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6 さらに先を目指して

『リトルダークドラゴンに進化、でいいのね? 一度決めたら、もうやり直しはきかないわよ』


 ナビが念を押してくる。


 う、そう言われると、やっぱり迷いが出てくるな。


 俺は再度、熟考した。


 ……いいんだ、これで。

 正直、完全に悩みが晴れたわけじゃないが、やはり最初の選択をそのまま貫くことにした。


 やってくれ、ナビ。


『りょーかいっ。じゃあ、進化開始~!』


 ナビの声とともに、俺の頭の中で高らかなファンファーレの音が響いた。


『あ、この音は単なる演出よ。深い意味はないから気にしないで』


 なんだよ、演出って。

 と、そのとき──俺の全身に熱い衝撃が走り抜けた。


 う……おおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?


 体の内側で何かが弾けそうな感覚。

 俺が、俺じゃなくなるような感覚──。


 ずぶりっ、ずぶりっ。


 首の下の方で何かが盛り上がるような感じがした。

 気が付くと、前足と後ろ足が生えている。


 あ、足が……!?


『進化して姿が変わったみたいね』


 と、ナビ。


『足が使えるようになったし、習得可能スキルも増えるはずよ。おめでと♪』


 ありがとう、ナビ。


 あ、そうだ。

 新しい俺のステータスを見せてくれるか。


『りょーかい、ステータスオープン!』


 ナビの声が弾んでいる。

 心なしか彼女(?)のテンションも上がっているらしい。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

称 号:暗黒竜王

種 族:リトルダークドラゴン

形 態:ドラゴンタイプ

L V:1

H P:26

M P:40

攻撃力:28

防御力:22

素早さ:25

★  :7

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ん、レベルが1に戻ってるぞ?


『進化するとレベルはいったんリセットされるのよ。えへへ、言い忘れちゃった。ごめんね』


 ナビが素直に謝ってきた。


 いや、まあ……どっちにしろ進化することを選んでいたから、別にいいか。

 それにレベル1に戻ったとはいえ、直前のレベル6のベビードラゴンのときよりもステータスはおおむね上だしな。


『スキル一覧も変化したわよ』


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

〇所持スキル

【鑑定(竜王級)】LV1

滅びの光芒ライトニングバニッシャー】LV2

【爪撃】LV1

【竜尾】LV1

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 おお、格闘っぽいスキルが追加されている!

 前よりも格段に強くなった気がするぞ。


 気分が高揚してきた。


 この勢いでどんどん強くなるんだ。


 そして、奴らを──。

 魔導王の軍団を、倒す。




 ──ふいに、俺の視界が揺らいだ。




 なんだ……!?


 目の前の景色がぼんやりと薄れ、代わりに何かが見えてくる。


 いたるところから炎を吹き出す、灼熱の大地。

 その大地を埋め尽くす、無数の魔獣や巨人。


 それに対峙する──巨大なシルエット。


 たぶん、竜だろう。

 そいつの周囲だけが陽炎のように揺らぎ、しかもいたるところが白い水蒸気で覆われ、その姿はぼんやりとしか見えない。


 ごうっ……!


 竜(?)がまばゆい光のブレスを吐き出した。


 青い光線状のそれは地表を走り、大地を割り、爆裂させ、魔獣や巨人たちを一瞬にして消し飛ばした。

 一体残らず、根こそぎだ。


 すさまじい──という形容さえ生ぬるい、圧倒的な強さ。

 絶対的な、強さ。


 なんだ、こいつは──?


 自問に対する答えは、すぐに浮かんだ。


 こいつだ。


 暗黒竜王──。

 その称号を持つモンスターが進化した先。


 それが、こいつなんだ。


 この力があれば、王都を蹂躙した魔導王やその軍団なんて敵じゃない。


 必ず俺が蹴散らしてやる。


 いずれ、真の暗黒竜王になって──。

次回から第2章になります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


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