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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第4章 新たな旅路

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13 新パーティ2

 ん、あれって──。


『バレットロックね』


 ラシェルの大森林でも戦ったことがある。

 そう、俺が最初に『進化ポイント』を手に入れたときの相手だ。


 今なら、楽に狩れるな。

 俺は眼下のバレットロックに向かって、ドラゴンブレスを撃った。


 全部で六体。

 労せずして進化ポイントを得ることができた。


 しばらく飛ぶと、次に現れたのはダークバイソン。

 名前の通り、漆黒の牛型をしたモンスターだった。


 これもブレスで一撃。

 後には、こんがりと焼けたダークバイソンの死体が横たわっている。


 こんな感じで、俺はチマチマと経験値稼ぎを重ねていた。

 目的地に向かう道中、モンスターと出くわす機会がそれなりにあったからな。


 中には進化ポイントを得るための対象──レアリティ4以上のモンスターもいた。

 そいつらを倒したおかげで、現在の進化ポイントはそれなりにたまっている。

 もう少ししたら、新たな進化を迎えることができるんじゃないだろうか。

 と、


「ねーねー、ダークバイソンってかなり美味らしいですぅ」


 キュールが言った。


「美味?」

「……ちょっと食べてみたい、かも」

「同じく」


 ミラ、コレット、リーリアが異口同音に反応する。


「じゃあ、決まりですぅ。キュールがさばきますね。こう見えても【料理】スキルを取得してたりするので~」




 木の葉を重ねて作った皿の上に、香ばしい匂いのステーキが乗せられている。


 キュールが即席で料理したものだ。

 ダークバイソンの肉を解体していく手際といい、絶妙の焼き加減といい、本職の料理人顔負けである。


「おいし~い!」


 ミラとコレットが同時に叫んだ。

 二人ともホクホク顔だ。


「うん、確かにいけるな。あいかわらず料理上手だよ、キュールは」


 リーリアも普段のクール顔に、蕩けそうな表情を浮かべている。


「これならいいお嫁さんになれる」

「やだなぁ、キュールはリーリアと一緒に過ごせたら、それで満足……」

「ん?」

「あ、ううん、なんでもないですぅ!」


 なぜかリーリアを見て顔を赤らめたキュールは、すぐに両手をぶんぶんと振った。


「???」


 リーリアの方はキョトンと首をかしげている。


「そ、それより、キュールの焼いたダークバイソンステーキはどうですか?」

「最高です」

「しばらくは携行用の糧食ばかりだったから、余計に美味しく感じる」


 ミラとコレットが微笑む。


「うふふ、どんどん食べてくださいね~」


 キュールはドヤ顔だった。

 俺はそんな四人の掛け合いを少し離れた場所で見つめている。


 和やかで、楽しげで──。

 見ているだけで、心が癒されるようだった。


 ああ、いいなぁ、と思う。


『ちょっと感傷的になってない、ガルダ?』


 ナビがからかうように言った。

 感傷的って……俺はただ和んでいただけだ。


『あなたはもう人間じゃない。ドラゴンだもの。もしかしたら切なくなってないかな、って』


 と、ナビ。


 切ない……どうだろう。


『寂しくなったら、内面世界で私が慰めてあげるからね。あの世界ならガルダも人間の姿で実体化できるし、私も人の姿を取れるし』


 内面世界って、この前の場所か。


『基本、二人っきりだからね。イチャラブし放題だよ』


 ……イチャラブしたかったのか、ナビ。


『っ……! や、やだなー、もののたとえだってば! たとえ! わ、私は別に、ガルダのことなんてなんとも思ってないんだからねっ!』


 どうしたんだ、ナビは。

 彼女の態度の変化に戸惑いつつも、俺はふたたび四人を見つめた。


 和気あいあいとした雰囲気に心が和む。


 特別なイベント、というわけではない、平凡な日常の一場面──。

 そんな場面が何よりもかけがえのないものだと、俺は知っている。


 すべてを失ってから、思い知った。

 もう二度と帰らないあの日を。


 家族も、友も、仲間も、淡い恋心を抱いていた相手も──。

 すべては侵略の炎の中に消え、失われてしまった。


 ……なんて、な。

 やっぱり感傷的だろうか、俺は。


 だが、たまにはこういう気持ちになるのもいいかもしれないな。


 俺が、人であった残滓のようなもの。

 俺に残されたひとかけらの、人の証。


 それを胸に抱き、竜としての生を突き進む。


 それが今の俺、暗黒竜王ガルダ・バールハイトなんだ。

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