4 門番1
『神樹伯爵』による支配領域──森林内、第3エリア。
その要所要所には『伯爵』の手下モンスターが配置され、森からの脱出を阻んでいるという。
あいつらがその門番か。
俺は前方に目を凝らした。
二体は、昆虫型のモンスターだった。
外見上は、一体はカブトムシ、もう一体はクモに似ている。
体長はいずれも3メートルほどだ。
ナビ、あいつらのステータスを見せてくれ。
『りょーかい。二体分を出すわよ。まずカブトムシ型から──』
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称 号:森の番人
種 族:サンダービートル
形 態:昆虫タイプ
L V:11
H P:105
M P:54
攻撃力:134
防御力:131
素早さ:89
★ :4
〇所持スキル
【雷撃の角】LV5
【防御上昇】LV4
【対魔法甲殻】LV6
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『次にクモ型よ』
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称 号:森の番人
種 族:デッドリースパイダー
形 態:昆虫タイプ
L V:9
H P:68
M P:143
攻撃力:55
防御力:32
素早さ:170
★ :4
〇所持スキル
【捕獲の糸】LV8
【対魔法の糸】LV5
【毒液】LV4
【爪撃】LV4
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見た感じ、ビートルは雷撃能力を備えているみたいだな。
スパイダーはクモらしく糸を使う上に毒液持ちか。
しかも、二体とも魔法防御っぽいスキルまで持っている。
ミラたちにもこの情報を知らせれば、有利に戦えそうだが……。
そうだ、地面に文字を書いて伝えるか。
俺はふと思いついて、爪を地面に突き立て──。
……駄目だ。
文字が、思い出せない。
くそっ、記憶が欠損してるのか。
言葉は分かるのに、文字が思い出せないとは……。
……いや、そんな妙な記憶欠損なんてあるのか?
疑念が生じる。
とはいえ、実際に文字を思い出せない以上、仕方がない。
今は疑念の解消より、まず門番対策が大事だ。
ナビ、俺のドラゴンブレスは二種とも発射可能なんだよな?
『ええ、「滅びの光芒」は「全開版」を撃ってから一時間以上経過しているから、また撃てるわよ』
答えるナビ。
『ただし、また「全開版」を撃つと一時間のクールタイムが発生するから気を付けて』
分かった。
じゃあ、『災いの波動』はどうだ?
あれもクールタイムとかがあるのか?
あと、『滅びの光芒』みたいに「全開版」と「通常版」みたいな使い分けもできるのか?
『「災いの波動」に関しては「滅びの光芒」みたいに「通常版」「全開版」という区分はないわ。一種のみね。一度撃つと、十分のクールタイムが発生するから気を付けて』
つまり、ビートルかスパイダーのどっちかに撃ったら、次弾まで十分待たなきゃいけないんだな。
「見た目は……大きなカブトムシとクモですね」
ミラが言った。
「どうする? 遠距離から私が魔法で薙ぎ払おうか?」
と、アビー。
「仲間を呼ばれると厄介だね。それに相手も魔法能力を持ってるかもしれない」
コレットが言った。
「とはいえ──接近戦は強そうだから、なるべく離れて戦うのが得策かな」
遠距離からの先制攻撃、か。
なら、まずは俺が『滅びの光芒』で仕掛けてみるか──。
と、そのとき二体がこちらを向いた。
「きゃあっ……!?」
アビーとコレットが同時に悲鳴を上げた。
次の瞬間、彼女たちが数メートルも跳び上がる。
いや、違う!
二人の両手両足に、いつの間にか粘ついた糸が絡みついている。
それが彼女たちを引っ張り上げているのだ。
スパイダーのスキル【捕獲の糸】か!?
すでにこの距離で仕掛けられていたのか──。
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