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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第4章 新たな旅路

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16 暗黒竜王VS機甲巨人2

『──ふん』


 だが、機甲巨人もさすがに魔導王の側近である。

 貫通特化のドラゴンブレスは、奴の表面装甲にあっさりと弾き散らされた。


『貫通力が足りんな。神樹伯爵はこんな奴にやられたのか……?』


 訝しげに俺をにらむ巨人。


『あるいは──奥の手でも隠し持っているのか?』


 俺は答えず、さらにブレスを放つ。

 だが、やはりさしたるダメージは与えられなかった。


 さすがに、固いっ……!


『どうした、打つ手なしか?』


 巨人が体を揺らして笑う。


『なら、はたき落してやろう、お前など俺から見ればハエのようなものだ』


 人をハエ呼ばわりするんじゃない。

 ……いや、今の俺は人じゃなくて竜か。


 と、巨人が平手打ちを繰り出してきた。

 文字通りのハエ叩き。


 俺は翼を思いっきり羽ばたかせ、急旋回した。

 直撃は避けたものの、直後に突風が押し寄せ、俺は空中でバランスを崩す。


『気を付けて、ガルダ。あいつの一撃は風を起こして気流を乱れさせるよ』


 ナビが警告した。


『乱気流の中で上手く飛ぶのは、まだ慣れてないガルダには難しいはず……』

「……だな」


 うなずく俺。


 直撃を避けても、気流の乱れで動きが鈍ってしまう。

 そこを狙われて、第二撃が来たら──。


 俺は空中で後退して巨人から距離を取った。


『なんだ、臆したか?』


 まだだ……!


 俺は翼に力を込め、急降下を開始した。

 全力の羽ばたきに重力の加速もプラスして、最高速で突っこむ。

 そのままブレスを吐き出した。


 使用したのは『大罪の火炎』。

 爆光と爆炎が周囲にあふれる。


『無駄だ! お前の攻撃では俺の防御と耐久は破れん』


 ──だろうな。

 俺は内心でほくそ笑みつつ、急旋回する。


『これは……み、見えん……!?』


 巨人が戸惑った。


 そう、今のブレスは攻撃目的じゃない。

 相手の視界を奪うための一手。


 そして本命は、今から放つブレスだ。


 これなら──!


 俺は奴の胸元付近に『滅びの光芒』を放った。

 さらに『大罪の火炎』を、『大罪の氷雪』を、続けざまに浴びせる。


 手持ちのドラゴンブレスの乱れ撃ちである。

 先ほどとは比べ物にならない、すさまじい閃光が周囲に広がった。

 大爆発だ。


 いくら奴が圧倒的な耐久性を誇ろうとも、これだけの攻撃を集中させれば──。


『おの……れ……』


 黒煙の中から、巨大なシルエットが現れる。


 えっ……!?


 俺は驚きに目を見開いた。


 巨人の姿が、変わっていた。

 全身の装甲のあちこちが開いている。

 そこからあふれる真紅の輝きが、大地をえぐり、大気を焼く。


 あれは──。


『魔力の輝き、ね』


 ナビが言った。


『たぶん、普段は内部に貯蔵してるんでしょう。それを一気に燃焼する際、余剰エネルギーがああして発光して周囲に振り撒かれているのよ』


 余剰エネルギーだけでもすさまじい魔力みたいだけど……。


『ええ、ここからが全開、ってことよ』


 ナビが言った。


『俺の体を覆っている材質は単なる装甲ではない。真の力を抑えこむためのリミッターだ』


 機甲巨人が語る。

 なるほど、ナビの話と一致する説明だ。


『なぜ、抑えこんでいるか分かるか? 全力を出すと、あまりの破壊力に周囲には何も残らんからだ』


 巨人の全身から、さらに鮮烈な輝きが立ち昇った。


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