第3夜 「朝の日課」
「全く!流石にやり過ぎですよ姉さん?」
そう言って、アンナに叱られながら、オーナーであるマリアが正座して聞いていた。
「ごめんよ、彼女余りにも隙だらけでさ、思わず我慢できなくなっちゃて」
「だからと言って!ベッドに押し倒して、ソフィアちゃんの身体を触りまくった挙句に、手を出そうとするなんて!そんなの予定に無かったでしょう!」
その言葉を言ってしまい、アンナがしまった!と言う顔をした。
「予定?何の話ですか?」
「えっと、つまりね、その〜」
「私から説明するよ」そう言って、居なくなった筈のレナが現れた。
「え?レナ!?何処に居たの?心配したんだよ!」
そう言って、私はレナを抱きしめた。
「ちょっと!ソフィア、苦しいから」
「ああ~良いな!私も参加したいな」
「姉さん!反省してるんですか!」
そう言って、場が落ち着いた後にレナが説明してくれた。
「ごめん、ソフィア!実はこれ、貴方を試す為に、貴方以外に口裏合わせってやってもらったの」
「え?何?なんの事?」私が困惑していると。
「つまり、貴方の適性を見ていたの」とアンナが言った。
「適性?ですか?」
「そうなの、レナちゃんの相方として貴方を雇ったんだけど、レナちゃんと共に行動すると言う事は、それだけ危険がまとわりつくの」と言うと。
「だから、今回貴方が、不足の事態に陥った際にどう対処するか、後、その事態が起きた際の貴方のメンタルを確かめたかったの」
「それじゃあ、オーナーが敵役になって、私とレナが分断された際に、私がどんな対処をするか、後その際の精神状態を見ていたんですね」
「そうなのよ!やっぱり貴方をレナちゃんの相方に選んで良かったは!」と嬉しそうにアンナが言った。
「じゃあ、オーナーは私を試す為に襲う振りをしただけなんですね?」そう聞いたが皆黙り込んでしまう。
「残念だけど、あれは、」とアンナが言いかけたが、それをマリアが遮った。
「冗談じゃない!私はいつだって女の子に手を出す時は本気さ!後さっきも言ったけど、私の事はマリアとよんでくれ!」とマリアがせっかく収まりそうな場をさらにカオスにした。
「え?つまり、お、マリアさんは私に本気で手を出そうとしたんですか?」と私はレナの後ろに隠れながら言った。
「逃げないでくれ!確かにいきなりでビックリしたかも知れないけど、私の愛は本物なんだ!でもその軽蔑する目は正直そそられちゃうな、レナもそんな目で見るなんて、もう私は!」そう一拍置き。
「我慢できいじゃないか!」そう言って私達に飛び掛かってきたのだが、
「いい加減にしろ!」
「いい加減にしろ!」
そう言って、レナとアンナさんに蹴り飛ばされた。
「それじゃあ、トレーニングに入っていくはね」
地下のトレーニング場にて訓練がは始まった。
そして、部屋の隅には手錠を掛けられ、ぐるぐる巻きにされたマリアが伸びていた。
「馬鹿姉があんな状態だから、今日は私一人で見るね、ソフィアちゃんは、初日だから今日は見学ね」と
アンナが優しく言ってくれた。
「それじゃあ、まずレナちゃん、腕立て100回3セット、2分以内でやってみて」
「分かったよ、アンナさん」そう言って、レナが位置に着くと「始め!」アンナの号令と共に始まった。
「じゃあ、これでウォーミングアップ終わりね」
「ええ!?毎日これをやっているんですか?」
レナは時間通りに、腕立てを終わらせた後、続けて、腹筋、懸垂、そして、シャドーを同じセット、同じ時間内に終わらせた。
「それじゃあ、次は模擬戦だね」そう言って、アンナはレナに訓練用のゴムのナイフを渡す。
「当たったら電流が流れて色が付くからね」
「今日こそはアンナさんから一本取りたいな」
そう言って、始まった。
レナの構えは逆手に持って、顔の上で揺らしながら構えている。
一方アンナさんは普通に持って、腰の当たりに置いていた。
「は、!」そう言って、仕掛けたのはレナだった、レナの切っ先はアンナの腹部を狙ったが、
「バレバレだよ?レナちゃん」そう言って、ナイフを捌くと、その瞬間、顔目掛けて飛んできたレナの蹴りを止めて、そして、そのままレナの足を掴むと引っ張り、バランスを崩して倒れたレナに馬乗りになり、首元にナイフを近づけて言った。
「今日も私の勝ちだね、レナちゃん!」
「ハァ、ハァ、やっぱり敵わないな」
そう言って決着が付いた。
「こんな感じで、今日のトレーニングは終わりよ、今日はナイフだったけど、他の日には射撃や体術も教えるよ」とアンナが言った。
「毎日こんな事やってるんですか!?」
「まあね、私はここに来てから3年間やってるよ」
そう言って、レナがスポーツドリンクを飲んで汗を拭く。
「私にもできるかな、」と心配になっていたが。
「大丈夫!最初から出来る人なんていないは!私が毎日ソフィアちゃんに合わせたメニューを作るから、心配しないで」と優しく笑顔で言ってくれた。
「そうさ、心配ないよ、私もしっかり教えるからね、因みに個人レッスンも受け付けているから、今夜にでも私の部屋に」といきなりマリアが私を後ろから撫でながら言った。
「また、手を出してるのか!馬鹿姉、今日こそホッチキスで止めてやる!」
「待って!冗談よ、冗談だから!二人共助けて!」
そう言って、マリアはアンナに揉みくちゃにされているのを横目に。
「レナ?あれ大丈夫なの?」
「大丈夫よ、何時もの事だから、それより朝ご飯食べに行こう?ソフィア?」
「うん、行こうか!」
「待ってくれ!私も是非一緒に!」
「まだ懲りないか!この色情魔!」
こうして私の最初の騒がしい朝は終わった。
「第3夜」 「完」
「第4夜」に続く