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俺がイルカに連れていかれたのは水族館。
正確には水族館みたいな場所。
外側にはイルカのイラストが書かれている。
様々な水棲生物のイラストも書かれている。
イルカが水族館を開いてるってなんか変じゃない?
でも、人間が動物園をやってるなら普通か。
なんの衝撃もなく着地した。
特別な技術が用いられている感じ。
イルカなのにどうやって物作ってるんだろ。
手先が器用なことだけが人間の武器じゃないの?
それすらイルカに取られたらなんにもないよ。
俺はそのままジェッパイルカに連れられて中へ。
不安で仕方がなかったが、考えても無駄だ。
抵抗することはできない。
できるのは気持ちを整えることだけ。
ちゃんとせぇー。
「キィー、キィー」
「ピィーピィー」
中に入る前に受付と会話をしたイルカ。
どんなことを話しているのか。
その顔から表情は読み取れない。
俺の考えてることも向こうにはわからないのか。
違う生き物だから仕方がない。
そう考えると人間同士って結構分かり合えてたんだなぁ。
水族館の中は本当に水族館みたいだった。
暗めの証明に青色の光。
入ってすぐに見える大きな水槽。
そこにはサメやイワシなどの魚?がいた。
イルカの経営する水族館だ。
イルカアクアリウム。
そのままイルカに連れられること数分。
水槽を眺めながらだったのでよかった。
よくないけど。
従業員専用のドアをジェッパのイルカが開ける。
そのドアにはドアノブがなかった。
イルカが手をかざしただけでそれは開いた。
その先にあったのはコンクリートの踊り場だった。
上と下へ向かう階段がそこにはある。
イルカちゃんは下へ向かう階段を選んだ。
なんか怖いから上に向かってほしかった。
別にどっちでも変わらないが。
ちなみに階段も普通ではなかった。
スロープみたいに斜めになっているのだ。
そもそも、二足歩行のイルカは不思議だ。
二本の足の先はちゃんと足ビレみたいになっている。
めちゃくちゃ歩きにくそうだった。
こんな進化をすることもあるんだなぁ。
生き物って本当に不思議ね。
不思議すぎて逆に理解が及んでいる。
いや、ウソ。
全然なにがなんだかわかってないよ。
イルカはとある鉄の扉の前で立ち止まる。
そして、俺の方を“チラッ”と見た。
なんか不安そうな顔をしていた気がする。
わかるわけがないから気がするだけな気がしている。
それとも、やっぱり知的生命体同士、通じ合えたりするのか。
ジェッパさんはその鉄の扉に手をかざす。
そして、その中へと入ろうとするのだったぁ……
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