6 門番3
第二のドラゴンブレス『災いの波動』。
その効果は、相手の特殊防御を無効化すること。
ただし……一発につき一体にしか効かず、さらにクールタイムが十分発生する。
この拮抗したバトルで十分のクールタイムは、長い。
二発目を撃つ余裕は、おそらく与えてもらえないだろう。
その大事な一発をどちらに使うべきか──。
二体のモンスターを、俺はあらためて見据えた。
奴らの連携パターンは大雑把に言えば、『ビートル』が攻撃担当で、『スパイダー』がそのサポート、といったところだろう。
まず『スパイダー』の糸で敵を捕獲、あるいは牽制。
その隙をついて、強力な近接攻撃を持つ『ビートル』が距離を詰め、敵を仕留める。
ならば、俺がブレスを使う相手は『スパイダー』だ。
奴をまず仕留めてしまえば、後は『ビートル』の相手に専念できる。
問題はその間に『ビートル』の攻撃を持ちこたえられるか、どうか。
「あたしがやります」
まるで俺の考えを読んだかのように、ミラが前に出た。
「あなたには考えがあるのでしょう? きっと、今も──敵の連携を崩すために、どちらを狙うべきかを見定めている」
ミラ、お前は……。
「あたしが『ビートル』を引きつけます。その間に『スパイダー』を。アビーとコレットも、ドラゴンさんに合わせて攻撃や補助をお願いします」
「い、いや、でもドラゴンが同じ狙いかどうかは……」
「大丈夫。目を見れば、なんとなく分かりますから」
戸惑うアビーに、ミラがにっこり笑った。
「でしょう、ドラゴンさん?」
俺はこくりとうなずく。
まさに以心伝心だ。
なぜ、ここまで俺の考えを読み当てられるのか。
相性というやつなんだろうか。
なんにせよ、この局面ではありがたい限りだった。
俺は尾で地面を叩いた。
例によって、その回数で攻撃タイミングを知らせるエレノア騎士団の合図だ。
そして──俺たちは同時に動き出す。
目測で『ビートル』が10メートルほど前方に、さらにそこから30メートルほど後ろに『スパイダー』が控えている。
この位置からブレスを撃つと『スパイダー』の前に『ビートル』に当たってしまう恐れがある。
俺は翼をはばたかせて飛んだ。
スキル【飛行】だ。
『スパイダー』を狙撃しやすい位置まで上昇する。
──と、
きゅいいいいいんっ。
『ビートル』が同じように羽根を広げて飛び上がった。
俺を迎撃しようというのか、いきなり空中戦を挑んできたか!
しかもその角がまばゆい雷光を放っている。
奴の攻撃スキル【雷撃の角】か!?
雷をまとった角が俺に向かって突き出される──。
「【ウィンドショット】!」
アビーの放った風魔法が『ビートル』に命中した。
大きくよろめく『ビートル』。
絶妙の援護タイミングだ、アビー。
俺は内心で礼を言いつつ、空中で位置を調節し──、
ごうっ!
『スパイダー』に向かって『災いの波動』を放つ。
狙い過たず、俺のブレスが『スパイダー』を直撃した。
奴の魔法防御が、解除される。
今だ、アビー、コレット!
心の中で合図を送る俺。
それを読み取ったかのように、魔法使いと僧侶の少女がそれぞれ杖と錫杖を構えた。
「【ウィンドカッター】!」
「【ホーリィカッター】!」
アビーが風の刃を、コレットが光の刃を、それぞれ放つ。
俺のブレスの効果で魔法防御を一時的に失っている『スパイダー』にそれを防ぐ術はない。
八本の足が、同時に切断された。
終わりだ!
そこへ俺がとどめのドラゴンブレス──『滅びの光芒』の『通常版』を放つ。
青白い光線によって『スパイダー』は焼き尽くされ、爆散した。
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