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スノウフェルへ  作者: 楠瀬 和裄
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何事も良いものを作るには下準備が必要になりまして

原作とアニメのキャラクターに登場してもらっています。


円東さんのせりふ回しが、猫語尾だったか思い出せず・・・・・。

まぁ猫人族だし良いだろうという事で通しました。

10月も終わりになる頃。


この世界でのクリスマス=スノウフェルから

新年はどう過ごそうかちょっと思案していた。


温暖なサカワでは農村部も雪は降っても積もるほどではなく、

ちょっと情緒には欠ける。


みんなに休みをやって、やさぐれてそうな冒険者でも雇ってみるか。

浮かれられない奴にはあんなのは目の毒だろうし。


確保してから休みを出すか、

休みを検討していることを伝えて調整して補充するかの二択だな。


とりあえず、部隊長と家令を呼ぶか。


「シフト外にスノウフェル休暇を取りたい者達が居ないか確認してほしい」

「それはどういう?」

「今年は色々あったからな、

 休養以外で業務停止しても問題ない辺りまで休みを取ってもらおうかと

 暇そうな冒険者も居る事だしな」

「集まるものなんでしょうか? 冒険者達が」

「この世界に無為に過ごしているものが居る、

 彼らの気分転換に強引に連れてこようかと考えてはいる。

 それから歓待の為の催しはする予定なので

 貴殿らの奥様方にはお手伝い願いたいこともある、

 これは休暇とは別だ、

 なのでこの地を離れる予定のある者には頼むつもりはない。

 私の居た世界のスノウフェルの時期に食べられる保存食を

 何種類か作ってもらいたいのだ。

 残ってこれを楽しみたい者はそれでかまわない。

 仕入れて持ってきても良いのだが、

 アキバはアキバでスノウフェルの催しがあるだろうしの。

 出来上がりを買うばかりでは脳が無かろう。

 幸いにしてこの地は穀倉地帯も果樹地帯も抱えている。

 今後の参考にもなるであろう、どうだろうか?」

「かしこまりました、確認してまいります。」

「わたくしは各村に触れをだします」

「纏めたら連絡を入れてくれ」

「正確なレシピと調理法の確認にアキバに向かう」


まずはロデ研かな。

あとはクエスト斡旋所か円卓窓口に第八商店街に水楓の館だな。

アキバはまだ天秤際の余韻なのかゆったりとした雰囲気が流れていた。

中には気ぜわしく動き回っている大地人と冒険者が居るには居るが

きっと交易の事なのであろう。

経験値が少なければたくさん経験すればいいのだ。

大地人の方も冒険者は気前が良い方だと理解しているから

足元見たボリは無いのだろうし。


ロデ研のロデリック棟にむかう。

まずは挨拶をしておかないとな、

まぁそういう事にうるさい人物ではないが

目通りしておいた方が何かと良いだろう。


「ギルマス、お客様です。」

「珍しい方がおいでですね。」

「このキャラクターでは初めましてですかね、ロデリック殿」

「そういえばそうでしたね、今日は何用でしょうか?」

「調理部の方を

 出来れば、製菓を中心に活動されてる方の

 お時間を少し頂きたいのですが?」

「あぁ構いませんよ、製菓ならミカカゲでしょう」

「ありがとうございます」

「本当にその体になってしまったんですね」

「まぁこの体だけでインしてましたからね、

 もう片方もインしてたらどうなってたんでしょうね」

「それはそれで興味深いところですが、

 中々複数アカウントを操るプレイヤーは居なくてね」

「ま、エルダーテイルはそういう意味で奥が深いですから

 手広くやる人は少ないのでしょうね」

「では、向かわせていただきますね」

「ミカカゲには念話で話を通しておきます」

「よろしくお願いします」

「あぁ案内は?」

「大丈夫ですよ、昔と場所は変わっていないのでしょう? 料理部」

「変わっていないですが、

 どこのキッチンに今日居るかは

 料理部の連中でないと分からないですからね」

「そういう事ですか、確かに施設は潤沢でしたものね」


案内されて一番広くてオーブンが複数並ぶ調理室に入る。

忙しそうに女の子と従者アウラウルネが動き回っている。

「こんにちは」

「お待ちしてました、

 えとスノウフェルの下準備で忙しいので

