シャンプーの向こう
最近、私は疑問に思う事があるの。それはお風呂に入っている時のことなんだけど、普段まったくその気配がないのにシャンプーをしている時にどうも誰かに見られている気がしてならないの。
もちろん最初は考えすぎとか、窓から誰か見てるとかも考えたけど、これは絶対見られてる気がするの。窓はもちろんちゃんと鍵もしめてあるし、考えすぎなのもわかるけど今までそう言うことはなかったし……。
これがどういう事なのか確かめたいんだけど、まさか人にシャンプーしてるとこを見ててもらうわけにもいかないでしょ?
だから困ってるの。
みんなはそんな経験ないのかな?
やっぱり私が考えすぎてるだけなのかな?
視線を感じる時は常にシャンプーをしてる時。
湯船に浸かってるときや体を洗ってるときには全く視線を感じない。
よくホラー映画とかだと、髪の毛の中から手とかシャワーから髪の毛とかいろいろあるんだけど、そう言うのとはまた違ってただ視線を感じるだけなの。
男の子の事はよくわからないけど、私は女の子にしては髪が短いから、頭を洗うときはごしごし洗っちゃう。
だから目にシャンプーが入らないように、いつも下を向いて目を瞑ってたの。まさかそのせいで恐怖心があったから視線とか感じちゃうのかな?
視線を感じるのはいつも後ろの方から……。
私が頭をごしごししてると、後ろから誰かがジっと見ている気がするの。
そして、頭をシャワーで流す時……。
シャワーの音で周りの音がかき消される時、その視線は私の真後ろまで近寄ってきてずっと見ているの。
もちろん確証はないんだけど、あれほど『視線』っていうのを感じた事が他にないの。
だからある日ね、目を開けたまま鏡を見て頭をごしごししてみたの。
そしたら……。
視線は下からやってきた。
私が鏡を見ていると、どうしても背後が気になってしまって恐怖が襲ってきて。
それに気を取られてたら、今度は足元からものすごい視線を感じるの……。
急いで足元を見たけど視線はなくなってたの。
そして、やっぱりシャワーで流す時は死角から私を見ているの。
子供の時使ってたシャンプーハットも試したよ。
あのカッパみたいになる奴をつければ目は開けたままだし『これで安心』と思ってたの。
だけど、今度はそのシャンプーハットで見えなくなる死角から私を見ていた。
どうしよう、特別なにかされるわけじゃないけど、毎日見られていると思うととても怖い。
やっぱ考えすぎなのかな?
でも、目を瞑ってたりシャワーの音で視覚と聴覚が奪われる状況、それがシャンプーしている時なの。
そんな状況で『絶対ありえない』ってどうしても自分の中で言い切ることが出来なくて……。
ある夜、友達と遅くまで遊んでて帰ってきたのが遅くなってね、だからお風呂に入るのも夜中の三時になっちゃったの。
両親はもう寝てるし、お風呂場以外の電気も消えている状態。
シャワーの音や水滴の落ちる音、桶やイスがちょっと動いた音までお風呂場に響き渡る状況……。
私は何を思ったのか『今日こそ解決してみせる』って意気込んでて、鏡をもう一つ用意したの。
イスに座って目の前に見える鏡、そして足元にもう一つの鏡を上向きに置いた。
そして体を洗って、シャンプーを始めたの……。
最初は前の鏡を見ながら洗い始めたの、そしたら案の定下からの『視線』を強く感じる。
夜中三時って事もあるしとても怖かったけど、私は急いで下を向いたの。
やっぱそこには何もいない、視線もなくなっちゃった。
そしたら泡が目に入ってとても染みてね、つい目を瞑ったの。
後ろからものすごい『視線』を感じた……。
恐る恐る目を開き、頭をごしごししたの。
そこには用意してあった鏡に映る私の姿。
物静かな夜中の風呂場で下に置いた鏡に映る私は、ライトの光が逆光になってなんか不気味に見えたの、だからって後ろの視線とそんなことは関係ないのはわかってる。
この視線はなんなの?
何がしたいの?
何で私を見るの?
私は下に置いた鏡を見たままシャワーで頭を流す。
水が鏡の表面を覆い、泡が見える範囲を狭めてく。
視線はいまだに消えない。
泡を流し終えようとした時、下に置いた鏡の上の泡もなくなって水がゆがんだ私を映す。
そんな隙間から、私はとうとう見てしまったの。
鏡の表面にある水が円を描きながら引いていく刹那、その隙間に映る私の後ろに……。
顔を上げるのが怖かった、だけど見ているのも怖かった。
だけど私はなぜか聞いた。
「あなたは誰?」
と……。
私最近お風呂で頭を洗ってる時、誰かに見られてる気がするの。
あなたは『シセン』感じない?
意味不明ですよね。
自分でも途中で意味不明でした。
小説っていうには短いし落ちも弱い。
ちなみに、シャンプーしてる時視線感じますか?




