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8話:スタッフへの最終調整(新能力の定義)

 ーー 能力付与の定義


 世界を支配するためには、スタッフの能力を最大限に引き出す必要がある。以前の「チョロ善田中」なら、優しさで彼女たちを支援しただろうが、今の俺は冷酷な支配者だ。彼女たちの欠点すらも戦闘力と奉仕精神に変換する。


 俺はハルカ、アヤメ、セシリアの特性に合わせ、新たな「ご都合能力」を定義した。


 俺:「ハルカ、アヤメ、セシリア。お前たちの能力を、俺の『キャバクラ』の運営と防衛に最適化する」


 ーー 情報担当ハルカ:『緊急脱出ワープアレイ


 俺:「ハルカ。お前の臆病さとゲーム知識は、戦場では致命的な欠点だ。だが、それを絶対的な生存能力に変えてやる」


 ハルカ:「ひぃ……! サトル様、これ以上露出度を上げないでください! (私、弱くてごめんなさい……!)」


 俺:「露出度は現状維持だ。お前に『緊急脱出ワープアレイ』の能力を定義する。お前の恐怖レベルが限界を超えたとき、お前がゲーム知識で把握している最も安全な座標へ、パーティー全体を瞬時にワープさせる能力だ」


 ハルカ:「えっ……私のパニックが……ワープに? (うわぁぁん、でもこれで、サトル様を逃がせるなら……!)」


 アヤメ:「素晴らしい……! 恐怖という不安定なパラメータをトリガーに、座標変換を行うなんて……! 論理的ではないが、極めて効率的ですわ!」


 ーー 情報戦略室長アヤメ:『概念物質化(プロトタイプ生成)』


 俺:「アヤメ。お前の知的探求心と量子物理学の知識は、最高の武器だが、危険な実験癖は許容できない」


 アヤメ:「残念です。サトル様の『存在の定義』を、私の肉体で試せれば、楽園の最適化がさらに進むのに……」


 俺:「黙れ。お前には『概念物質化(プロトタイプ生成)』を定義する。お前の頭脳が理論的に構築した物質や機構を、不安定ながらも数分間だけ現実世界に具現化させる能力だ」


 アヤメ:「理論を物質化!?  崩壊する前に観測すれば、サトル様のチート能力の原理にさらに近づける……! (ふふふ……この支配、最高ですわ……!)」


 ーー 最強の用心棒セシリア:『絶対服従の結界フォースド・オベディエンス


 俺:「セシリア。お前の屈強な武力は、俺の要塞を守る最高の壁だ。だが、ボーイどもの接客指導にはまだ愛が足りない」


 セシリア:「愛だと? 私は武人だ! 貴様の悪趣味に付き合う屈辱など、最高の鞭として受け止めよう! だが、愛など……!」


 俺:「嘘をつけ。お前は支配と規律を愛している。お前に『絶対服従の結界フォースド・オベディエンス』を定義する。お前の厳格な指導が結界となり、その内部のスタッフ全員に『サトル・タナカへの奉仕』を絶対的な義務として植え付ける」


 セシリア:「くっ……私の武人の規律が、奉仕の結界に……! (し、躾……! 最高に屈辱的……! もっと! もっと厳しく指導しなければ……!)」


 ーー 究極の日常への回帰


 こうして、俺の絶対王政キャバクラは、最高の能力と最高の残念さを持ったスタッフによって運営されることになった。


 俺は王座に座り、紅茶を啜る。


 セシリアが『絶対服従の結界』を発動させ、ボーイたちが極限の集中力で訓練に励んでいる。その隣では、アヤメが『概念物質化』で生み出した不安定なシャンパングラスのデータを、目を輝かせながら解析している。そして、ハルカは少し離れた場所で、次のターゲットのゲーム知識を調べているが、たまに不安で震え、ワープしないかと俺をヒヤヒヤさせている。


(内心:完璧だ。この緊張感とカオスこそ、俺の求めていた最高の楽園だ。さて、次は世界の創造主の番だ。その『存在の定義』を、根底から書き換えてやる)


