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28.オノマ3



 私はレーナちゃんの後を一生懸命追いかけながら走っていた。度々私を確認しながら走っていたから私の走る速さに合わせてくれていたみたいだけど私が走るのが遅くてオノマ達にだいぶ追いつかれてしまった。


 オノマ達が近くにいるだけで嫌な感じがする。そんなことを思っていたときだった。「ピュ!」という音とともに脇腹辺りに何か当たったと思ったら激しい痛みを感じた。そして脇腹の痛みに気を取られて足元がおろそかになったとき木の根に引っ掛かり倒れてしまった。そのことに直ぐに気が付いたレーナちゃんが私に声をかけてきたが直ぐにオノマ達の方を向いた。


 私は脇腹の痛みに耐えながら自分の脇腹を見るとタラタラと血が流れていた。オノマ達にやられた。そのことだけは直ぐに理解した。そして彼等が私達の近くを通って行ったという事はその後ろを追い掛けていた魔物たちが私たちの近くにいると思い、せめてレーナちゃんだけでも逃げて欲しいと思ったが痛みのあまり声がうまく出せないでいると脇腹辺りに暖かいものがかけられた。その痛みに体を捩りながら何をしているのか薄っすらとみたら脇腹にお湯を掛けたみたいだった。そしてレーナちゃんの手元を見るとその手にはポーションが握られていてそれを私に掛けだした。


 最初は痛みを堪えていたが徐々に痛みが引いていった。かなり高価なポーションを使ってくれたみたいだけどそんなポーションを私に使ってくれてなんだか申し訳ないと思った。


 そんなことを思っているとレーナちゃんが声を掛けられながらゆっくりと体を起こしてくれた。痛みがほとんど感じないことを確認してレーナちゃんの方をみたときその後ろにはたくさんのゴブリンが少し離れたところにいた。


 私のせいでレーナちゃんを巻き込んでしまったからレーナちゃんが逃げれるように頑張ろう。そう思った時にレーナちゃんからこんなことを言われた。


「ユア、少しは、戦えそう?」


 まさか! 戦うつもりでいることに驚きながらも戦えると思ったから一応返事をした。


「多分」

「じゃあ私の後に抜けたゴブリンだけ相手してもらえる? 数が多かったら持ち堪えるだけでもいいけどできそう?」


 レーナちゃんから抜けた敵の相手……。敵の数も多いからどれだけの数を相手にするのかな……。とそんなことを思ったけどレーナちゃんが戦うと言っているから自分にできることは頑張ろうと思った。


「――っで、出来るだけ頑張る」

「お願いね?」


 そう言いうとレーナちゃんは、ゴブリンの方に向かって歩き出した。するとゴブリン達もレーナちゃんに襲い掛かって行ったけどあっさりと倒していく。すると他のゴブリンと明らかに違うゴブリン達がレーナちゃんを襲い始めた。しかも連携までこなしている。一方私の方にもゴブリンが数匹流れてきたが何とか1匹を倒したところでレーナちゃんを見ると囲まれて後ろから殴られそうになっていたので思わず声を上げるとレーナちゃんは気が付いてなんとか回避していた。そのことに一瞬安堵するもゴブリンが私に襲い掛かって来たので慌てて避ける。いつもみたいに戦っていては戦闘時間が長くなると思い自分から攻撃を仕掛けていった。一応、私の方に来た敵は全部斃せたけど、少し攻撃当たったけど切り傷程度だった。


 一方レーナちゃんはというとたくさんのゴブリンに囲まれていた。残っているゴブリンは上位種と思われる3匹のゴブリンだった。


 その戦いを最後まで見ていたけど戦闘中にあれだけの攻撃を避けて攻撃を仕掛けて斃していったレーナちゃんは凄かった。何度か当たりそうな攻撃もあったけど当たることなく避けていた。返り血でどんどん赤く染まっていくレーナちゃんを見ていると何だか胸が痛い。一緒に戦えたらいいけど今の私じゃあただの足手纏いになることぐらいはわかる。そんなことを思いながらレーナちゃんの戦闘を見ていたら最後のゴブリンを倒した。そして肩を踏みつけていたがまだ生きているようで喚ていた。そんなゴブリンの顔を目掛けて踏みつけたと思ったら辺りにいろいろ飛び散った。


「っえ!?」


 一瞬何が起こったのかわからなかったけどゴブリンを斃したことだけは分かった。レーナちゃんも驚いていたから予想外のことが起こったのかな? そう思いレーナちゃんの元へ向かった。


 周囲に散らばったゴブリンの死体を避けながらレーナちゃんの元へ歩いて行く。所々血だまりができていてそんなところを歩いていたから足を捕られて転びそうになったので転ばないように歩いているとようやくレーナちゃんの元までたどり着いた。


「レーナちゃん大丈夫?」

「うん。ユアも大丈夫?」

「大丈夫だけど…」


 と言ってレーナちゃんを見た。私のことを心配してくれるのはありがたいけどレーナちゃんの服装は赤色に染まっている。多分怪我はしていないと思うけど本当に何もないのか心配していた。


「自分の血じゃないから大丈夫だよ」


 レーナちゃんは私の様子に気が付いたみたいで無事だということを教えてくれた。見た目からはそうには見えないけど多分大丈夫なのかな? そう思って少して安心した。すると急に私の足首を掴まれて悲鳴をあげた。


 レーナちゃんは私が悲鳴をあげたので何が起こったのかと、周囲を確認して私の足元をみたと思ったら私の足を掴んでいたゴブリンの頭を踏み潰していた。もしかして先ほどの何か飛び散っていたのは……と思っているとレーナちゃんが無事確認をしてきたので何とか返事を返したがあまりの光景に頬が引き攣っているのを感じた。何とか引き攣らないように気をつけていた。


 レーナちゃんそのことに安心した表情をしたのかと思ったら


「念のためだけど一応ゴブリンの頭落としておくね?」


 そう言ってゴブリンの頭を落としていった。




 レーナちゃんが他のゴブリンの頭を落としている間にレーナちゃんが踏み潰したゴブリンの頭を見ていた。ゴブリンの頭ってそんなに簡単に踏み潰せるものなのかな? そんなことを思いながらそのゴブリンの頭を踏みつけてみるが硬くて踏み潰せない。


 それなりに硬いものだよね? そんなことを思っていると陥没した付近を踏んでしまいレーナちゃんの踏み抜いた痕に自分の足が入ってしまった。気持ち悪い感触に急いで足を抜く。とりあえず私にはレーナちゃんみたいなことはできないことが分かった。それとレーナちゃんの蹴りは強いことが分かった。もし仮に怒らせて蹴られるようなことがあったら骨は確実に折れるかも……。そんなことを思っていると後ろから声を掛けられて驚いた。何でもないよ。とそんなことを言いながら明らかに怪しい行動をとっている自分に気が付いて下を向いていた。


 そしてゴブリンを解体してから街に戻ることになったのでなるべく急いで解体をした。その後の素材に関してひと悶着あったけど、妥協点を探し、その話を終えた。街に戻るのかな? そんなことを思ったらレーナちゃんが「街に戻ろう?」といったので私は「少し汚れを落とした方がいいかも?」というとレーナちゃんもそのことに納得したと思ったら「確かこっち」と言いながら私の手を掴んで歩き始めた。


 どこに向かうのかな? そんなことを思いながらレーナちゃんに引っ張られるままついて行った。



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