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午後14時22分

いつもいっしょ。

あくびをするタイミングがいっしょ。それだけで、しあわせ。





講義の真っ最中だというのに、隣に座る彼はまるでこたつの中の猫みたいに背中を丸めて眠っている。そのまったりした空気が伝染しそうになりかけた瞼を無理矢理こじ開けてシャーペンを握った。あんぱん食べたいなあ、なんて思いながら。



「春ちゃーん…」



眠気を誘う甘ったるい低い声と、左手に触れたいつもより少しあつい指先。シャーペンを握っていた力がふにゃりと抜けた。指と指がゆっくりと絡まっていくたびに息が詰まりそうになる。こんな甘酸っぱい感覚、坂田くんをすきになってはじめて知ったの。



「おやすみ〜…」



ことばとは裏腹に、まどろんだ瞳がわたしを見つめている。机に頬っぺたをぺったりとくっつけてへらっと笑う彼のふわふわの髪の毛に触れたいなあと思いながら、繋いだ手はそのままに、つられて笑う。坂田くんがそっと視線を逸らしてつぶやく。



「あー…ぎゅっとしてー…」

「ん?牛丼?おいしいよねえ」

「…春ちゃんお腹空いてんの?」



牛丼もいいけど肉まんとか食いたくね?と、彼はやさしい牙を見せて笑った。





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