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第6夜 「仲直りはベッドの上で」

「それじゃあ行こうか」私はレナと共に男を荷台に積むとレナの運転で地下のガレージから出た。


「あの男どうするの?」


「今から取引先のスタンリーさんの所に運ぶんだ、そこでこのクズを買い取って貰うんだよ」レナはサラッととんでもない事を言った。


地下を出ると時間も昼前になっており通勤しているサラリーマンや、散歩する老人、ランニングする女性などありふれた日常が広がっていた。


「レナ大丈夫?」


「何が?」


「昼間から荷台に血塗れの男を乗せてるなんて警察に見つかりでもしたら」私が心配するとレナは軽く笑って言った。


「大丈夫だよ、この街はマリアの息が掛かっているから誰も私達に逆らえないよ」改めてオーナーであるマリアの凄さを感じさせる話だった。


「レナは何でバニーズ•ガーデンで働いているの?」私はレナの事を何も知らないのでそれとなく聞いてみた。


「話せば長いんだけど目的地まで時間もあるし丁度良いか、分かった少し私の話をするね」私はレナの話を聞いた。


「つまりレナにとってオーナーとアンナさんは恩人でもあるんだね。」私はレナの生い立ちを聞き自分がどれほど恵まれていたか再確認した。


「そ、でもだからといって今朝見たいなふざけた態度は許せないんだけどね」レナは静かにだが怒りを感じさせながら言った。


「あれは流石にオーナーが悪いよ私も同じ立場なら怒ったよ」私はレナの意見に賛成だった。


「それにねマリアって私が止めてって言っても、「君私の事誘ってるでしょう?」て言って更に激しくするんだよ?」私はレナとオーナーの夜の話を聞き赤面していた。


「あ、ごめんソフィアこう言った話苦手だった?」レナが申し訳なさそうに言った。


「ううん、でもいつか私もオーナーとするのかなって思うと他人事だと思えなくて」私は赤面したまま下を向く。


「本当に嫌ならマリアも無理矢理はしないよ、まあ朝の姿を見たら信じられないと思うけど」レナが説得力に掛ける反応を見せる。


すると突然荷台から暴れる音が聞こえる。


「チッ、静かに寝てれば良いのにソフィアこのボタン押して」私はレナに渡されたボタンを押したすると荷台に電流が走り暴れる音が聞こえなくなった。


「これで静かになったね、話の続きだけど、マリアはああ見えて絶対に女の子の嫌がる事はしないから心配しないで、それにいざとなったら私やアンナさんが居るから大丈夫だよ」レナの言葉を聞き私は少しホッとした。


街から離れて2時間弱私とレナは郊外にある農場に来ていた。


「着いたよ、それじゃあ私は荷台から降ろすからソフィアは家に行ってスタンリーさんを呼んできて」


レナがそう言って車から降りて荷台に向かった。


私も車から降りて家に向かいドアをノックした。


「ごめんください、バニーズ•ガーデンから荷物をお届けに来ました。誰か居ませんか?」ノックしたが返事がなかった。


「居ないのかなレナを呼ぼうかな」私がレナを呼ぶために振り向いた瞬間。


「お前さん何者だ?」


振り向いた瞬間冷たく硬い物が私の首元に当てられていた。


「スタンリーさん!その子私の連れのソフィア!バニーズ•ガーデンに入ったばかりの子なの!」レナが慌てて来たお陰で私は助かった。


「レナあ!」私は直ぐに老人から離れレナに抱きついた。


「ごめんね怖がらせちゃって」レナが私の頭を優しく撫でる。


「レナかいやぁすまんな最近農場の周りをウロチョロする輩が多くてな、お嬢ちゃんすまなかったね」


スタンリーが頭を下げる。


「ソフィア紹介するねこの人がうちと取引しているスタンリーさん、これから会う機会も多くなると思うから挨拶してね」レナに慰められ私はスタンリーに挨拶した。


「初めまして」私がそう言うと老人も自己紹介を行う。


「初めましてお嬢さんワシはスタンリー•マクレーン何か入り用なら何時でも言ってくれ安くしとくよ」老人が笑顔で言った。


私とレナは荷台から男を蹴落とすと男が目を覚ました。


「随分と活きが良いな、フム身長は180前後歳は32,3人種はネグロイドの男で筋肉質で、従軍経験ありか」スタンリーは男の身体を調べ特徴を言っていく。


「凄いね全部当たりだよ」レナが感心して言った。


「でも従軍経験ありって何で分かるの?」レナがスタンリーに聞くと男の手を見せてきた。


「手の指にタコができてるだろう?これは銃を長年握っていると出来る独特な物だ。これを見て判断したんだよ」私とレナがその説明を聞いて感心していると。


「今回は少々色をつけて3500でどうだ?」


「それでいいよ、マリアには言い値で売るように言われているから。」


「それじゃあ何時もの口座に振り込んでおこう、それじゃあ帰り気を付けてな」スタンリーはそう言って暴れる男に薬を打つと、口笛をならすすると家から2メートルはありそうな大男が現れ担いで運ぶ。


