3 進軍
俺たちは森を進んでいく。
そういえば、さっきドライアドを倒したときの経験値はどうなるんだ?
疑問に思って、ナビにたずねた。
直接倒したのはアビーの火炎魔法だし、俺には経験値はもらえないんだろうか?
『複数人で敵を倒した場合、基本的に経験値は「戦闘貢献度」に応じて手に入るの』
と、ナビ。
『一部とはいえ、ドライアドはなかなか強力なモンスターだったからね。どれくらいステータスが変わったか見てみる?』
……というか、俺は今の姿に進化してから自分のステータスを確認してなかった気がするぞ。
『あ、進化してすぐに戦闘に巻きこまれたものね』
笑うナビ。
『じゃあ、とりあえず現在のステータスを出すわよ』
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称 号:暗黒竜王
種 族:リトルダークドラゴンⅡ(空戦型)
形 態:ドラゴンタイプ
L V:3
H P:94
M P:115
攻撃力:105
防御力:84
素早さ:109
★ :7
〇所持スキル
【鑑定(竜王級)】LV1
【滅びの光芒】LV2
【災いの波動】LV1
【爪撃】LV2
【竜尾】LV2
【飛行】LV1
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『ちなみに進化前はこれよ。進化したときにレベルリセットされたから、今の方がレベルは低いんだけど、ステータスは全体的に底上げされてるわね』
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称 号:暗黒竜王
種 族:リトルダークドラゴン
形 態:ドラゴンタイプ
L V:8
H P:61
M P:89
攻撃力:77
防御力:43
素早さ:46
★ :7
〇所持スキル
【鑑定(竜王級)】LV1
【滅びの光芒】LV2
【爪撃】LV1
【竜尾】LV1
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なるほど、確かに強くなってるな。
最初のころから比べると随分とステータスの値が上がった気がする。
このまま成長と進化を重ねていけば──。
そう遠くない将来、魔導王の軍団を蹴散らすことができるかもしれない。
いや、必ず蹴散らしてやる。
やがて、二時間ほどの行程の後──。
「……いました」
ミラが声を潜める。
アビー、コレットが茂みに隠れるように身をかがめた。
俺も背中を丸め、身をかがめるような格好を取った。
前方に視線を向ける。
おおよそ200メートルほど前方だろうか。
異形のシルエットが、二つ。
どうやら、あいつらが門番のようだ。
※
SIDE 魔導王
そこには廃墟が広がっていた。
かつてエレノア王国の王都があった場所。
だが、魔導王のモンスター軍団による侵攻で今は焦土と化している。
崩壊した王城に、人影がたたずんでいた。
紫色の炎がいびつな人の形をとったような姿──。
魔導王。
あまたの強力な魔物を統べる、世界最強の魔法使いである。
そして、その周囲には魔導王の側近ともいうべきモンスターたちが控えていた。
「ラシェル王国の森林地帯に妙な気配がある」
魔導王が眉をひそめた。
『ん、妙な気配って~?』
たずねたのは側近の一体、『聖蛇姫』。
外見は十代前半くらいの可憐な少女である。
ただしその髪は無数の蛇。
彼女は、石化魔女の眷属なのだ。
『敵ですか、王よ。ならばこの俺にお命じを。ただちに殲滅してみせましょう』
雄々しく告げたのは、身長100メートルを超す巨人。
軍団でも随一の巨体とパワーを誇るグレイテストゴーレム──『機甲巨人』だ。
「今はまだ小さな力……だがいずれ強大に育つかもしれぬ【闇】を感じるのだ」
魔導王が告げる。
『【闇】……ですかぁ? それって、もしかして~?』
『聖蛇姫』が可愛らしく首をかしげる。
『王がエレノアで狙っていた『暗黒竜王』に関係がある、と?』
上空から声がした。
そこには巨大な竜が飛んでいる。
軍団で最強の空戦能力を誇るエルダースカイドラゴン『天翼覇竜』。
「あの森は『神樹伯爵』の管轄だ。奴に探らせる」
魔導王は精神を集中した。
「聞こえるか、『伯爵』」
『これは魔導王様。御機嫌麗しく』
脳内に声が響いた。
ここから数百キロも離れた森林にいる『神樹伯爵』と魔導通信を行っているのだ。
「その森の中に【闇】の気配を持つ者がいる。余が探している『暗黒竜王』に関係する者かもしれぬ」
『ほう』
「探せ。もしも『暗黒竜王』につながる何かを持っている者なら、余の前に連れてまいれ」
神も魔王も超える伝説の最強存在──『竜王』。
神話の果てに封じられたその存在に迫ることこそ、魔導王にとって最大の目的だった。
いや、正確には──その目的に達するための道筋だ。
「余は未来永劫、あらゆる世界に君臨する真の最強となろう。必ずその力を手に入れてみせる──」
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