7 レベルアップ
巨人はもはやピクリとも動かなかった。
さすがに『全開版』は強烈だ。
といっても、これで俺はあと一時間はドラゴンブレスを撃てない。
次に撃てるようになるまでは、どこかに身を潜めておいたほうがいいな。
こんなときに強力なモンスターと遭遇したらシャレにならない。
と、その前に経験値取得の時間か。
『レッサージャイアント×1を撃破。経験値2300を取得』
『レベルが4→8に上がりました』
一体倒すだけでけっこうレベルが上がったな。
さらに、
『「進化の宝玉C」×1を取得しました。進化ポイントが20貯まりました』
こっちはまだ次の進化には至らないらしい。
とはいえ、バレットロックのときは6個の宝玉で進化ポイントが18貯まったのに対し、今回は宝玉一つだけでポイントが20も手に入った。
たぶんバレットロックより下位巨人のほうがレアリティが高いから、その分、進化ポイントを大量に得られるってことなんだろう。
ナビ、俺のステータスを見せてくれ。
『りょーかい』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
称 号:暗黒竜王
種 族:リトルダークドラゴン
形 態:ドラゴンタイプ
L V:8
H P:61
M P:89
攻撃力:77
防御力:43
素早さ:46
★ :7
〇所持スキル
【鑑定(竜王級)】LV1
【滅びの光芒】LV2
【爪撃】LV1
【竜尾】LV1
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そういえば、ナビ。
あいつ、何か意味ありげなことを言ってたよな。
『「暗黒竜王」の称号を継ぐ者……王国の宝物庫から「牙」がなくなっていたのは……貴様が転生の依り代となっていたからか……』
『まだ「翼」や「爪」などの素材は得ていないか……脅威にならないうちに、生け捕りにして……魔導王様の下に連れていく……』
さっきの巨人の言葉を思い返す。
俺にはよく意味が分からなかったのだが──。
『私も、この世のすべての事象を知っているわけじゃないわ』
と、ナビ。
『もちろん「竜王級」の鑑定スキルだし、そんじょそこらの鑑定スキルとは次元が違うほどの知識量とか見識とか持ち合わせてるけどね。ここ、褒めていいところよ?』
まあ、お前にはいつも助けられてるよ。
『ふふ、そうでしょそうでしょ』
これからもよろしく頼む。
『もちろんっ』
ナビは嬉しそうだった。
『で、さっきの話に戻るけど──「暗黒竜王」というのは、もともとこの世界で最強のモンスターといっていい存在だったの』
最強のモンスター、か。
『ただし、太古の戦いでその肉体は四散……そして今、あなたが「暗黒竜王」の転生体としてこの世に現れた、という感じね。なぜそんなことが起きたのかは、私には分からない』
と、ナビ。
『私に分かるのは、あなたが確かに「暗黒竜王」の力を持っていること。今はまだモンスターとして下級の存在で「暗黒竜王」の真の力を使いこなすには至っていないこと……くらいかな』
使いこなすことができれば、俺はもっと強くなれる──ってことだな。
『そのためにはステータスもスキルも、もっと鍛えないとね』
そうだな。
魔導王が率いていた巨人は、さっきのレッサージャイアントよりずっと巨大だった。
少なくとも中位、もしかしたら上位の巨人かもしれない。
さらに竜種も数百単位でそろえている。
生半可な戦力じゃない。
だけど──俺は、見たんだ。
俺の進化の行きつく先。
究極の、進化。
それを成し遂げた「真の暗黒竜王」はどんなモンスターが何百体来ようとも、一瞬ですべてを薙ぎ払う。
まさしく無敵。
俺はそんなモンスターになってみせる。
そして、魔導王とその軍団を蹴散らすんだ。
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