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暗黒竜王レベル1に転生 いずれ神も魔王も超えて最強の座に君臨する  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第2章 魔獣の森の出会い

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8 迫る魔手

 エレノア王国の女騎士ミラは森の中を進んでいた。


 一か月前、魔導王によってエレノア王国は壊滅的な被害を被った。

 エレノアの王家は同盟国であるラシェルに逃げ延び、騎士団や魔法戦団なども同様にラシェルに身を寄せている。


 エレノアは国土の大半をモンスターが闊歩する魔の土地となってしまったからだ。

 これを奪還したいところだが、一朝一夕にはいかない。


 しかも、ラシェル王国自体も魔導王の侵攻を受けていた。

 その侵攻拠点の一つである『魔獣の森』を奪還すれば、ラシェルのエレノアへの心証は格段に上がる。


 今後の外交もやりやすくなるだろう、とミラは作戦説明の際にそう言われていた。

 だから、この任務は絶対に成功させなければならない。


「早い話が、あたしたちの力を──エレノア王国の力を示すこと。それが任務の要諦ですね」

「なるほどなー」


 アビーが感心したようにうなずいた。


「そういう意味合いがあったんだ、今回の任務って」

「アビーは考えなさすぎ」


 と、横合いからコレットが言った。


「失礼だなー。私だって考えてるよ」

「あんたが考えてるのは、おいしいご飯のことくらい」

「まあ、それほどでもないけどね。ほら、私ってグルメだし」

「今のを誉め言葉と受け取れるのがすごいわ」

「えっ、けなされてたの?」

「まあまあ」


 くすりと笑いながら、ミラは二人の間に割って入った。


「あいかわらずですね、二人とも」

「ふふ、この三人で組むのって半年ぶりだっけ」

「変わりがなさそうで」

「いやー、それほどでも」

「進歩がない、って言ってるんだけど?」

「またけなした!」

「まあまあ、コレットなりの信愛表現なんですよ、アビー」


 ミラがくすくすと笑いながら、とりなす。


「本当に親しい人にしか毒舌気味に話しませんもの、コレットは」

「むー……」


 和気あいあいとした雰囲気が楽しかった。

 任務中だということを忘れてしまいそうになる。

 と、


「それくらいにしておいたら? 遠足に来ているんじゃないのよ」


 先輩の女騎士にたしなめられた。

 険のある表情でミラをにらんでいる。


「特にミラ。あんた、ちょっと顔がいいからって図に乗らないでよ。騎士団の次期エースだとかチヤホヤされて」

「あたしはエースなんて器じゃありません」


 ミラが彼女を見据えた。


「その名にふさわしいのは、ガルダさんのみ──」

「ガルダファンだもんね、ミラって」


 アビーが笑う。


「王国で最強の──いえ、大陸で最強の騎士だった、とあたしは信じています」

「それにお姉さん……カレンさんがガルダの恋人なんだったっけ?」

「いえ、姉とガルダさんはそういう関係ではなかったようです。ただ、意識はしていたみたいですが……」


 と、ミラ。


 実際、二人はお似合いだったように思う。

 姉のカレンとガルダが付き合い、いずれ結婚でもすれば、自分はガルダの義妹となる。

 そんなことを妄想したこともあった。


 だが、姉はもういない。

 先の戦い──魔導王のエレノア王都侵攻の折、巨人に踏みつぶされて死亡した、と聞かされていた。


 そしてガルダもまた……。


(姉さんもガルダさんも、きっとどこかで生きている……あたしは信じてる)


 ミラは自分自身にそう言い聞かせる。

 と、


「──歓談はそれくらいに。来るよ」


 コレットが警告した。


 彼女は僧侶である。

 邪悪なものや敵意のあるものの感知に優れたスキルを備えている。




『なんだ、お前たちは? 魔導王様の側近「神樹伯爵」様に歯向かう不届きものか? ええ?』




 粗暴そうな声とともに、前方の樹木がうねった。

 木の向こう側に何かがいる──?


「いや、違う。あの木自体がモンスターだ」


 ミラの内心の疑問を読み取ったように、コレットが告げた。


「種族は『邪精霊ドライアド』。属性は『木』。レアリティは5──」


 神官級鑑定スキルを発動して、モンスターの情報を読み上げるコレット。


 レアリティというのは戦闘力や希少性等によって示される数字だ。

 言ってみれば、モンスターの『格付け』の数字である。


「『神樹伯爵』というのは、この森を支配するモンスターでしょうね。その手下というところでしょうか」


 ミラは表情を引き締めて、剣を抜いた。

 アビーが魔法の杖を、コレットが錫杖をそれぞれ構える。


「ただのでくの坊でしょ。見るからに弱そうじゃない」


 先輩の女騎士が剣を手に、進み出る。


「待って! 戻ってください、先輩──」


 嫌な予感がして、ミラは叫んだ。


「あたし一人で十分だっていうのよ。さあ、かかってきなさ──」


 言いかけたところで。


 ごとり。


 女騎士の首が、落ちる。

 首を失った胴体が力なく倒れた。


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