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「あ、す、すみません……」
「ピィー?ピィー」
未だに中空を漂っているイルカ。
本当に向こうからしたら犬が喋り出してるのと同じかもしれない。
まぁ、言語が違うから話はちょっと変わるのかもしれないけど。
そんな状態が続いていると向こうが耳をヒレで抑えだした。
そして、小さな声で「ピーピー」鳴いている。
どこかに通信しているようにも見えた。
あんまり見えないが耳の辺りにイヤホンのような機械があるのだろう。
それぐらいの機械があったところでもう驚くことはない。
てか、なんだったらいきなり日本語喋り出しても驚かない。
いや、嘘、それはさすがに驚く。
しばらくなにもしていない沈黙の時間。
そんなことをしている間に周囲にはたくさんの人。
ではなくてイルカが集まっていた。
みんないろんな服を着てお洒落だった。
中にはサングラスとタトゥーをしているイカつめイルカもいる。
この世界にも半グレみたいな人、ではなくてイルが居るのだろうか。
“ビビビビビーー!ビュシュッ!!”
「な!なんですか!な、なんだこれ!」
「ピィー!ピピピー!」
浮いていたイルカは懐からピストルを取り出した。
そして、それの引き金を引き、“ビビビビビ”と輪っかの光線を出す。
ホントに水族館でイルカが出すみたいなリングを出してきた。
しかもピンクの光線。
それは空中で広がって“ビュシュ!”と俺の身体を包む。
包むというか縛る。
身動きが取れなくなった俺はなにもすることもてきずに突っ立つ。
拘束された俺を見て近寄っていたジェッパイルカ。
もしかして、見た目は可愛らしいけど怖いことしたりする?
身体の自由が奪われると急にめちゃくちゃ怖くなってきた。
さっきまで“ボーッ”としてたけど命の危機だ。
命乞いでもしたいけど、でも、声出したらまた怪しまれる。
これはもう委ねるしかないみたいだな。
そんなことを思っているとジェッパイルカが持っていたピストル。
それから紐のような物が延びてきて俺を縛っているリングと繋がった。
「うわぁぁぁあ!!ちょっと待ってくれぇぇ!!」
そしてその状態のままジェッパさんは空中へと飛び立った。
なので、当然のように紐に繋がれた俺も空中を飛ぶ。
なんかお散歩させられてるみたいだ。
て、そんなこと考えてる場合じゃないけどさ。
顔で風を切っていく。
そのときにこのイルカが宇宙服みたいな服を着ている理由がわかった。
痛い!風が顔に当たって痛い!
それにめちゃくちゃ冷たい!
なんか瞳が死ぬほど乾くんですけど!
てか、どこに連れてかれてるんだよ!
評価や感想をくれると失踪しない可能性が高まります




