30.オノマ5
中に入ると女の子がやってきた。
「! ユアお姉ちゃん!」
そういうと私の胸へと飛び込んできた。
「! おっとっと……」
いきなりの事で危うく倒れそうになったけど何とか堪えた。流石に疲れた体にこれはきついかも……。そんなことを思いながら抱きしめてあげた。
「ただいま。ルミア」
「うん」
そう言いながらルミアの頭を撫でていた。
それからしばらくすると彼女も落ち着いたみたい。
「無事でよかった……」
とルミアは安堵していた。
「いつも帰って来ているでしょ?」
「そうかもしれないけど、あいつらに連れて行かれたから酷い怪我をして帰ってくることが多かったから……」
そう言われると彼等に連れて行かれたとき大きな怪我をしていることが多かったかも……。実際に今回も大きな怪我をしていたわけだし……。でも、そんなこと言ったら彼女を心配させちゃうから言わないけど。
「ちゃんと無事だから」
そういうとルミアは私を見回していた。
「……これは?」
と言って指を指していたのは脇腹の辺り。そこは短剣で切られた場所だ。治療は終わっているから問題ないけど……。
「戦闘中にちょっと服を切られちゃっただけだよ」
「本当? ちょっと見るね?」
といってその場で服を捲られる。
「え?!」
予想外のこうどうだったからそのまま捲られたけど急いで服を降ろす。
「確かに大丈夫みたい」
「こ、ここで確認しないでよ!」
「ちゃんと怪我をしていないか確かめないといけないでしょ?」
「そ、それは……。心配してくれるのは嬉しいけどここでやらなくても」
と言って後ろを確認した。誰もいないことに少し安堵していると私の様子に気が付いた彼女が私が何を言いたかったのか分かったみたいで頭を下げて来た。
「ユアお姉ちゃん、ごめんなさい」
「わかったならいいけど今度から気を付けてね?」
「うん!」
理解してくれたならまぁ、いいかな? そんなことを思いながら他の子達はどうしたのか聞いてみた。
「それで他の子達はどうしたの?」
「みんなならもう寝かしたよ?」
「そうなの。ありがとう。……彼等を少し覗いてから私も寝るね?」
「え? ご飯は?」
「疲れたから今日はいいよ。だからもう寝ましょ?」
「……わかった」
そう言うと若干不満そうにしていたけど納得してくれた。それから体を水で拭いて着替え、自室で毛布に包まるとすぐに眠りについた。
翌日は冒険者としての活動はお休みにして孤児院のお手伝いをした。最近少しご無沙汰にしていたため孤児院にいる年長者のルミアに任せていたから今日ぐらいは少しでも彼女を楽にしてあげないと! そう思いいろいろなことを手伝ってあげた。食事を作ったり、一緒に洗濯をしたり、掃除をしたり、そして余った時間は他の子達とも遊んであげたりとそう言った具合にいろいろなことをして過ごた。しばらくはこんな生活を続けようかな?
とそんなことを思っていた。




