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星空の移民船団  作者: バッシー0822


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21/43

21.病院の白い光は、どこか冷たく

病院の白い光は、どこか冷たく、

真帆の胸のざわつきをいっそう際立たせていた。


自動運転車が突っ込んできたという事実は動かしようがない。

しかし――


「銀色の義手が変形して車を弾き飛ばした」


という目撃証言は、

警察には“ショックによる錯覚”として処理された。


当然だ。

誰もそんな話を信じない。


だが、真帆は知っている。

あれは現実だった。


玲奈の診察室:真帆が最も信頼できる相手は医者の玲奈だった。

診察室に入ると、

玲奈はカルテを閉じて真帆を見つめた。


「……大変だったわね。

身体に異常はないけれど、精神的なショックは大きいはずよ」


真帆は、

啓介や佳奈、小春が待合室にいることを確認してから、

小さく息を吐いた。


「玲奈先生……

私、あなたに聞きたいことがあるの」


玲奈は頷いた。


「ええ。何でも言って」


真帆の不安と疑念

「……あの事故、やっぱり“偶然”じゃないと思うの」


玲奈の表情がわずかに引き締まる。


「そう思う理由は?」


真帆は、

義手が勝手に変形し、車を弾き飛ばしたことを話した。


玲奈は驚かなかった。

むしろ、興味深そうに眉を寄せた。


「……やっぱり、動いたのね。

あの義手は、ただの義手じゃないもの」


「知っていたの?」


「ええ。

あなたの身体に移植されていた時点で、

“普通じゃない”と分かっていたわ」


玲奈は椅子に深く座り直し、

真帆の目をまっすぐ見た。


「真帆さん。

あなたは、何かに巻き込まれている。

それは間違いないわ」


啓介と佳奈の“動機”について

「啓介さんも佳奈さんも……

動機があるように見えるけれど、

あの二人がこんな計画的なことをするとは思えないの」


玲奈は静かに頷いた。


「私もそう思う。

あの二人は、嘘をつくタイプじゃない。

ましてや、あなたを殺そうとするような人間じゃない」


「じゃあ……誰が?」


「それを考えるために、

まず“美穂さんが何を知っていたか”を整理する必要があるわ」


玲奈はタブレットを開き、

事故前の美穂の行動記録を表示した。


「啓介さんにも、後で詳しく聞きましょう。

彼は美穂さんの“最後の数日”を知っているはずよ」


真帆の胸に広がる恐怖

私は狙われている。

美穂が狙われた理由を、私は知らない。

でも、義手が勝手に動いたということは――

“敵”はまだ近くにいる。


その恐怖が、

じわりと背中を冷やした。


玲奈は真帆の手をそっと握った。


「大丈夫。

あなたは一人じゃない。

私がついているわ」


その言葉は、

この世界で初めて“救い”のように響いた。


そして、待合室では――

啓介は落ち着かずに歩き回り、

佳奈は小春を抱きしめて震えていた。


だがその中に、

ひとりだけ“異様なほど静かに”座っている人物がいた。


誰も気づいていない。


その人物の視線は、

ただひたすらに――


真帆の左腕を見つめていた。



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