飛び、お返しに【滅びの光芒】を浴びせる。
まずは三体を撃破。
四散した『ファイアヤングドラゴン』たちを横目に、俺はさらに加速した。
『馬鹿な、一撃だと!?』
『なんという威力のブレス──』
おののく若竜たち。
俺はさらにブレスを放った。
面白いように敵を撃破していく。
勝てる──。
同じヤングドラゴンでも、俺と奴らでは格が違う。
「はあっ!」
と、一体の『ファイアヤングドラゴン』をミラがすれ違いざまに斬り伏せた。
スキル【剛剣】を併用してるんだろう、すさまじい一撃だ。
「ふうっ……あたしも一体仕留めました」
ミラが息をつく。
頼もしいかぎりだった。
まさしく『竜を狩る者』だ。
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