「それじゃあまたくるねスタンリーさん」


私とレナが立ち去ろうとした瞬間。


「待ってくれこれをマリアに頼まれていたんだ。」


そう言ってスタンリーが小さな箱を持って来た。


「これをマリアに渡してくれ」


私達は箱を受け取ると車に乗って店に帰った。


「ただいま」店に帰るとマギーとアンナが出迎えてくれた。


「おかえりなさい二人共疲れたでしょう?今日はもう休んでいいよ?」アンナが優しく言ってくれた。


「アンナさんマリアは?」レナが聞くと。


「レナ、私の為にオーナーと喧嘩したんだって?」


マギーが言った。


「うん、流石にマギーに対して酷いと思ってね一言言ったんだ」レナが答えるとマギーが優しくレナを抱きしめる。


「ありがとうレナ、お陰で久しぶりにオーナーに愛してもらえたよそれにオーナーは変わらず私を愛してくれているって、再確認できたんだこれもレナのお陰だよ」マギーにそう言われレナは少し照れていた。


「そう言えばアンナさんこれオーナーに渡してくれって頼まれたんですよ」私はアンナにスタンリーからの預かり物を見せた。 


「それね前からお願いしてたのそれじゃあレナちゃん」


「何?アンナさん」「帰って来て直ぐで悪いんだけどこれ姉さんに届けてくれる?」アンナが箱をレナに渡しながら言った。


「マリアは何処に居るの?」


「姉さんなら部屋に居るはお願いできる?」


「分かったよアンナさん」レナ何かを察した様子で答えた。


「私も行きますよ、レナ一人に任せっきりじゃあ悪いし」私がそう言ったが。


「ありがとうソフィアでも心配しないで、それにソフィアも疲れてるだろうし先に休んでて」


「せっかくだし私とマギーとご飯でも行かない?夕食まだでしょう?」


「そうね行きましょうよソフィア?」


アンナとマギーが私を誘って来た。


「ならお言葉に甘えて、レナ今日は遅くなる?」


私が聞くと「うん、朝まで掛かるかな」


レナがそう言ったのを聞いて私も分かったと頷きアンナさんとマギーさんと食事に出かけた。


アンナさんに頼まれて私はマリアの部屋に来ていた。一人で来るのはあの夜以来だった。


「お邪魔します」私は中に入ると真っ直ぐに寝室に向かった。そしてドアの前に立つとノックする。


「入っていいよ」私はその言葉を聞きドアを開けて入った。


部屋に入るとマリアはベッドの中でうずくまっていた。


「マリア今朝はごめん流石に嫌いだなんて言いすぎたよ」私が言うと。


「謝る必要は無いよ元はと言えば私のせいだからね」


マリアはベッドから答える。


「でもこれだけは言わせてくれ私は確かに、普段いい加減な所もあるが本当にバニーズ•ガーデンの皆を愛しているんだそれだけは嘘じゃない」マリアがそう言って起き上がる。


マリアは何時ものキッチリしたスーツ姿ではなく。


白いシャツ一枚を羽織って髪を卸したラフな格好だった。


私はその姿を見て少し見惚れていた。本当に黙っていれば綺麗なのに私は心の中で呟く。


「これスタンリーさんからマリアに渡す様に言われたんだ。」私がマリアに渡そうとしたが。


「レナ、開けて見てくれ」マリアが私に言った。


「え?でもこれマリアのじゃ」マリアは黙って私を見てくる。私はマリアの指示に従い開けた。


中には一枚のメッセージカードとペンダントが入っていた。


「愛しのレナに愛を込めて、これって」私がマリアを見るとマリアが言った。


「君が私と出会って今日で5年経つだろ?だからその記念に贈り物を渡したかったんだ。」


ペンダントを見るとウサギをかたどったアクセサリーが付いていた。


マリアがそのペンダントを取り私に付けてくれた。


「とっても似合ってるよレナ」マリアのその言葉を聞き私は不意にマリアにキスをした。


「ペンダントのお礼だよありがとうマリア」私がキスをした後笑顔で言うと。


マリアが無言で私を抱きしめベッドに寝かせた。


「あの時の続きをしてもいいかい?」マリアが覆いかぶさって聞いた。


「それじゃあベッドの上で仲直りだね」私はそう言ってマリアのシャツのボタンを外した。


そしてマリアも私の服を1枚ずつ脱がせる。


そしてお互い生まれたままの姿になり私は改めて言った。


「今度は優しくしてね」


「君相変わらず私を誘うのが上手いね」


私達は軽く笑うと熱い口づけを交わした。


第6夜 完 


次回第7夜に続く





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