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序章
世界は四人の神々から始まる。
『創造』の神、儀子
『破壊』の女神、至禍
『秩序』の女神、燐
『時』の神、祝星
彼ら四人は『祖神』と呼ばれ、
他の神々とは比べ物にならない程強力な存在であった。
―――バランスを崩すのは常に心。
祝星の突然の死、儀子と至禍の対立。
そして神々の大戦が勃発。
…結果は儀子の勝利、至禍の一族は壊滅。
祖神を二人失い、バランスを崩し続ける世界。
世界に飽いた儀子は、自らの子を『天帝』とし世界を管理させ、
自らは世界を放浪し始めた。
一人、『天』に残った燐は天の最奥で終わりの日を見続ける。
かつての神々の大戦の時同様に、完全なる傍観者。
結局神々は直接世界を管理する気がなく、その役目は『仙士』達へと移る。
神の血を引きながら神にあらず、ましてや人でもない仙士の若者達、
後に、天の歴史に名を刻む彼らの出会いは…予想以上に可笑しかった。