 ーー 楽園防衛戦(能力調整後の初陣)


 静かな夜の日常は、突然の警報で破られた。聖典議会が懲りずに送り込んできた「転生者狩り」用の魔物が、要塞の絶対防衛領域の境界に到達したのだ。


 ハルカ:「ひぃ! サトル様! ゲーム知識によると、この魔物は『存在の否定』に耐性があります! そして、数は……! ひぃぃぃ、ワープ、ワープさせてください!」


 ハルカは恐怖のあまり泣き叫び、全身が激しく震え始める。その瞬間、彼女の『緊急脱出ワープアレイ』が発動しかけ、要塞内を白い光が一瞬包み込むが、すぐに収束した。ワープは起こらなかった。


 俺:「落ち着け。お前の恐怖レベルは、まだ『極限』ではない。それに、ワープさせるのは俺の許可が出てからだ。お前は敵の正確な位置を把握しろ。これは訓練だ」


 ハルカ:「は、はい! (ううう、世界が滅ぶより、サトル様に怒られる方が怖いぃぃ!)」


 ハルカは泣きべそをかきながらも、ゲーム知識から敵の弱点と進行ルートを正確に予測し、アヤメに伝える。


 アヤメ:「敵の耐性、理解しました。ならば、概念を物質化しますわ。データ収集の絶好の機会です!」


 アヤメは狂喜の笑顔で『概念物質化(プロトタイプ生成)』を発動。要塞の外壁に、理論上は存在しないはずの、「空間座標を瞬間的に凍結させる『量子破砕砲』」が生成された。しかし、理論が不安定なため、砲身は激しく火花を散らし、いつ爆発してもおかしくない。


 アヤメ:「セシリア! 私を護衛してください! この砲の安定性はマイナスです! 3秒以内に撃ちますわよ!」


 セシリア:「ちっ! 私の武力を、こんな爆発物の護衛に使うとは! 最高の屈辱だ! だが、主の命令と規律のため……耐え難い屈辱に耐えてみせよう!」


 セシリアは『絶対服従の結界』を発動させ、ボーイたちを盾にしつつ、量子破砕砲の側に立つ。


 セシリア:「ボーイども! この砲が客(サトル様)の命を守る! 砕け散るまで、微動だにするな!」


 そして、アヤメが叫んだ。


 アヤメ:「撃てぇ!  崩壊する前にデータを取りますわよ!」


 理論上の兵器が放たれた瞬間、量子破砕砲は激しい轟音と共に自壊したが、その一瞬で放たれた空間凍結の波が、要塞のシールドに接触した全ての魔物を時間ごと凍結させた。魔物たちは、そのまま光の粒子となって消滅した。


 戦闘はわずか5秒で終了。サトルは、グラスを置くことすらせずに、この茶番劇を冷徹に観察していた。


 俺:「悪くない。三人の欠点が、俺の防衛システムとして完璧に機能したな」


 勝利の安堵と、奉仕を完遂した喜びが、三人を襲う。


 ハルカ:「うう……サトル様! 怖かったけど、ワープせずに任務を遂行しました!  (えらかった、私! ワープしなかったよぉ!)」と、涙目で俺の黒いコートの裾を引っ張る。


 アヤメ:「サトル様! 崩壊前のデータが取れました! これで次世代の兵器……いえ、接客用ロボットの概念が掴めます! (この興奮……最高の奉仕ですわ!)」と、熱狂的に報告する。


 セシリア:「フン。汚らわしい量子砲と無能なボーイどもを使ったが、勝利は勝利だ。武人の規律は守った。(ああ、サトル様の冷たい視線……最高の報酬だわ……)」と、膝をつき、恭順の意を示す。


 こうして、俺の絶対王政キャバクラの運営システムは、実戦を通じてその有効性を証明した。次の獲物は、中央大陸。さらなる優秀なスタッフと世界支配のために、俺は再び立ち上がる。

お読みいただきありがとうございます。

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