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星空の移民船団  作者: バッシー0822


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35/43

35.レーザーの光

パイロット船の中枢は、まるで八十年ぶりに肺へ空気を吸い込んだ巨人のように震え、

その鼓動がセンターコア全体へ伝わっていった。


本船:レーザー照射開始

「目標、ロックオン。発射!」


本船アーク・プロメテウスのレーザー砲塔が唸りを上げ、

主電源に凄まじいサージが走った。


照明がチカチカと点滅し、

AIが緊急モードへ切り替わる。


《警告:主電源不安定。非常電源へ移行します》


光軸が地上のパイロット船へ向けて収束し――

その瞬間。


シールド、第二形態へ変形

真帆の視界が白い光に飲み込まれた。


だが、次の瞬間、

銀色のシールドが“生き物のように”形を変えた。


円錐形の先端がさらに尖り、

光を受け止める“受容器”のような構造へと変化する。


キィィィィィン……!


レーザーが直撃した。


朔太郎が叫ぶ。


「反射じゃない……吸収している……!」


レーザー吸収 → 動力炉へ転送

シールドは光を弾くのではなく、

飲み込んだ。


そしてそのまま、

パイロット船の動力炉へとエネルギーを流し込む。


床下の巨大な炉心が、

八十年ぶりに轟音を上げて目覚めた。


《ENERGY LEVEL: 12% → 38% → 67% → 100%》


真帆は息を呑んだ。


「……動力炉が……満たされていく……!」


外の空気は加熱され、

蜃気楼のように揺らめいている。


本船側は、

攻撃の効果を測定するために数秒の静寂を置くしかなかった。


そして、美穂が現れる

スクリーンが突然ノイズを走らせ、

次の瞬間――


美穂の姿が映し出された。


白い光を背に、

どこか懐かしい微笑みを浮かべて。


「エネルギー切れだったのよ。

 ちょうどよかったわ」


真帆は震える声で言った。


「……美穂……?」


美穂は軽く首を振った。


「正確には“私の意識の断片”だけどね。

 でも、あなたの中にいるおかげで――

 ここまで来られた」


そして、静かに続けた。


「これが狙いだったの。

 本船のレーザーを“燃料”にして、

 パイロット船を完全に再起動させること」


朔太郎は呆然と呟いた。


「……まさか……

 レーザー攻撃そのものを利用するなんて……」


美穂は微笑んだ。


「彼らは私を消そうとした。

 でもそのたびに、私は強くなる。

 ――だって、彼らのエネルギーを奪えるんだもの」


真帆の背筋に、

ぞくりとした感覚が走った。


パイロット船:全機能回復

《ALL SYSTEMS ONLINE》

《TERRAFORMING MODULES: STANDBY》

《DEFENSE SYSTEMS: ACTIVE》

《COMMUNICATION HACKING SUITE: READY》


八十年ぶりに、

パイロット船は“本来の姿”を取り戻した。


美穂はスクリーン越しに真帆を見つめる。


「さあ、真帆。

 ここからが本番よ」



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