38.オノマ13
それから恐る恐るレーナちゃんに声を掛けるとこちらに視線を向けて来た。思わずビクとしてしまった。するとレーナちゃんは私の様子に気が付いたのか表情が柔らかくなった。そのことに少しホッとしながら物騒なことはしないでほしいと言ったら本気じゃないよ? と言ってくれた。そのことに安堵すると後付けで「でも、殴るか蹴るかは、すると思うけど」と言われた。思わず頬が引き攣ったような気がしたがそれくらいなら大丈夫かな? と思って「ほどほどにしてね」と言っておいた。
それからレーナちゃんが治療をしてくれたのだが痛みがなくて驚いた。てっきり凄く痛いものだと思っていたけど多少何かが動いたような変な感じはしたけど……。それに左腕は見た目上元と同じように直してもらったけど骨は折れているままなので動かすと痛い。でも右腕はしっかり治したようで動かしても問題ない。
本当にレーナちゃんは凄いね。と少し興奮気味にレーナちゃんに話しかけながら、魔法も使えて武器もかなり使いこなせていてすごいと思っていた。……あ、でも、この前ブラッドに盗られたままだけど武器はどうしたのかな? とそんなことを思っているとオノマに飛ばされた時どの辺りに衝撃があったのか聞かれた。背中辺りかな? と答えた。すると見せてほしいから起き上がって服を脱いで? と言われたのでレーナちゃんの言われた通りにする。
服を脱いでからなんとなく思ったけど森の中でこの状態は不味いのでは? と思ったけど今更かも……。と思い直した。裸を見られるのは恥ずかしいけど私が意識ない間に見ているかもしれないから気にするだけ損。とそんなことを思っていた。
それから私の背中を見ていたレーナちゃんが「これ寝転がっていて痛くなかったの?」と聞いて来た。さっきまで寝転がっていたけど痛いとは思わなかったけど? とそんなことを思いながら痛くないことを伝えるとレーナちゃんは私の背中にそっと触れた。それなのにそっと触れただけで激しい痛み襲われた。それから少し落ち着きながら手で顔を拭うとべっとり感覚が伝わって来た。少し触れられただけなのに汗を掻いていた。思っていた以上に酷いことになっているの? と思っていたらレーナちゃんに「…やっぱり痛いみたいじゃない」と言われた。思わず寝ているときは痛くないと言ったけどレーナちゃんは少し不思議そうにしていたけど治療をしておくね? と言って治療をしてくれた。けど骨を治すときより時間が掛かっていた。
それからしばらく経ってから不思議に思って声を掛けるとどうやら終わっていたようで謝ってすぐにローブを掛けられる。
「? さっきと違うローブ?」
そう言うとレーナちゃんが使っていないローブを出したと言った。そしてさっきは自分が来ていたのを掛けてごめんとまた謝ってきた。わざわざ謝ることじゃないと思うけど私としてはレーナちゃんが着ていたものを着て嬉しかったと言うか……。う~ん、何だろう? レーナちゃんの匂いや温もりを感じて落ち着いていたのかな? とそんなことを思いながら少し残念に思った。すると私がぼそぼそと呟いていたらしくレーナちゃんに聞かれたけど何とか誤魔化し、治療のお礼をいった。少し無理やりすぎたかもしれないけど……。でも、レーナちゃんは治療に関して凄く謙遜していた。本当に凄い事をやったのにそう言えることは凄いなぁ。と思いながらいつかお礼できるように頑張ると伝えた。するとレーナちゃんは「…気持ちだけは、受け取っておくから寝ましょう」と言って来た。そう言いながら照れているレーナちゃんを見れて何だか嬉しかった。
それから毛布のことでひと悶着あったけど結局一緒に使うということで落ち着いて一緒に包まった。レーナちゃんの近くで寝られることを嬉しく思いながらも余程疲れていたのか直ぐに眠ってしまった。




