1 VSヤングドラゴン
俺たちの行く手にある城塞都市から、火の手が上がっていた。
いくつも、いくつも。
上空にいる竜の群れが、都市に向かって次々と火球を吐き出していく。
城塞からも弓矢や攻撃魔法で応戦しているが、大半は竜に届かず、届いたものも頑強な鱗に跳ね返されていた。
そして、また吐き出される火球のドラゴンブレス。
堅固な城塞都市が一方的に焼き払われていく──。
『ヤングドラゴンの群れね』
ナビが言った。
今の俺はダークヤングドラゴンⅢまで進化しているから、ランクとしては同格ということになる。
『同格……それはどうでしょうね?』
ナビが含み笑いをしたようだ。
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称 号:天空の狩人
種 族:ファイアヤングドラゴンⅠ(空戦型)
形 態:ドラゴンタイプ
L V:7
H P:131
M P:109
攻撃力:155
防御力:120
素早さ:129
★ :5
〇所持スキル
【灼熱のブレス】LV4
【爪撃】LV2
【竜尾】LV1
【飛行】LV3
【対魔法鱗】LV5
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と、敵の能力データを出すナビ。
ん、これは──?
今の進化のひとつ前──『リトルダークドラゴンⅡ』の俺と似たような能力値である。
同じ『ヤングドラゴン』なのに、相手は俺が『リトルドラゴン』時代と大差ないステータスなのか……?
【対魔法鱗】のスキルを持っているから、リーリアやコレットの魔法は効果が薄そうだ。
空を飛ぶ敵にはミラの剣も容易に届かない。
ここは俺がやるしかないだろう。
竜VS竜、ということになるな。
『同じ竜なら、あなたの方が圧倒的に格上よ。ガンガンいっちゃって、ガルダ」
ナビが威勢よく言った。
と、
『ドラゴンか。その紋章──闇の眷属のようだな』
『ファイアヤングドラゴン』の一群が、こちらを向いた。
『我らは偉大なる魔導王陛下の側近「天翼覇竜」様の配下』
『貴様も竜なら、我らに刃向わぬほうがよいぞ』
『見たところ、ヤングドラゴンの様子。どうだ、貴様も我らが軍に入らぬか?』
いきなり勧誘された。
答えは、当然NOだ。
といっても、言葉を発することができない俺は、態度で示すしかない。
ゆっくりと──全身の闘気を膨らませる。
『むっ? 戦うというのか?』
『馬鹿め、こちらは全部で五十。たった一体で勝てると思っているのか』
竜の群れたちがどう猛に吠えた。
──勝つさ。
俺は闘気をさらに燃え上がらせる。
お前たち魔導王の軍勢は、俺がすべて倒す──。
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