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星空の移民船団  作者: バッシー0822


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19.秘匿回線

タブレットの画面に浮かんだ文字は、

まるで“この世界の裏側”が突然口を開いたようだった。


秘匿回線を接続しました

真帆の手の中で、タブレットが低く震えた。


《秘匿回線を接続しました》

《最新データをダウンロードします》


その無機質な文字列は、

この場所がただの“田舎の村”ではないことを、

改めて突きつけてくる。


……秘匿回線?

誰が?

どこへ?


真帆は思わず周囲を見回した。

だが、センターコアの周囲には誰もいない。

ただ、風が古びた外殻を鳴らしているだけ。


本船との通信履歴

画面には、見覚えのある単語が並んでいた。


《本船コアユニット:応答待機》

《外殻維持班:第七区画異常報告》

《ピケットベース:通信断続》


美穂の日記にあった言葉だ。


船団本部……

ピケットベース……

外殻維持班……


そして、決定的な一文。


《本船は現在、フランティア32上空に停泊中》


真帆は息を呑んだ。


……上空に“船”がある?

それも、村全体を監視できるほど巨大な?


理解が追いつかない。

だが、ひとつだけ確かなことがある。


この村は、宇宙船の“付属区画”のようなものだ。


真帆の混乱と、小春の無邪気さ

「小春ちゃん、もうここはいいわ。

そろそろ帰りましょう」


真帆はタブレットを閉じ、

動揺を悟られないように微笑んだ。


小春は嬉しそうに手を握ってくる。


「はい、お母様」


その無邪気さが、

逆に胸に刺さる。


この子は、この世界の“真実”を当たり前に知っている。

私だけが、何も知らない。


見守る影

二人がセンターコアを離れ、

村へ戻る道を歩き始めたとき。


古びた外殻の影の中で、

ひとつの視線が彼女たちを追っていた。


その目は、

真帆の左腕――LM-01A1――に強く焦点を合わせている。


まるで、

「それは本来、私のものだ」

と言わんばかりに。


真帆はまだ気づかない。


だが、

“美穂の死”に関わった者が、

すでに彼女の存在を察知していた。



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