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74.オノマ49



「それで、その怪我はどうしたの?」

「そ、それは……」


 流石に孤児院を出て行けと言われて、本当に出てきたとは言えないし……。まぁ、気まずくて出てきた部分の方が大きいけど……。ちょっと揉めて出てきたとぐらいの方がいいかな?  そう思い実際にあったことを一部だけエレナさんに伝えることにした。


「……ちょっと男のこと揉めて石を投げられてそれが当たっちゃっただけです」

「可愛い女の子に向かって石を投げたって言うの?」


 とエレナさんが少し低い声でそう聞いて来た。私が可愛いというのはお世辞だと思うけどもしかしてエレナさん、少し怒っているのかな? でも、彼だけが一方的に悪いわけじゃなからと思い小さい子供であることを伝えた。


「ま、まぁ、5歳の子だから……」

「まだ5歳と言って女の子に痕が残るような怪我をさせるなんてちゃんと躾が必要だよ」

「そ、そうですか……」


 と頷いておいたけど個人的にはエレナさんがこんなにも感情的にそんなことを言ってきたことに驚いた。普段のエレナさんを見ているとあまり表情を出すことがなく淡々と物事をこなしているから普段も変わらず同じような感じなのかと思っていたけどかな? と思っていた。


「それにしてもユアちゃんはこんな遅い時間にどうしたの?」

「それは……。その気まずくて外に……」

「あぁ~。なるほど。……それにしても荷物多くないの?」


 そう聞かれて私はドキッとした。孤児院を出ていく際に自分の荷物を全部持ってきたからだ。とりあえず何て誤魔化そうと思ったらいいアイディア


「……しばらく外で寝泊まりをしようかと」

「……今から宿を探しに行くの?」

「は、はい。そうする予定です」

「もしよかったら私の部屋泊まって行く?」

「え?」

「一応、布団ぐらいなら1つならすぐ出せるけど?」


 エレナさんが私を家に泊めてくれると言ったことに驚いたけどまさか布団まで貸してくれるということにさらに驚いた。でも、本当にエレナさんの家に泊まってもいいのかな? と思い確認してから決めることにした。


「本当にエレナさんの家に泊まってもいいの?」

「いいよ。今までユアちゃんが所属していたパーティのことで何もできなくて歯痒かったけど、今少し困っているみたいだから少しでも助けてあげたいと思ったから気にしなくてもいいよ。だから泊まって行って?」

「……分かりました。今日はお世話になります」

「うん。そうして? ちょっと布団出してくるから少しだけ待っていて?」


 と言ってどこか行こうとしたので布団を出すぐらいなら自分でやろうと思って声を掛けたけどすぐに終わるからと言って隣の部屋へと入っていた。



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