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深い森の彼方に 改訂版  作者: とも
24/24

-24-

冒頭部分と同じように削除しています。

これを削除してしまうと、何がなんだかわからなくなりますが・・・

しばらく落ち着いた日が続いた。

私もリーダーとして何となく様になってきたような気がする。

しかし、こんな時にはとてつもないことが突然おきるものだ。案の定、まだ寝ているうちに基地から運転手がやってきた。


「申し訳ありません、早朝から。」

「いえ、何かあればいかなくてはならないのが私の役目ですから。」

スーツに着替え、簡単に化粧をして軍用ジープに乗り込んだ。

「今日は少々厄介かもしれません。」

「いったいどうしたというのですか。ピンクハウスの女がまた現れたのですか。」

「いえ、そうではありません。城門に向かってやって来る人物がいるのです。何やら妄想を抱きつつひたすら歩いてくる人物が。」

「身柄を確保することはできないのですが。」

「いえ、城門の向こう側からということなので、我軍の兵士は外にでて拘束するというのは困難です。門の前庭であれば行動可能な者もいますが、一歩でも森へ入ると我々がやられてしまいます。」

「ピンクハウスの女や、基地の外に現れた不審者とは出現のしかたが違うのですね。」

「それで、城門に到達する前に作戦会議をすることになったのです。」


基地に到着すると、司令部前にはワンボックスカーも停まっている。運転席で中年の運転手が居眠りをしている。

「総裁もお見えになっているようですね。」

運転手は司令部玄関前に車を着けた。司令部内はてんやわんやだ。私がこの世界にきて最大の緊急事態かもしれない。

「リーダー、朝早くからご苦労さまです。」

「車中で運転手から概略話を聞きました。」

「実はリーダーをお迎えに車が出発した後、侵入者が城門の前に現れたという連絡が入りました。ついさきほど、城門警備の担当者が詳細報告のために司令部に着いたところです。今、その報告を聞こうとしていたところなのです。」

「そうですか、ちょうどよかったです。総裁もいらっしゃるので、一緒に聞きましょう。」

「身分の低い物からの直接のご説明も許していただけるのですね。」

「もちろんです。」

司令官は傍らの副官に命じた。

「報告者をリーダーの御前に。」

扉があき、泥だらけの軍服の兵士が中に入ってきた。

「見苦しい姿で失礼します。報告します。」

兵士は緊張した面持ちで報告を始めた。

「侵入者の接近の情報を受け、昨晩18時より監視体制に入りました。自分は城壁にある第3監視所で森の方向を監視していましたが、朝5時35分頃、森の中を我国に向かって歩いてくる人物を発見しました。歩き方は疲労困憊している模様で、足も引きずるようにゆっくりと左右にふら付きながらこちらに向かって歩いてきました。その時点で城門詰所にいる兵士全員が城門に集まり緊急事態に備えていました。すると、侵入者は森から出て城門前広場に入った途端に、立ち止まり倒れてしまいました。しばらく注視していましたが、動く気配はありませんでしたので、兵士2名が侵入者に接近し生死の確認をしたところ、呼吸があることが判明しました。そこで警備責任者の命により、今後の対処方法について司令官の意向を確認するように命ぜられましたので報告に上がったしだいです。」

「よし、ご苦労、下がってよい。」

司令官の命令で、兵士は部屋を出た。

「総裁、ここまでで何か分かったことはありますか。」

「わからないではありませんが、私自身の頭が少々混乱しています。もう少し状況整理してから推察してみたいと思います。」

「すると、処刑や放逐するということはせず、身柄を確保して様子を見るといったところでしょうか。リーダーよろしいでしょうか。」

「そうですね。手荒なことはしないほうがいいでしょう。外に放置しておかずに城郭内に収容したらどうでしょう。場所はありますか?」

「小部屋に収容しましょう。それから、武器や危険物所持の可能性がありますので衣服はすべて剥ぎ取り、全裸で収容することにしましょう。」

直ちに、先ほどの兵士が呼びつけられ決められた手順を指示すると、城郭に向かった。

兵士は濃緑色に塗装されているらしい古びたオートバイに跨り、もうもうと排気ガスを残して城郭に向かっていった。

「リーダー、このあと城門に行かれますか。」

「行きましょう。尋問も私が直接させてもらいます。」

「わかりました。準備をします。総裁も是非ご一緒に。」


1時間ほどのち、軍用ジープとワンボックスカーに分乗し私たちは城郭へ向かった。司令部ではかなり悩んでいた様子だった総裁から胸の内を確認したかったので、ワンボックスカーの後部座席に総裁と乗り込んだ。運転手はあの居眠りをしていた中年運転手だ。

