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あいたい。

作者: 奏摩鈴華


出てきてよ


出たくない


顔見せて


見せたくない


あいたい


あいたくない


本当にあたしに『あいたい』そう 思う人間はいないの。しってるんでしょ?あなたも。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

「おーい!出てこいよ。皆まってるから。お前のこと」


待ってるわけないじゃない。


「いじめなんてたいしたことねぇよ!」


何を言うの?あんたが原因なのに。


「明日絶対来いよ」


うるさい。


「帰って!いますぐ帰って!」


窓から顔を出して言った。

中村はとぼとぼと帰っていった。

だって、あんたがいけないの。あんたがあたしを好きだって言ったから、『いじめなんてたいしたことねぇよ』そんなのあんたに言われたくない。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


あたしはまた学校に行かなかった。


「桜・・・?もう一週間よ。そろそろ学校行ったらどう?小学生のいじめなんてたいしたことないわ」

部屋のベットに寝てるあたしに母が言った。

『いじめなんてたいしたことないわ』あんたもそう言うんだ・・・。実際に受けてみなよ。そんなこと言う暇なんてないから。

「毎日中村君来てくれてるのよ。少しは話したら?あっ来たわ」


また来たの?


「さっ上がって。お茶でも飲んでゆっくりしてって」


は?上がって?何よ勝手に。ここはあたしの部屋なのに。


「おじゃまします・・・」


そう言うと、中村はミニテーブルの前に座った。


「なんで来ねぇの?いじめが怖いの?いじめが怖いなら俺がなんとかするし」


なんとかする?よく言うよ。あんたのおせっかいのせいでいじめられて、どうせ

「めんどくせー」

て思ってんだ。



「おいっ・・・何とか言え」


「うるさいんだよ!どいつもこいつも。たいしたことないって、たいしたことないなら引きこもりなんてやんねぇし!あたしの気持ち分からないくせに」


思ってる事が口から全部吐き出された。中村はびっくりしてる。引きこもりなんかにこんなこと言われてむかついてるだろーな。だけど、あたしの気持ちはこんなもんじゃない。

「言いたいだけ言えば?俺は変わらず毎日来るし。傷付かないし、ムカつきもしない」


じゃあ、あたしがこの世に存在する意味は?

「じゃあ教えてよ。あたしがこの世に存在する意味は?あたしなんてこの世にいなくても何も変わらない。そうでしょ?だれも困らない」


「いやいるよ。クラスの奴らや両親が困らなくても俺が困る。それに、意味なんていらないんだ。ただ生きたいってのも意味だろ?意味なんて考えたら好きに生きて行けない」


あたしの目から涙が溢れた。なんか、知らないけど、中村の言葉を聞いたら涙が出てきた。

あたしは多分、待ってたんだ。中村みたいな人を。さっきの言葉を。


「毎日じゃなくていい。少しずつ学校来てよ。皆、心配してるよ?わかった?」


中村はあたしを優しく抱きしめて言ってくれた。


あたしはただうなずくだけだった。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


「桜気を付けてね!後いじめられたら言いな。その子の家に電話してやるから」


「ありがとうお母さん。行ってきます」


あいたい。

初めての短編&2ページでした。最近、学校でいじめが多い?との事でかいてみました。感想&評価お願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 内容も、キャラクターもすごく良いです。 が、もう少し長ければ良いなーとおもいました
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