あいたい。
出てきてよ
出たくない
顔見せて
見せたくない
あいたい
あいたくない
本当にあたしに『あいたい』そう 思う人間はいないの。しってるんでしょ?あなたも。
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「おーい!出てこいよ。皆まってるから。お前のこと」
待ってるわけないじゃない。
「いじめなんてたいしたことねぇよ!」
何を言うの?あんたが原因なのに。
「明日絶対来いよ」
うるさい。
「帰って!いますぐ帰って!」
窓から顔を出して言った。
中村はとぼとぼと帰っていった。
だって、あんたがいけないの。あんたがあたしを好きだって言ったから、『いじめなんてたいしたことねぇよ』そんなのあんたに言われたくない。
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あたしはまた学校に行かなかった。
「桜・・・?もう一週間よ。そろそろ学校行ったらどう?小学生のいじめなんてたいしたことないわ」
部屋のベットに寝てるあたしに母が言った。
『いじめなんてたいしたことないわ』あんたもそう言うんだ・・・。実際に受けてみなよ。そんなこと言う暇なんてないから。
「毎日中村君来てくれてるのよ。少しは話したら?あっ来たわ」
また来たの?
「さっ上がって。お茶でも飲んでゆっくりしてって」
は?上がって?何よ勝手に。ここはあたしの部屋なのに。
「おじゃまします・・・」
そう言うと、中村はミニテーブルの前に座った。
「なんで来ねぇの?いじめが怖いの?いじめが怖いなら俺がなんとかするし」
なんとかする?よく言うよ。あんたのおせっかいのせいでいじめられて、どうせ
「めんどくせー」
て思ってんだ。
「おいっ・・・何とか言え」
「うるさいんだよ!どいつもこいつも。たいしたことないって、たいしたことないなら引きこもりなんてやんねぇし!あたしの気持ち分からないくせに」
思ってる事が口から全部吐き出された。中村はびっくりしてる。引きこもりなんかにこんなこと言われてむかついてるだろーな。だけど、あたしの気持ちはこんなもんじゃない。
「言いたいだけ言えば?俺は変わらず毎日来るし。傷付かないし、ムカつきもしない」
じゃあ、あたしがこの世に存在する意味は?
「じゃあ教えてよ。あたしがこの世に存在する意味は?あたしなんてこの世にいなくても何も変わらない。そうでしょ?だれも困らない」
「いやいるよ。クラスの奴らや両親が困らなくても俺が困る。それに、意味なんていらないんだ。ただ生きたいってのも意味だろ?意味なんて考えたら好きに生きて行けない」
あたしの目から涙が溢れた。なんか、知らないけど、中村の言葉を聞いたら涙が出てきた。
あたしは多分、待ってたんだ。中村みたいな人を。さっきの言葉を。
「毎日じゃなくていい。少しずつ学校来てよ。皆、心配してるよ?わかった?」
中村はあたしを優しく抱きしめて言ってくれた。
あたしはただうなずくだけだった。
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「桜気を付けてね!後いじめられたら言いな。その子の家に電話してやるから」
「ありがとうお母さん。行ってきます」
あいたい。
初めての短編&2ページでした。最近、学校でいじめが多い?との事でかいてみました。感想&評価お願いします。