エピソードⅥ 欠片
赤帝咎に戻ったユリア達、新しく臣下を決めたり
ユリアの近衛騎士を強化したりなど大忙しの毎日
そしてゼロに迫りくる時間・・・
この回で登場する新規キャラ
スラ・クーラ 女 22歳 赤帝咎王国に住まう近衛騎士でユリアの親友
後に、ユンナクィアに移り住む。
ユリア「今、なんて・・・」
ゼロ「各国にまわって、復興しようと思うんだ」
突然と言い出す。ユンナクィア再建、セルウィンの拡大、バルディート再興
そして、シュラルギス。
スラ「王女様」
ユリア「今は王女じゃないのよ」
スラ「女王様、緊急事態です!」
この報告は悲報か、それとも・・・。
ユリアとゼロは表へと出ると、そこには白きローブで身を包んだ者達が居た。
ゼロ「シュラルギスの住人か」
白きローブの女「新たなる神よ、我々に大いなる導きを示したまえ!」
ユリア「新たな神?」
ゼロ「私の事か」
白きローブの者達がゼロへと向かい、座り出す。
そして、ゼロの事をアナトゥ・ルクルスと崇め、シュラルギスへ訪れて下さいと言い出す。
ゼロ「順を追って向かう、しばし待たれよ」
やり取りしている内に白きローブの者達は立ち去ったものの
辺りの騒ぎは収まる気配がない。
町人A「新しい神だってよ」
町人B「やぁねぇ、神様は災いの元よ」
がやがや、ざわざわ。
ユリアが演説し、場を収束させる。
そして話し合いの結果、ゼロとユリア、スラの3名だけで各国を巡回する事となった。
また、各国に関わりのある住人も復興作業を手伝う。
スラ「たった1週間で、再建できるなんて・・・」
ゼロの能力と一時的にその力を住民に貸し与えてユンナクィアの再建を果たす。
そして、新しくなったユンナクィアを赤穹王国・ユンナクィアと名付けられた。
他の国も約1週間ずつ費やし再興や拡大を果たし、遂にシュラルギスへと訪れる。
ゼロ「しかし封印されてるが、どうしたものか」
白きローブの女「せんえつながら新たな神よ、結界に触れれば解除されるかもしれません」
ゼロ「うむ・・・」
ゼロが結界を触れた時、何かが弾けるような地響きが鳴り渡る。
その瞬間、周りが停止し・・・。
ゼロ「これは・・・!」
****「我を解き放し者よ・・・感謝する・・・」
ゼロ【アナトゥ・ルクルスか】
アナトゥ・ルクルス「いかにも・・・」
「しかして、我は既に力の半数以上も失のうておる」
「お主が新たな神となるか、否」
「お主は、時が足りぬようだな」
「して、今更我を解き放ちなにを企む」
ゼロ【あの頃の私ではない、新たな契約者と共に居る】
アナトゥ・ルクルス「・・・そうか、よい行いをしておるのだな・・・我はしばし眠りにつくとしよう」
「再び火種が出るようであれば・・・再び選定を行おう・・・」
そしてアナトゥ・ルクルスはその場から消え、停止されていた時間が動き出す。
ユリア「ゼロ?」
ゼロ「ああ・・・何でもない」
街が解放され白きローブの者達は歓喜し、街の中へ。
かくして、復興を手伝い、新たな神殻が作られそこにゼロの力の一部を封じ込み
シュラルギスの繁栄を導く事となった。
一行はユンナクィアに戻り、ゼロが呟く。
ゼロ「時間か・・・」
ユリア「!」
ゼロの身体から砂のような物が落ちる。
身体のあちこちから砂が出てきていて、生命が尽きようと時間が迫っていた。
ゼロ「最後の望みとして、黒影の宝剣・リヴァイヴを君に託すよ。ユリア」
「君なら扱えるはずだ」
ユリア「でも契約したら・・・」
ゼロ「大丈夫、彼女との契約の内にもう一つの誓約を課した。これにより君は宝剣の契約に縛られる事はない」
「君が新しい契約者だ」
言ったと同時に黒影の宝剣・リヴァイヴは光だし、宝剣の声がユリアにも届くようになった。
【よろしく頼むな、新たな契約者よ】
ユリア「よろしくお願いします」
ゼロ「私に継ぐ者が、きっと現れる・・・」
「私の亡骸は欠片となる。その欠片を墓前にでも置いてくれ」
ユリア「私、ずっとあなたの事が・・・」
続きを言おうとしたが、ゼロによって塞がる。
ユリア「・・・」
ゼロ「・・・」
ユリア「・・・ひどい・・・よ・・・こんなのって・・・」涙を浮かばせるユリア
そして二人は向き合い
カイ「さよならだ・・・。僕も好きだよ、ユリア・・・」
ユリア「さよなら・・・カイ・・・」
それと同時にゼロは笑顔を見せ、欠片と砂になり散った。
前章誕 0章 完
如何でしょうか。前章誕0章 完結です
後日談があるので、是非見て下さい
後日談は前章誕1章に繋がる重要な場面です。
そして、後日談は取り敢えずB√で書きます。A√は、現状アップは1章では存在しません。
どこに登場させるかは、また後日に。