46.オノマ21
レーナちゃんと少し話をしてから周囲に足跡がないか一応確認してからレーナちゃんが恐る恐るがけ下を覗いた。するとレーナちゃんが「ここから落ちたみたいだね……」と言ったので覗いて見ると崖の下には人が横たわっていた。
服は赤く染まっていて、足は変な方向に曲がっている。そして片腕もないし地面も血で汚れているからおそらく大量の血を流していたと思う。どうして飛び降りたのかは分からないけどここからじゃあ生きているのかもわからない……。
一応、近くまで行って確認をしたい。そう思いレーナちゃんに言うと「別に構わないけど生きているか分からないよ?」と言われたがそれでも構わないことを伝えて崖の下へと向かうために歩き出した。
周囲を警戒しながら歩いていたけどレーナちゃんの様子をチラッと伺うと周囲を警戒しながら何か悩んでいる様子だった。何か悩むようなことがあったのかな? とそんなことを思いながら歩いているとレーナちゃんが話しかけて来た。何だろう? と思ってレーナちゃんの話を聞いているとレーナちゃんは彼女が飛び降りたのじゃなくて誤って落ちたのでは? と言った。理由を聞いていると彼女があの辺りをうろついていたのは夜で崖があるのかわからなくて落ちたのでは? ということだった。それならあり得そうかも? とそんなことを言うとレーナちゃんがちょっと無理があり過ぎたのかな? と言ったのでそんなこと無いよ。と言っている途中でレーナちゃんが何かに気が付いて私に声を掛けて来た。
何かあったのだと思い警戒をしていると何かが近づいていくるのを感じた。よくわからないけどどこか知っているような気配……。そんなことを思いながら何かがやって来るのを待っていた。そして茂みから出てきたのは、2メートル弱ぐらいある人型の魔物。それはレーナちゃんと会う前に遭遇していた魔物でもあった。
「オーク!?」
そんな私の悲鳴が森の中に響いた。
恐怖で震えていた私にレーナちゃんは落ち着くように言って来た。そうだ、今は私1人じゃない。そう言い聞かせて体の震えを押さえてオークを見た瞬間、思わずビクッとした。オークの口元は血で真っ赤で体は赤黒く汚れていた。しかも寒気がするような視線をこちらに向けて涎を垂らしている。そしてゆっくりと近づいて来たオークの右手には剣が握られていた。
あれはオノマが持っていた剣。レーナちゃんが武器を持っているかもしれないとは言っていたけどオノマの剣を持っていたの……。
「ユア、私がオークの注意を引くからユアは隙を見て攻撃を仕掛けて、それともし狙えるのなら間接辺りを狙って欲しい」
オークから逃げ切れる。ということは考えていなかったけどレーナちゃんはもう戦うつもりだということに少し驚いた。レーナちゃんがそのつもりなら言われたことぐらいは頑張ってみようと思う。だけどレーナちゃんがやろうとしていることは大変なことだけど大丈夫なのか心配になった。
「分かったけどレーナちゃんは、大丈夫なの?」
「それは、やってみないと分からないけど……」
確かにそうかもしれないけど……。とそんなことを思っているとオークがこちらに向かって走って来た。
「ユア、頼むよ」
と言われたのでレーナちゃんの期待に応えれるように頑張ろうと思った。
「やってみる」
そう言って私は走り出した。




