8.過去8
それから道中たくさんの人に見られながら私は、引きずられていたがみんな一様に視線を逸らしていた。助けてほしいとは、思ったけど彼等は、武器を持っていたから見ていない振りをされたのだろうそんなことを思いながら引きずられていた。
そうして着いた場所は、とある建物だった。そのまま中に連れられて入るとたくさんの人がこちらを見ていた。その人達がみんな武器を持っていたことから冒険者が集まる所に連れて行かれたと言うことが分かった。けどどうして私がそんな所に連れて行かれたのかがわからない。
そんなことを思っているととあるカウンターの前に立たされてようやく腕を解放してくれた。引っ張られて腕が痛かったがカウンターの方を見るとそこには、10代半ばぐらいで茶色のセミロングヘアの女性が座っていた。
「えっと、今日は、どうなされたのですか?」
と私がカウンターの前に立たされているのと私を連れて来た人を見て困惑しながらそんなことを聞いて来た。
「こいつを冒険者登録しろ」
「え!?」
強引に連れられて冒険者にさせられようとしていることに私は、驚いたがそもそも私は、魔物を倒したことも無いしどう戦ってもいいかわからないのに冒険者にさせられたら大変なことになると思った。
受付の人は、オノマ達がそんなことを言ってから私の反応を見て少し戸惑いながらこう言った。
「こちらの方は、驚いていますが本人の意志ですか?」
「ち、違います!」
と私は、受付の人が言ったように私の意志では、無いという事を伝えた。すると後ろから凄く不機嫌な気配を感じとり背筋に冷や汗を感じた。
「この子は、そう言っていますが?」
そうオノマ達に問いかけていたが等の本人たちは「ッチ」と舌打ちをして私の腕をもう一度引っ張りいそいそとその場を離れて人通りの少なさそうな所に引きずられた。
そうして行き止まりの所で腕を解放された。
「お前、冒険者になれ!」
「む、無理です」
「いいからなれ!じゃなければ」
と言って剣を抜いて私に向けて来た。
「ヒィッ!」
「いう事を聞かないとこうするぞ?」
と言ってそのまま軽く頬を撫でられた。そして剣を離した。先程撫でられた頬には、暖かいものが伝った。そっと手で触って付着していたものをおそるおそる確認すると血だった。それが分かると恐怖で手や足が小刻みに震えて止まらない。
「断ったらどうなるか分かったか?」
私は、何度も首を縦に振った。
「じゃあ、とにかく冒険者として登録しろ。いいなぁ?」
その言葉に何度か頷くと剣をしまってくれた。その事に少し安心しているとメンデスという女の子が何かし出した。
「『燃え上がれ、炎よ、集え』」
そう言うと20センチほどの火の球が私の目の前に現れた。どうして急に火の玉が現れたのかわからなくて後ずさりしていく。
「少しでも変な事したら魔法で焼くからね?こんな感じで」
と言ってまた何かを言い出した。
「『敵を焼き払え』ファイヤーボール」
そう言うとその火の球が私の顔に向かって飛んできたので咄嗟に腕で顔を守った。
「熱い!熱い!熱い!」
咄嗟に顔を守ったのは良かったが腕がとても熱くて痛かった。目を開けると自分の左手が燃えていたとにかく火を消さないと!そう思い手を激しく振りながら自分の方に向かってこないように右手である程度防いでいるとなんとか火を消すことができたが腕は、焼け爛れて、手の平も赤くなっていた。腕がジンジンとして痛い。
「メンデス少しやり過ぎだ」
「そんなの加減できるわけがないじゃない」
「はぁ~、それなら今のタイミングで使うな。こんなやつでも使えるからわかったか?」
「分かったわよ」
と彼等は、何かを話していたが腕の痛みで何を話しているかまでは、わからなかった。
「いくぞ!」
そう言ってオノマは、私の腕を掴んだ。その瞬間腕に激しい痛みが走った。
「痛い!痛い!痛い!」
そう言うと頭を殴られ地面に倒れた。頭も腕も痛い。どうしてこんなことにと思っていたらいつの間にか涙が流れていた。
「耳元で叫ぶな!うるさい!そんなに痛いならさっさと歩け!」
そう言って今度は、蹴られ出したので痛いなか何とか立ち上がった。
「とっとと歩け!」
そう言って後ろから蹴られて転びそうになりながら歩き出した。すると他のメンバーが私を囲むようにして先ほど来た道を戻り始めた。
道中腕が焼けて痛かったが服の袖を捲っていたため服は、燃えることなく済んだ。もし袖を下していたらどうなったことか…。そう思うと寒気を感じる。
そんなことを思っているとオノマが「袖を下ろせ」と言ってきたので下したら腕に触れて痛かったが我慢しながら歩いた。




