17 暗黒竜王VS機甲巨人3
『後悔しろ。もはや俺自身にも止めることはできん。俺のエネルギーが切れるまで、すべてを破壊するだけだ──』
全身の砲門がいっせいに火を噴いた。
爆炎と爆光。
地表に沿って閃光が走り、連鎖的な爆発が巻き起こる。
地上すべてを破壊するのではないかと思わせるほどの、すさまじい攻撃エネルギーの嵐だった。
ミラたちは大丈夫だろうか──?
俺は急いで彼女たちの下に降り立つ。
「くううっ……!」
「お、重い──」
コレットとリーリアがそれぞれ防御呪文を展開し、二重のシールドで爆発の余波を防いでいる。
だが、魔力によるシールドは激しく明滅して、すでに破れる寸前といった様子だった。
攻撃が直撃したわけではなく、単なる余波でこの状態である。
次の攻撃が、もっと近くに着弾したら──。
より大きな余波が来たら、防げないかもしれない。
俺自身は空に飛ぶなり、ドラゴンブレスで相殺するなりすれば、大きなダメージは受けないだろう。
だが、ミラたちは助からない。
どうする──!?
その瞬間、俺の視界が突然切り替わる。
切り立った山々は純白、頭上の空は漆黒。
白黒の二色に彩られた世界だ。
以前の平原とは違うが、ここは『内なる境界』か……!?
『そういうことね』
目の前に銀髪褐色肌の美少女が出現した。
擬人化して美少女の姿となったナビだ。
……なぜ俺がこの世界に来たのか、なんて考えるのは後回しだ。
今必要なことは、たった一つ。
「……ナビ、もう一度いけるか。あれを」
俺はナビに問いかけた。
『ガルダ?』
「迷っている時間はない。俺に力を貸してくれ。もう一度、『真の暗黒竜王の力』を使って、機甲巨人を止める」
そう、神樹伯爵戦で使った『真の力』だ。
あれなら伯爵と同格の力を持つであろう機甲巨人とも、十分に渡り合えるだろう。
『内なる境界』にいる今なら、俺の中に宿る『真の暗黒竜王』に呼びかけ、力を使わせてもらえるかもしれない。
『耐えられるのか、お前の精神力で』
声が、した。
以前にも『内なる境界』で聞いた声だ。
そう、真の暗黒竜王──。
俺の中に巣食う、そいつの声。
「お前から声をかけてくれて助かった」
俺は周囲を見回す。
前方が揺らぎ、全長100メートルを超える巨大な黒竜が出現した。
『お前の今の体が我が完全体に近づけば近づくほどに──「真の力」を使う際の負担は小さくなる。なぜなら、本来の体で使うべき「真の力」を今の体で無理やり顕現させているのだからな』
「今の俺では、消耗や負担が大きすぎる……ってことか?」
『前回、真の力を使ったときよりはお前も進化している。負担は減るだろう。それでもなお──膨大な消耗を強いられるはずだ』
と、暗黒竜王。
『あのとき、お前の意識は消失する寸前だった。幸運にも覚醒できたが……次も同じ幸運が起きるとは限らんぞ』
「……なら、今度は俺自身の精神力で制御してやるさ。運に頼らずに、な」
俺は暗黒竜王を見据えた。
まっすぐに。
強い意思を込めて。
「その力は『今』必要なんだ。悠長に進化を待っていたら、みんな殺されてしまう。だから──俺に力を貸してほしい」
『……いいだろう』
うなずく暗黒竜王。
──そして。
俺の中から、ふたたびすさまじい力が湧き上がる。
神樹伯爵戦で生じたのと同じ現象。
圧倒的すぎる力。
おそらくは神や魔王に比肩するほどの──。
『最強』を具現化した力。
るおおおおおおおおおおおおおおおおおおんっ!
俺は吠えた。
体中が熱い。
内側から炎があふれそうな感覚。
あまりにも強大な暗黒竜王の力──そのすべてを俺の手中に収めることは、まだできない。
現時点で俺が使えるのは、せいぜい二割程度だろう。
だが──それで十分だ。
十分すぎるほどだ。
魔導王の側近クラスを倒す程度なら、な。
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