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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第2章 魔獣の森の出会い

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9 ドライアド猛攻

「せ、先輩……?」


 ミラは眼前の光景を呆然と見つめていた。


 ついさっきまで自分と会話をしていた人間が、首なし死体となってその場に転がっている──。

 奇妙なほど現実感が薄い光景だ。


 十七歳にして騎士団でも十指に入る剣技を誇り、若き精鋭と称される彼女だが、実戦経験は多くない。

 モンスターを相手にした本格的な討伐は今回が初めてだった。


 そして──他人の死を見るのも。


「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」


 気が付けば、ミラは叫んでいた。


 怖かった。

 全身が震えだした。


 それは他のメンバーにしても同じだろう。


「きゃぁぁぁぁぁっ、バーバラが!?」


 悲鳴を上げる者。


「くそっ、よくもっ! この化け物がぁぁぁっ!」


 怒号を上げる者。


 そんな一団を、ミラは呆然と見つめている。


「──落ち着け。大丈夫だよ、ミラ」


 背後から誰かに抱きしめられた。

 アビーだ。


 普段の粗雑な雰囲気ではなく、優しく癒してくれるような抱擁感があった。


「私がいる。コレットもいる。みんなもいる。大丈夫。あいつを倒そう」

「アビー……」


 不思議なほど気分が落ち着いていく。


「……ありがとうございます。あたし、戦います」


 エレノアの騎士として。


『ふん、一人殺したくらいじゃ闘志は萎えないか』


 ドライアドが体を揺すりながら笑った。


『じゃあ、そのうえで──本格的に絶望してもらおうか』


 高さ十メートルほどの樹木、といった姿だ。

 ちょうど人の頭の位置と同じくらい──高さ2メートル弱くらいの位置に、人間を模した顔が浮かび上がった。


 邪悪な笑みを浮かべた顔だった。


「しょせん、木だろ? 焼き尽くしてやるよ!」


 魔法使い二人が杖をかざした。


「『ディーファイア』!」


 中級の火炎魔法を同時に放つ。


 渦を巻く火炎が二発、ドライアドに命中した。

 爆発とともに、炎に包まれるドライアド。


「はっ、直撃かよ」

「木じゃ動くことも避けることもできないだろうからな。あっけない──」

『いい気になるんじゃない』


 ドライアドから炎が弾け散った。


『俺はただの樹木じゃない。「精霊」だ。物理的な炎では死なんよ』


 無数の枝がしなり、鞭のように伸びてきた。


「がっ!?」

「ぐあっ……」


 先端部が槍のようにとがった鞭に貫かれ、先ほどの魔法使い二人が相次いで倒れる。

 いずれも心臓を貫かれて即死だ。


「ちいっ、魔法が聞かないなら剣だ!」


 今度は青年騎士が剣を手に斬りかかった。

 と、その首がいきなり斬り落とされる。


 悲鳴を上げる暇もなく、青年騎士は倒れた。

]「まただ──」


 先ほどの女騎士が殺されたときと同じだった。

 見えない斬首攻撃。


『弱いねぇ……弱すぎる。魔導王様や神樹伯爵様はおろか、この俺にすら歯が立たないのか、人間ども』


 ドライアドが哄笑した。


 無数の枝が繰り出され、さらに周囲の魔法使いや僧侶が貫かれて、殺される。

 その合間に見えない斬首攻撃が繰り出され、騎士たちが首を落とされて、殺される。


「こ、こんな……」


 ミラは呆然としたまま立ち尽くしていた。

 ほんの数分の間に、ミラ、アビー、コレットの三人を除いた全員が殺されていた。


『後はお前らだけか。「神樹伯爵」様に歯向かおうなんて奴は一人残らず殺しておかないとな』


 ドライアドの『顔』がミラたちをにらみつける。

 気圧されそうになる自分を、必死で奮い立たせた。


「あまり調子に乗らないでよ。あたしたちは負けない」


 コレットが気丈に言い放った。

 普段は飄々としている彼女だが、さすがに顔面蒼白だ。


「黙って殺されてたまるか」


 アビーも同じく気丈に、魔法の杖を構えている。


(そうだ、あたしだって──)


 確かに、ドライアドは強い。


 その場にとどまれば、強力な枝の攻撃が来る。

 接近すれば、不可視の斬首攻撃を受けてしまう。


 まるで隙がない。


「それでも、戦う」


 騎士として。

 憧れのガルダのように、強く──。


「……二人とも聞いて。あいつの『見えない斬首攻撃』はなんとなくネタが分かってる」


 コレットがミラとアビーにささやいた。


「それを踏まえて、あたしたち三人で奴を攻略しよう」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 周りの人間が一撃で殺されているのに、まだ逃げないで戦おうとする心理が非常に不自然だと思います。
[一言] 魔法の炎でもぶつかったあとは物理的な炎扱いってことかな??
感想一覧
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