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星空の移民船団  作者: バッシー0822


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12/13

12.真帆が選んだ“信用できる人”

退院後の慌ただしさが少し落ち着いた頃、

真帆はようやく自分の中の違和感を整理し始めた。


銀色の何かに掴まれたという証言


意識のないまま車に押し込まれたという不可解な状況


軍事レベルの義手が“偶然”傍らに落ちていたこと


小春の存在


美穂の周囲の人々の“微妙な沈黙”


どう考えても、事故ではない。


「……事件だわ。誰かが美穂を狙った」


そう確信したとき、

真帆が頼れる相手はひとりしかいなかった。


久遠玲奈。


医師であり、冷静で、

そして何より“美穂に対して感情的な利害がない”。


玲奈に相談する真帆

診察室の扉を閉めると、

真帆は深く息を吸い、玲奈に向き直った。


「……玲奈先生。

私、事故じゃなくて……事件だったんじゃないかと思うの」


玲奈は驚かなかった。

むしろ、興味深そうに眉を上げた。


「ようやく、その可能性に気づいたのね」


「気づいたのね?」


「ええ。あなたの話を聞いてから、ずっと気になっていたの。

美穂さんの事故には、説明できない点が多すぎる」


玲奈はタブレットを開き、事故当時の記録を表示した。


「銀色の何かに掴まれた、という目撃証言。

車に押し込まれた直後の衝突。

そして、軍事義手の存在」


玲奈は真帆の左腕を軽く指で叩いた。


「……これは“偶然”で片付けられる代物じゃないわ」


真帆は息を呑んだ。


玲奈の提案:啓介に聞け

「でも……私、美穂さんのことを何も知らないの。

事故の前に、何があったのかも」


玲奈は少し考え、

真帆の目をまっすぐ見た。


「だったら、聞くべき相手がいるでしょう?」


「……啓介さん?」


「そう。

彼は美穂さんの“夫”だった。

事故前の行動を知っている可能性が高い」


玲奈は椅子に背を預け、静かに言った。


「あなたは“美穂”として生きている。

なら、夫に聞くのは自然なことよ」


真帆は緊張した。

啓介は優しいが、まだ信用しきれない。


しかし、玲奈の言葉は正しかった。


啓介への質問

その日の夜、

真帆はリビングで啓介に向き合った。


赤い太陽の光が窓から差し込み、

部屋の空気を淡く染めている。


「ねぇ、啓介さん。

美穂さん……事故の前に、何か変わったことはなかった?」


啓介は驚いたように目を見開いた。


「変わったこと……?」


真帆は静かに頷いた。


「ええ。

仕事のことでも、家のことでも……

何でもいいの。

気になることがあったら教えて」


啓介はしばらく黙り込んだ。

その沈黙は、何かを思い出している沈黙だった。


そして――


「……あったよ」


真帆の心臓が跳ねた。


啓介はゆっくりと続けた。


「事故の数日前から……

美穂は“誰かに追われている”と言っていた」




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