44.オノマ19
しばらくの間そうやって抱き合っていたけどいつまでもこんなことをしていてはいけないと思って顔を上げた。少し恥ずかしくて視線を合わせることはできず俯いたままお礼を言ったのだが視線の先には私の吐いたものの上にレーナちゃんが立っていた……。もしかして私が余計なことを言ったから……。とそんなことを思っているとレーナちゃんが「あ」という表情をしていた。もしかしてうっかりさんなのかな?
「まぁ、どうせ汚れるから気にしなくていいよ。それより行くのなら行こう?」
と言って手を差し出して来た。もしかして、そんなことを気にしていなかっただけなのかな? とそんなことを思いながら手を握って立ち上がった。それからそのまま手を繋いで居たい。そう言うといいと言ってくれたのでそのままあの場所へと歩き出した。
そして先ほどの現場に戻って来た。やっぱり気分が悪くなってきたがレーナちゃんがいるという安心感からか先ほどより大分ましになった。そして周りを見る余裕が生まれてみたけど血や肉片と言ったもの以外何もなかった。それにしても大きな塊は無いことに少しだけ不思議に思っていた。するとレーナちゃんが何かに気が付いたみたいなのでその場所へと歩いて行く。その途中で何度か血溜まりに紛れている肉片を踏んだ感触が気持ち悪いそんなことを思いながら歩いて行くと茂みの奥に足跡が続いていた。そこにあった足跡は1つしか見当たらなかった。
もしかして、他の2人は……。とそんなことを考えて震えが止まらなかった。レーナちゃんは私の様子に気がついて声をかけてきた。そして先程思ったことをレーナちゃんに聞いてみた。
「……お、オークって、人とか、食べる、の?」
そう聞くとレーナちゃんは悩むようなそぶりを見せたがレーナちゃんは分からないと言った。でも、私の考えもあり得なくもないとも言った。やっぱり彼等は食べられたのかな……。そんなことを考えていたらレーナちゃんが私の不安を和らげようとしてくれた。そのおかげか少し気持ち的には余裕が生まれたような気がした。
それからもっと気をつけながら先に進もう。そう話してから先へと続く足跡を追い掛けるように歩き出した。
それからしばらく歩いているとレーナちゃんが何かに気が付いたようで先へと続いている足跡から外れたところに歩き出した。どうしたのかな? そう思いながら後を追いかけるとレーナちゃんの目の前にあったのは誰かの左腕が落ちていた。




