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エピソードⅤ 叛逆

ユンナクィア跡地に眠る遺跡の奥で壁画、宇宙船を発見したユリアとカイ。

その頃、ヴァルターは身を潜め何かを伺っている様子。


新しく登場するキャラクター

Zero-ゼロ-

元々はカイが持つ剣に宿る人工精霊神子。

カイ「外宇宙か」


ユリア「真のユンナクィア人というのが引っかかるわね」


一行は遺跡を後にし、出入り口へ戻っていく。


しかし、そこをチャンスと思ったヴァルターが

カイの腰に下げている剣を奪う。


ユリア「どうして・・・!」


ヴァルター「この時を待っていた」


カイ「返して下さい」


突然と暗闇から黒騎士が現れる。


ヴァルター「約束の剣だ、これで私は自由の身。黒衣の放刹を頂く」


『黒衣の放刹、失われたセルウィンの遺産か』


ヴァルター「黒衣の放刹は元々私の物だ、それを黒騎士達がセルウィンから奪って行ったのだ」


黒騎士「・・・」


黒騎士の沈黙のあと、黒騎士は抜刀し、ヴァルターを突き刺す。


ヴァルター「なに・・・を・・・」


黒騎士「お前は、もう用済みだ」


『カイ!唱えろ!』


カイ「あ、そっか!****!」


カイが唱えた時、宝剣はカイの手元に転移する。


黒騎士「ちっ・・・」


カイ「ここじゃ狭い、ユリア!転移するから掴まって!」

ユリア「わかったわ」


黒騎士「逃がすか!」


カイとユリアは宝剣の力で外へと転移するが、黒騎士も転移であとを追う。


出た場所は平原。カイは元々魔力を持たず、宝剣の転移能力の距離は限られていた。

ユリアはカイから離れ、カイは黒騎士との戦闘を開始した。


・・・・・


そして数時間が過ぎた頃、カイは深手を追う事となる。


カイ「くっ・・・」


黒騎士「我が宝剣を返して頂こう」


カイ「解放を・・・」


『ならぬ・・・今使えば、そなたは・・・!』


カイ「しなければ、どちら共ダメになる。それにユリアまで危険に晒されてしまう」


『・・・わかった』

『汝と我、契を交わす者なり、汝と我、共に代価を払いて完全契約を交わす』


カイ「***、解放」

『***、解放』


二人同時に唱え、解放の儀を行った。

これにより、カイの傷は塞がり、完全契約となった。


黒騎士「完全契約だと?!」


**『・・・』


其は剣のひと振りで黒騎士をなぎ払った。それと同時になぎ払った先の平原は荒野と化す。


ユリア「すごい・・・」


黒騎士「この力は・・・アナトゥ・ルクルスの物!」


**『神を知っている者か、しかし私はそんな者ではない』


黒騎士「改めて名を聞こう」


**『前回、名乗っていないが敢えて言っておこう。私はゼロだ』


黒騎士「ゼロ・・・だと・・・。叛逆の神子・・・!」


ユリア「神子・・・?神子って確か、アナトゥ・ルクルスが遣わした人物よね・・・どういう事?」


ゼロ『今は語る必要は無い、特に黒騎士、そなたには・・・な』


ゼロによるもうひと振りにより黒騎士は滅した。

圧倒的な力の前に黒騎士は敗れた。


ゼロ『あの者が居たという事は、否、思い違いと思っておこう』


ユリア「あの・・・」


ゼロ「すまない、怖がらせてしまったね」


ユリア「(さっきまでの恐怖が消えている・・・)」


ユリア「カイ・・・?」


ゼロ「完全契約をした今、カイとしての姿はもう戻れないんだ」

  「それにこの力は長くは持たない、持って1ヶ月くらいか」

  【それでも十分だと思うぞ】

ゼロ「そうだね」


ユリア「誰と会話を?」


ゼロ「あぁ、元々剣に封印されていた者はゼロという名の精霊神子だったんだ。で、彼女と現状会話できるのは僕だけ」


ユリア「精霊神子・・・というか、女性だったのね」


やり取りしながら、赤帝咎王国へ戻る二人。

ゼロは、やるべき事が山積みだと言う。ユリアは国の総力を持ってサポートすると約束した。

ゼロのやるべき事、それは・・・。

次回はエピソードⅥです。次回のストーリー的は、0章最後の話ですね(多分)。


黒騎士が言った"叛逆の神子"

アナトゥ・ルクルスが生み出した神子は一人。それは外宇宙から連れ出した人類。

人々が作り出した物は人工精霊を宿した剣。

この歴史の真実は、神子が人工精霊を宿した剣と完全契約をして神を裏切った。

戦争終結の際、神はゼロにより封印。

完全契約したゼロは代価により、自身を滅ぼす。

黒騎士は何らかの方法で、当時から生きながらえて来ていた。

完全契約を果たした者は自らを滅ぼし、剣は眠りに付く。

ゼロと契約できる者は当時同盟を組んでいたユンナクィアとセルウィンの人々、神子のみ。

カイはセルウィン、ユリアはユンナクィア。この先、待ち受けるのは滅び、或いは・・・。

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