10 さらなる進化へ
俺は森の中を進んでいた。
さまざまなモンスターが生息するこの森では、常に周囲に気を配ることが必要だ。
油断をすれば、いつ狩られるか分からない。
それが野生の現実。
とはいえ、この近辺にどんなモンスターが生息しているのかはある程度把握しているつもりだった。
けた違いに強力なモンスターはいない。
ほとんどが俺より格下の奴らばかり。
仮に油断して不意打ちをうけたところで、早々やられないだろう。
……もちろん、油断するつもりなんてないが。
と、そこで俺は足を止めた。
茂みの向こうに岩場が広がっている。
あれは──。
俺は目を凝らした。
一見してただの岩塊だ。
だが、俺には分かった。
ここはモンスター『バレットロック』の群生地だと。
奴らはレアリティ4のモンスターであり、進化ポイントを入手できる貴重な敵だった。
チャンスだな。
俺は内心でほくそ笑む。
バレットロックは名前の通り岩のモンスターで、移動ができない。
強力な光弾を撃ってくる習性があり、そこは要注意だ。
だが逆にその光弾にさえ気を付ければ、死角から攻撃するだけで勝てる。
いわば、安全確実に進化ポイントをゲットできる相手というわけだ。
この近辺のバレットロックはあらかた俺が狩り尽くしたつもりだったが、まだ群生地があったらしい。
何度かバレットロックと遭遇するうちに、俺はただの岩塊と奴らとの違いを見分けられるようになっていた。
外観上は単なる岩塊とまったく同じ。
ただ、気配が違う。
『無機物』と『無機物の外観をしたモンスター』の違い。
俺はそれを察知できる。
ドラゴンとしての感知能力なのか、あるいは単なる慣れなのか。
どちらにせよ、俺には眼前の岩がバレットロックだと分かった。
その数──四つ。
……でいいんだよな、ナビ。
『正解よ。前方に一つ。右斜め前に二つ。左斜め前に一つ。いずれもバレットロックね』
答えるナビ。
奴らが光弾を撃ってくる方向は分かるか?
『もちろん』
じゃあ、指示してくれ。
俺は例によって死角から撃つから。
『りょーかい』
──というわけで、俺はあっさりとバレットロック四体を仕留めた。
ドラゴンブレスはさっきの戦いでしばらく使用できなかったが、俺には【爪撃】や【竜尾】のスキルがある。
これらで一体ずつバレットロックを破壊していったのだ。
『「進化の宝玉D」×4を取得しました。進化ポイントが12貯まりました』
『既定の進化ポイントが貯まったため、進化可能です』
『進化先候補を表示します。進化を希望する場合、そのどれかを選択してください』
お、しかも次の進化ができるようになったのか!
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〇進化先候補
『リトルダークドラゴンⅡ(陸戦型)』
暗黒の力を備えた子竜、その新たな形態。
力強い四肢と強力な牙や爪を備え、陸上での戦いに無類の強さを発揮する。
古竜クラスまで成長することで、あらゆる【闇】を統べる存在になる可能性を秘めている。
称号『暗黒竜王』を持つ場合、一定条件下でステータスが大きく底上げされる。
『リトルダークドラゴンⅡ(空戦型)』
暗黒の力を備えた子竜、その新たな形態。
一対の翼を備え、飛行能力を獲得。空中戦を可能とするが、パワーに欠ける。
古竜クラスまで成長することで、あらゆる【闇】を統べる存在になる可能性を秘めている。
称号『暗黒竜王』を持つ場合、一定条件下でステータスが大きく底上げされる。
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さて、どっちを選ぶべきか──。
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