 片手間になりますが良いでしょうか?」

「構いませんよ、メモして帰りますから、教えていただきたいのは

 シュトーレン、パネトーネ、プディング辺りを考えてるんですが」

「調理する者にとってはもう準備しなくてはならないですものね、

 ブッシュ・ド・ノエルは?」

「えぇわが領内でも盛大にやろうかと思いましてね

 あれは大丈夫です。基本はロールケーキですし」

「私の処へ訪ねてくるという事は買わずに作るって事ですよね」

「そうですね、発注するだけなら加奈子女史のところに伺いますよ」

「ですよね~」

「交流含めてレシピを伝授して一緒に作って、

 来年以降の作付を考えてもらおうと思ってましてね」

「分かりました」

「シュトーレンはパンなので範疇外かなとは思ったんですが

 たしかパウンドアレンジしたものがあったと記憶してましてね」

「ありましたね~某コーヒーチェーンの冬に出たやつですね。」

「そうそう」

「そうですね、大丈夫ですよ」

「今までのレシピに無いものが作れるのはきっと良い事なんでしょう、

 この世界にしばらくは居なくてはならないわけだし」

「私もそれは思いました、

 あのお手軽レシピのダンボールせんべい生活は

 もうしたくないですよぅ。」


びっしり書付を作る。

「ドライフルーツは手に入らないものがたくさんありますけど、

 あるもので大丈夫ですから

 ラム酒が問題かもしれないですね、第八にあったかな~。

 あぁシュトーレンの粉糖は無理かもです。」

「砂糖の漂白生成で精一杯かな?」

「そうですね~上白糖までが精一杯ですね」

「挽いてしまえば流用できるのでは?」

「まぁそれも有りですね」

「この世界はパン食中心じゃないですか、

 小麦を挽いてパンを焼くのでその辺は問題ないかなと

 一応、釜もあるし

 サラマンダー方式のオーブンの方が安定しているとは思うんだけどね」

「そういえば、セルデシアは米食じゃないんですよね」

「そうそう、なぜか米は作ってるんだけどね」

「ですよね~、今はおにぎりがうちのギルドでは人気ですよ」

「手軽に食べられるものね」

「ほかの部門では大流行りですよ、別の意味で男子達にも人気ですが」

「あぁ来る途中で見たよ、なんか投票用のポスターが貼ってあった」

「そういう意味ではうちの連中は割と馴染んで平常運転ですね

 私は最初心細かったけど、この子がいたし」とアルラウネを紹介される。

「名前は?」

「アリー」

「おそろいの夢色パティシール帽か、可愛いね」

「良く知ってますね、そのクエスト、守護戦士ガーディアンのあなたは知らないかと」

「私もロデ研所属の調理人サブ職持ちキャラが居るからね、

 さすがにこのキャラでは持ってないけどね、

 サブ調理人でないと意味が無いアイテムだし」

「どうやって調理するんですか?」

「新妻のエプロンドレスはこのキャラに移してあるからある程度の事はね

 あとは口で説明しながら街と村の奥様方に作っていただこうかと」

「そうか「主婦」は調理できるんですよね」

「そういう事、レシピありがとうね」

「いえいえ」

「何か食材で希望があれば村長たちに試作してもらう事も出来るけど」

「砂糖ですかね~、

 サトウキビはナインテイルからしか入って来ないので高いんですよ」

甜菜糖ビーツが目当て?」

「出来れば、

 ”味がある食事は太るんですよ”だからカロリー調整の意味でも」

「大根はエリア的に問題ないからちょっと打診はしてみよう

 助かりました、さすがロデリック殿の推薦だ。」


さて次の仕事に向かう。

通信用のイヤリングを通して家令から連絡が入る。

「総勢100名ほどが休みを取りたいそうです。

 その内、帰るものが80名ほど」

「分かりました、100人ですね、そのうち80名が帰郷と

 大半は巡回部隊かな、屋敷の者は基本街の出身だったし

 ちょうどよかったこれから斡旋所に向かうところだ」

「そうですね、

 それから休み中の給金を気にしております者が休まないと申してますが」

「給金は今回は特別休暇だから私のポケットから出すよ」

「かしこまりました、それですとあと10名ほどは増えるかと」

「わかりました、110人くらいという事ですね」

「さようでございます」


クエスト斡旋所に着くといつもの猫人族の円東さんが忙しく動いていた。

「すみません、110人ほど辺境巡視・追跡者もちを

 スノウフェルから2週間前後の予定で契約したいのだが?

