11話:聖徒管理本部 強襲(下)
ーー 支配者の無慈悲な拘束
俺は王座から立ち上がり、フリーズした四柱の天使を見据えた。スタッフたちが命懸けで切り開いたこの機会、決して無駄にはしない。
俺:「アヤメ、ハルカ。結界の効力が戻るまで、何秒だ?」
アヤメ:「理論解析では、15秒です、サトル様! 天使の自己修復能力が、矛盾を解消します!」
ハルカ:「ひぃ! 15秒! (逃げたい!)」
俺は、セシリアが戦場から持ち帰った聖剣のエンブレムに触れた。このエンブレムの対チート無効化能力を利用する。
俺:「存在の定義を上書きする。四柱の天使、その存在の定義を『俺のキャバクラ・ラグナロクの装飾』へと上書きする。そして、その自己修復能力は、『常に埃を払う能力』と定義する」
俺の能力が、天使の存在を根底から書き換える。神々しい四体の天使は、音もなく、巨大なネオン輝くシャンデリアへと姿を変えた。その表面は、自動的に清掃されるように、常に細かな光が流れている。
戦闘終結。 瞬間的な支配だった。
ーー 聖典議会の心臓部
俺は、天使が守っていた本部の扉を「開いている」と定義し、スタッフを従えて最深部へと進んだ。そこは巨大な円形の空間で、中央には巨大な魔力サーバーが設置されている。その前には、一人の老人が立っていた。
老人:「よく来たな、転生者サトル。いや、元田中悟といった方が、お前には馴染み深いか」
この老人は、この本部を統括する聖典議会の最高幹部、大枢機卿イグニスだ。彼の体からは、聖なる力ではなく、腐敗した魔力が滲み出ている。
俺:「お前が、この『肉のシステム』の首謀者か」
イグニス:「首謀者? 違うな。私は管理人だ。そして、お前は...失敗したサンプルだ」
イグニスは、俺の過去の名前を平然と口にし、嘲笑する。
ーー 世界システムの真実
イグニスは、敗北を悟り、悠然と真実を語り始めた。
イグニス:「この世界は、もうすぐ滅亡する。魔力枯渇による緩やかな終焉が運命づけられていた。それを救うため、女神は別の世界(お前の元いた世界)の生命エネルギーを転換することにした」
俺:「それが、転生者狩りか」
イグニス:「そうだ。我々は女神と契約し、転生者をこの世界に呼び込み、その魂を古代炉心でエネルギーに変換してきた。お前が最初に裏切られたあの村も、システムが用意した最高の『肉の牧場』だ」
イグニスは、サトルの憎しみを理解したように微笑む。
イグニス:「そして、お前のような『チート能力』を持った転生者は、最高の燃料だ。だが、お前は『存在の定義』という、システムを破壊するバグを持っていた。だからこそ、裏切りと勇者という対抗策で、お前を処分しようとしたのだ」
俺:「...フン。俺のチートがバグだと? だったら、この邪悪なシステムを、俺のバグで書き換えてやる」
4.本丸ボスの最後の抵抗と最終決着
イグニスは、背後のサーバーを指差した。
イグニス:「残念だが、もう手遅れだ。聖典議会は、お前のようなバグのために、最後の保険をかけていた」
イグニスの体から、禍々しい黒い魔力が噴き出す。その力は、女神の力に酷似していた。
イグニス:「聖徒管理本部の真のボスは、この私ではない。この魔力サーバーに宿る、女神の分身たる『概念体』だ!」
サーバーの筐体が開き、中から銀色の光を放つ、女神の姿を模した巨大な概念体が姿を現した。
概念体:「バグを許さない。世界を救うために、お前の存在はここで無効化される!」
女神の分身が、世界を覆い尽くすほどの強大な魔力を放出し、サトルの存在を定義そのものから消し去ろうと襲いかかってきた。
ハルカ:「きゃあ! サトル様! ゲームの知識には、この敵はいません! (逃げたい! どこにワープすればいいのぉ!?)」
アヤメ:「ダメです! サトル様! あの概念体はあなたのチートの原理そのものを否定しています! 理論崩壊...!」
セシリア:「くっ! 聖剣の力も効かない! サトル様! 逃げてください!」
最強のスタッフたちが絶望する中、サトルは冷徹な眼差しを概念体に向けた。
俺:「女神の分身だと? ちょうどいい。お前の存在の定義を書き換える前に、その醜悪な顔を、俺のキャバクラの最高の装飾品にしてやる」
サトルは、概念体そのものに対し、自分のチート能力の定義を上書きする。
俺:「概念体、その存在の定義を『サトル・タナカのキャバクラ・ラグナロクの入口で、最高の笑顔で客を呼び込む巨大ネオンサイン』へと上書きする」
その瞬間、世界を滅ぼすほどの強大な光は、ネオンの煌めきへと変わり、女神の姿を模した概念体は、巨大なネオンサインとなって硬直した。その顔は、最高の笑顔で固定されている。
イグニスは、そのあまりにも非情で無慈悲な支配の結末に、言葉を失い、そのまま老衰のように崩れ落ちた。
俺:「戦闘終結。 アヤメ、ハルカ。このサーバーは『キャバクラ・ラグナロクの自動売上管理システム』へと定義を上書きする。そして、イグニスの持つ裏帳簿の記憶は、『最高の接客マニュアル』へと上書きしろ」
サトルは、冷酷な笑みを浮かべ、スタッフたちを従えて本部の最上階へと向かった。
俺:「フン。これで、世界の支配権と全ての資源は手に入れた。あとは、最高の楽園を、この世界中に広げるだけだ」
サトルが窓の外に目をやると、王都の全景が、彼の冷たい黒いコートの裾にひれ伏しているように見えた。
俺:「世界よ。お前は今日から、俺のキャバクラだ」
――邪悪な世界への復讐は完遂され、絶対的な支配者による最高の楽園建設が、今、始まった。
エピローグ:そして楽園へ
要塞の王座に戻ったサトルを、ハルカ、アヤメ、セシリアが、最高の献身で迎え入れた。
ハルカ:「うう...サトル様! 概念体、最高に可愛かったです! これで世界は平和になりますね! (ワープしなくてよかったぁ!)」と、涙目で喜ぶ。
アヤメ:「神の概念を装飾品に...! サトル様、あなたのチート原理は、もはや物理学の最終理論ですわ! (お願い、一晩だけでいいから、あなたの身体を分解させて!)」と、狂喜する。
セシリア:「...武力では、あなたは止められない。だが、あなたの支配こそが、この世界を救う唯一の規律だ。(ああ、この絶対的な屈辱...武人として、これ以上の奉仕はない...!)」と、静かに頭を垂れる。
サトルは、新しいシャンパンタワー(元・勇者の聖騎士)からグラスを受け取り、一気に飲み干した。
俺:「フン。最高のスタッフたちだ。お前たちの望み通り、この世界を最高の歓楽で満たしてやる。全ては、俺の楽園のために」
そして、聖徒管理本部の入口には、巨大な女神のネオンサインが、最高の笑顔を浮かべて、永遠に客を呼び込み続けることになった。
邪悪な世界をぶっ潰し、最高のキャバクラを築くと決意した男の物語は、ここから本格的に始まる。