「総裁、何か感じるところがあったのですか。」

「はい、色々あるのですが、考えがまとまらず、今も混乱しているのです。」

「どういったところが疑問なのですか。」

「どうも、時間の進行が、混乱しているようで、リーダーの行く末も含めて、どうなるのでしょう・・・」

総裁は額に脂汗を浮かべていた。こんな表情を見せるのは初めてだ。

「まだ考えがまとまらないのですね。私があまり話しかけないほうがいいのかもしれないですね。」

「もうしわけありません。」

総裁は城門に着くまで目を閉じたままだった。


城門に到着し、城郭内に入った。侵入者が収容されている小部屋には私と司令長官と総裁が入った。床の上に侵入者は寝かされていた。

司令官がまず言葉を発した。

「この体は女ではありませんね。」

「そうです。胸は平らだし、それに************がついている。司令官、この男を収容した兵士は、男という存在を理解していたのでしょうか?」

「知らないはずです。実際にも見たことはないはずです。私はもちろん知っていますが、健全な男の肉体を見るのは初めてです。」

「あのマゾヒスト以来ですね。」

「そうです。しかし、あれは自分で自分の体の一部を切断していました。」

「健全なモノも初めてですね。」

「はい、どんなモノなのか触れたこともありません。」

「触ってみましょう。」

私は侵入者に近づいて、そっと****************************したが、そんなことを司令官に話すわけにはいかなかった。

右手の中で***************************くなった。

「こんなに大きさが変わるのですね。私にも触らせてもらってかまいませんか。」

「いいですよ。」

司令官がギュッと握ると更に*************************************欲しい。

今まで黙って侵入者を見ていた総裁が口を開いた。

「あってはなりません。このようなモノは。この侵入者を我国に受け入れるとしたら、なんとしてもこのモノだけは処分しなければなりません。ここは女の世界なのですから。」


3人とも部屋を出ると、3人3様の理由で溜息が出た。

「あの侵入者は女になりたいという妄想を抱くことによってこの国に紛れ込んだものと思います。女と扱うことを条件に受け入れましょうか。」

司令官はこう言って私の顔を見た。

私は頷くしかなかった。

「受け入れるのであれば、まずはあの股間にあるモノを取り除かねば。」

総裁は二人の顔を見渡した。

「私は銃殺はできますが、生きたまま切断というのはちょっと・・・」

そう言った司令官は私の顔を見た。私がやらざるを得ないようだった。

「切断面の処置は誰かできますか。」

「本部に医療技術を持った者がいます。大丈夫だと思います。」

「では彼女に軍服を着せて立ち会わせて処置を命ずることにします。切断は私がします。でもあの男、なんとなく見覚えがある。」


本部から医療技術を持った女が軍服に身を包み城郭に到着した。

「切断後の処置は大丈夫ですね。」

「古典的な方法で十分です。体の一部を切断した場合、熱した油を切断面に塗布して消毒をする、そしそこに尿道などがあったばあいは閉塞しないように棒を差し込みます。1週間ほどして棒を抜き尿が噴出すれば完了です。中国でかつて行われていたといわれる切断後の処置方法で、対応もできます。」

「わかりました。処置はまかせます。準備ができたら、あなたと司令官の二人が私について小部屋に入ってきてください。」


********


「お前か、混沌の森から抜け出て我が国に入ってきたやつは。」

小部屋で腰縄に繋がれたまま床にころがされ夢うつつの中にいた侵入者に、私は大きな声をかけると、侵入者は目を開けた。

「私がこの国のリーダーだ。お前は何を求めて我が国に来た?」

「いえ、森で道に迷ってしまったんです。もう何日も飲まず食わずで、少しでいいですから食べるものを恵んでください。お願いします。」

侵入者は弱々しい声で返事をした。男とは思えないような声だった。

「お前は私たちの国を求めてやってきた。そして我が国に侵入をたくらんでいるのだ。誘導員たちの連絡ではそうだった。」

「そんな、このような国があるとは全然知りませんでした。ただ、藁をもすがる思いでこの建物に近寄ったんです。侵入しようだなんて。」

「心にもないことをいうんじゃない。我々は、お前の心の底を読み取っているんだ。」

「・・・」

「本来、おまえのように股間に余計な物をぶら下げている人間は我が国に一歩なりとも立ち入ってはならないのだ。まして我が国の大事な生産物を恵んでくれなどととんでもないことだ。」

「いえ、これ以上中に入れていただかなくても結構です。何か食べる物をいただけたらすぐに立ち去ります。」

「既にお前は我が国の領土に立ち入ろうと自ら城門に近寄ってきた。これは紛れも無い事実だ。それに、ここからあの森に再度立ち入ったら抜け出すことはできない。立ち去るなどということは不可能だ。したがって、お前は不法入国したことは厳然とした事実だ。そのような大罪を犯してこのまま許してくれなど、ありえないことだ。」

「そんな」

「大罪の罰として、それから入国してしまった後始末として、お前の始末をする。始末といっても我が国は平和な国だ。いきなり銃殺するなどというような野蛮なことはしない。命の保証はするから安心しろ。そこの台に横になれ。」

侵入者は傍らにあった木製の寝台に横になった。司令官と軍服を着た医療技術者が侵入者の手足を寝台の支柱に繋ぎ大の字にあおむけにさせた。侵入者は急に羞恥の表情を浮かべた。


***********冒頭部分と同様に削除********************


私は侵入者の頬を何度も叩き目を覚まさせた。猿ぐつわをかませた。司令官は硬い木の寝台に手足ばかりではなく体もしばりつけ身動きもできないように固定した。

「死ぬようなことはない。」

と侵入者に言葉をかけ、司令官と医療技術者たちとともに部屋を出て行った。


突然、私の記憶が蘇った。ひとつひとつの会話の記憶も蘇った。小部屋の中で侵入者と私が交わした会話は、数年前私とリーダーが交わした会話だった。

あの男はかつての私だ。そしてあの時のリーダーは今の私だったのだ。

外に控えていた総裁がつぶやいた。

「やはり時間が逆走していたのですね。」

小部屋からは激痛に苦しむ侵入者のうめき声が聞こえた。


(完)

これですべてですが、肝心な部分をかなり削除してしまっています。

アルファポリスで是非完全版をご覧いただけたらと思います。


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