 慣れてもらうのに早ければ早い方がよいのだが、最低はその期間で」

「かしこまりましたニャ、

 しかし大口ににゃりますと

 ここではちょっと対応いたしかねますニャ」

「分かりました、どこへ行けば?」

「円卓会議の窓口になにゃりますが、

 どちらかと言うと連絡所の方がよろしいかと思いますニャ」

「ふむふむ、ありがとう。」

「レベルとかは?」

「街の護衛代行だから最低20もあれば十分、

 あとは馬持ちかな、無ければ召喚笛位は支給するが」

「それならホネスティ辺りに伺われた方がよいかにゃと」

「”先生”のところ?」

「はい、ちょっと憂慮されていることがあるようで

 そういう事ならあのギルドの方が知悉していると思いますのニャ」

「ありがとう、

 でも名目上はアキバの冒険者への依頼だから円卓窓口が先だよね」

「そうですニャ」


円卓窓口は忙しく動いていた。

「一応、こちらにも通しておくように円東さんから言われたんだけど」

「はい、伺ってます」

利発そうな女の子が返事をくれる。

「では、この用紙に記載お願いします」

「実際の人材調達相談はホネスティのアインス殿と行う予定なんだが」

「構いません、その旨も記入していただければ」

「了解です」

クエスト依頼書に必要事項を書いて手渡す。

「あれ、このレベルって」

「あぁ分かるかい」

「はい、あの私、あの日これに満たないレベルだったので」

「そういう事だ、だから”ホネスティ”なんだよ」

「そういう事なんですね、

 事務処理的にはシロエさんの決済も必要なんですが」

「こんな事まで彼やってるの?」

「はい、そうです。

 大変そうで何かできないかなって、

 ここを手伝っているんですけど

 私、未だ未だで」

「助かってると思うよ、ここも雑然としてないしね、

 第八の執務室は上でいいのかな?

 にゃん太さんのところに伺う予定があるから、

 そのままこの書類は持っていくよ」

「ありがとうございます、

 カラシンさんならギルド連絡会の方に居ると思います

 にゃん太さんとは?」

「あぁβの頃からの知り合いでね、ミノリちゃんかな?」

「はい、そうです。あれなんで知ってらっしゃるんですか?」

「アキバに居なくても伝はあるからね

 では、ありがとうね」


窓口を後にしてギルド連絡会に

「こんにちは、カラシン殿がこちらに居ると聞いて来たんですが?」

「あ、聞いてます。ギルマスお客様です」


「初めまして、と言った方が良いんですかね」

「一応、初めましてですね」

「えと買い付けに来たんですが、ここで話してもいいのかな?」

「私に直接買い付けとはいったいどういう要件で?」

「砂糖と蒸留酒、出来ればラムが欲しいのだが

 それからナッツ類にドライフルーツが手に入ればなおいいかな」

「何を作ろうとしてるんです?」

「あぁクリスマスに因んだお菓子やらパンやらを

 ちょっと領内で作る話を進めていてね

 ミカカゲちゃんからレシピを教えてもらってきたところだ」

「さようで

 タロ」

「ほい、ギルマス」

「これ、倉庫に行ってこれ用意して」

と書付を渡す。

「どこに届ければ?」

「にゃん太さんのところにお願いできるかな、

 こちらから連絡は入れておくので」

とマリョーナの鞍袋を渡す。

「次があるのでこれで」

「ゆっくり話す時間作ってくださいね~南の方はまだなんで」

「合間に来るといいよ、説話収集なんでしょ? 

 オーガ関連の伝承があると思うが

 農村の長老方に聞くしかないかな

 梟でもなんとか来れるよ」

「広がってるって噂が出てるんですが」

「う~ん、急速にではないね。今日もグリフォンであっさり来れたし」

「近いうちに伺いますよ」

「よろしく」


ホネスティのギルドタワーに向かうべく、ギルド会館を出る。

七草までには完結しそうにありません。


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