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奴隷生活
『金や名誉といった欲望、人間は生まれつき何かの奴隷だ』
悪魔はそう言った。人間はそれに反駁した。
『そんなことはない』
『だが、すべての人間は死の奴隷だ』
「不思議なものだな」
「なにが?」
「お前も、いつかは死ぬのか」
「そりゃ、まあ、人間だからね」
「殺しても死にそうにない」
「君が相手でも、すなおに殺されるつもりはないけど」
「冗談だ。お前ごときのために、人生を棒に振るつもりはない」
「だといいけどね」
「?」
「君、気付いてないかもしれないけど、さっきから目が笑ってないよ」