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魔法使いは銀河を駆ける  作者: 星キノ
第8章~Shutdown Stage<Secondact>~
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99. 侵入

 人工惑星エリアYの最南端に僕達の目的地はあった。

 伊集院くん曰く、エリアYは元々エリアXと兄弟星でありX-CATHEDRA(エクス・カテドラ)の管理下に置かれていたとのことだが、ルナティックと分裂した際に惑星ひとつ丸ごと奪われてしまったと言う経緯を持っている。

 そして奪われた際に、X-CATHEDRA(エクス・カテドラ)と同盟を結んでいる全ての惑星からのアクセスが厳格に管理され遮断される事となった。

 そしてそのアクセスを遮断するために、内外への電子的な通信手段を防ぐ『電磁閉鎖』、そして空間魔法による干渉を防ぐ『空間閉鎖』をしているのが、今僕達が向かっている防衛基地であるとのこと。


「そろそろ着くね」



 前方に砲台と金網で囲まれた大きな建物が見える。物々しい砲台がギラついている上に、金網と建物をまるごと囲むバリアが行く手を塞いでいた。


「ここ、前は役所があったよな?」

「装置をここに置く時に移転したわ」

「え、何処に?」

「ここから3キロほど北の位置」

「それでここ、こんな事になったのか」


 透明になっているはずだが、伊集院くんの声から彼の目が丸くなる様子が目に浮かぶ。


「伊集院、バリアの解析できるかい?」

「今やっている」


 よく見るとうっすらと黒い霧のような物がバリアの表面をなぞる様に展開されている。言うまでもなく伊集院くんの謎魔法だろう。


「無理だと思うわよ、ギルドの物を流用しているし穴があったらそれ利用してこっちがエリアXに攻め入ってると思うわ」

「そのようだな。やろうと思えば力ずくで破壊できないことも無いが、今回は隠密任務だからそういう訳にも行かないしな。ご丁寧に虚魔法によるコーティングがされてるから闇魔法使ったら絶対にバレる」


 黒い霧が晴れていく。ザリザリと地面を踏みしめる音が聞こえる中、プライスが1歩前に出る音がした。


「一応、ここの電力供給を止める事ができれば、サブ電源が作動するまでの一分間は防衛基地のセキュリティーを無効化出来るわ」

「電力供給か。発電所どこだっけ」

「最西端」

「話にならんな」

「供給源を叩く時間はなさそうだね」

「ああ」


 プライスがスカウターを確認する中、思い立って提案を出してみることにした。


「じゃあ、僕と誰かと、残り2人とかで発電所に行く組とここに侵入する組とで手分けする?」

「いや、それは出来ない。それだと案内役のプライスは必然的にここになるが、発電所を叩くのに2人、人員を割くとなると戦力としては足りない。3人ここにするにして俺が1人で発電所に行っても発電所の戦力が足りない」



 即座に伊集院くんが僕の案を否定すると、イエローさんの声が上がる。


「要は電流を止めればいいんだよね」


 そう言うと突然空中にガンソードが現れる。イエローさんのものだ。そのガンソードが指す先には、とんでもなく太い電線があった。


「ここだけ電線が地表に露出しているから、ここから大元を叩いてみようか」

「なるほどね」

「どうしてここだけ電線が?」

「あー、ここ増設した所だから電線を地中に埋没出来なかった場所が幾つかあるのよ。でもここが本体の電源に繋がる保証はないわ」

「それなら僕に任せてもらおうか」


 イエローさんの輪郭に青白い電流がまとわりつく。透明なのに電気が彼を取り巻くせいで、彼がどこにいるのか丸わかりだ。



「モデルYp(イエロープリズン)固有能力『強制流電(ボルトクライシス)』発動.......」


 彼が突然跳躍し、空中に魔法陣が現れると彼がそこに着地した。すると彼は空中にあるその電線を、あろう事か手掴みにして見せた。


「僕が電気の流れを読み取って地中にある大元の電線に過電流を流し込んで焼き切る。その隙に突入しよう」

「分かった」



 伊集院くんの許可と共に、暫くの間沈黙が流れる。僕もすると突然、呪文が唱えられた。


「【反絶縁(デンショート)】!」


 握られた電線から、青白い電撃が逆流し物凄い音と光を放つ。逆流した電気が一瞬で地中深くに潜り込んだ瞬間、近くにあった砲台が爆煙と共に吹き飛び、同時に辺りを暗闇が支配した。


 電線が焼き切られたのだ。



「よし、今だ!」

「ハッ!」


 イエローさんの掛け声と共に金網が黒い刃で切り裂かれ、僕達は正面入口へ一直線に走り始めた。


「急いで!」


 電気供給を失った建物のバリアも剥がれ道が開ける。イエローさんの輪郭にまとわりついていた電気が消えると、突然稲妻のような光が正面入口へと伸びていきイエローさんが正面入口へ到着したことを知る。

 伊集院くんも身体を闇に変化させたのか、黒い飛行機雲のような物が突然僕の傍で発生しやはり一直線に入口へと吸い込まれて行った。


「.......着いたっ!」



 僕も全力疾走し滑り込む様に建物の中に侵入に成功すると、明かりが回復していく。電力が復活したのだ。


「つ、着いた!」

「あんた遅いわよ」



「.......で、どうします?」

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